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日向坂46「ドレミソラシド」、なぜ2期生中心のフォーメーションに? 丹生・小坂・河田から考える

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リアルサウンド

 日向坂46が、7月17日にリリースする2ndシングル『ドレミソラシド』の表題曲フォーメーションを、『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)内で発表した。デビューシングル表題曲「キュン」に引き続き、センターは小坂菜緒。そのサイドを日向坂きっての癒し系・丹生明里と河田陽菜が挟む。公開されたMVもまた、この3人のソロ映像から始まるという2期生中心の陣形となった。

(関連:日向坂46『ドレミソラシド』MV

日向坂46『キュン』(初回仕様限定盤TYPE-A)
 前作『キュン』では、デビューシングルにも関わらず、2期生からのセンターというプレッシャーの中、その大役を見事に全うした小坂。ブログやインタビューからは、先輩を差し置いてセンターになることに対して、相当な葛藤や不安があったことが伝わってくる。だが、ライブや歌番組で見る彼女の姿は、堂々としていた。日向坂のエースとして結果を残しただけに、グループのイメージを定着させるという意味でも、二作連続のセンターは納得だ。

 今回も小坂はセンターへの熱い想いを6月10日のブログに綴っている。「まだ頑張らせてください。挑戦させてください。頼りないかもしれないけど、微力ながらにも、全身全霊をかけて…この位置から、素敵な景色が見れるように全力で頑張りたいと思います」と力強いメッセージを残し、「今では不安や怖さが無いと言うと嘘になってしまいますが、ちょっとした安心感もあります。サイドには2期生の2人がいて、周りを見れば大好きなメンバーがいて。そんな中で、私が自信を無くして下ばかりむいていても意味が無いし、引っ張っていかなきゃと改めて思うことができました」ともコメント。エースとしての責任感が強くなっていることが伺え、実に頼もしい。

 「キュン」のフロントはセンター小坂を中心に、佐々木美玲、齊藤京子、加藤史帆、柿崎芽実といった1期生の歴代センター経験者が並び、小坂をサポートする態勢で臨んだ最強の布陣であった。一方「ドレミソラシド」は、齊藤、丹生、小坂、河田、加藤という、実力者の1期生が両脇から2期生3人を挟む形の優しさに満ちあふれたフォーメーションだ。これは単に新世代日向坂の姿というわけではなく、最近の丹生と河田の人気ぶりを反映させてのことだろう。

 丹生と河田は『HINABINGO!』(日本テレビ系)で、“ヒーヒー兄弟”として幸せな笑いを届けたコンビ。見ているだけで幸せになれる2人だ。丹生は齊藤から「どうして生まれたばかりの人間は最初は丹生ちゃんみたいなのに丹生ちゃんの心を忘れていくのだろう」と評され、『日向坂で会いましょう』MCであるオードリー若林正恭には「江戸時代からタイムスリップしてきた姫みたいなピュアなあの面白さを、みんなで守っていきたいです」(『B.L.T.』2019年5月号増刊日向坂46版)と言わせるほど清らかな逸材だ。丹生が好きな『ドラゴンボール』にたとえるなら、おそらく筋斗雲に乗れるであろうピュアさを備えている。

 一方、河田は『日向坂で会いましょう』で「第1回 I LOVE河田選手権」が開催されたり、『HINABINGO!』では「妹にしたいメンバー」1位に選ばれたりと、メンバーからもとにかく愛されている。加藤は「彼女は何もしてないんですけど癒してくれる」と口にし、高本彩花もまた「すべての行動がかわいくて愛おしくてたまらなくなる」と絶賛。「天使」という言葉がしっくりくる、この2人がいれば、世の中から争い事はなくなるのでは? と思わせるほど、不純物ゼロの癒しキャラだ。そして丹生の横には齊藤、河田の横には加藤と、それぞれ溺愛している先輩が寄り添っているのも面白い。

 実はこの丹生、小坂、河田という3人の並びは、すでに「キュン」のMVに予兆があった。小坂が〈「可愛い」〉と囁くシーンが、まさにこの3人なのだ。同フレーズは、「キュン」のCMの冒頭にも使用されているため、実に印象深い。もしかしたら、以前から日向坂の楽曲における“ハッピーオーラ+爽快感”を象徴する3人だと、考えられていたのかもしれない。「ドレミソラシド」は、ある日突然君を意識し始め、僕の恋心が芽生えるといった、「キュン」と同様に、甘酸っぱい恋愛感情を描いた歌詞。前作の〈キュン〉に代わり〈ドレミ〉というワードで胸の高鳴りを表現している。「キュン」で成功した勢いそのままに、日向坂の明るく爽やかなイメージを定着させるにはもってこいの楽曲だ。

 同時にバラエティ番組やライブで観る日向坂のイメージにピッタリの夏曲でもあり、今回も一瞬で耳に残るキャッチーなフレーズが印象的だ。CMや番組のBGMとしても使いやすく、今回の「ドレミダンス」もまたTikTokで流行りそうな振付となっている。〈ドレミ〉というわかりやすいワードを繰り返すことで、小学生、園児といった若年層にもウケそうな、世間に浸透しやすい曲ではないだろうか。だからこそ、ピュアなイメージが強い3人が中心にいるフォーメーションはハマるように思う。

 とは言え、MVを見る限りでは、しっかりと全メンバーにスポットが当たっている。みんなが平等に映るようなダンスのフォーメーションとなっているため、誰のファンであっても楽しめるはずだ。そういう要素も含めて、見ていて笑顔になれるところが、日向坂の最大の魅力なのかもしれない。(文=本 手)