「トゥーランドット」新制作、オリエ「この物語で2つのことを伝えたい」
ステージ
ニュース
オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World プッチーニ「トゥーランドット」(新制作)の顔合わせ・コンセプト説明会より。(提供:新国立劇場)
オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World プッチーニ「トゥーランドット」の顔合わせ・コンセプト説明会が、6月11日に東京・新国立劇場で行われた。
「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World」は、東京・東京文化会館および新国立劇場が2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、日本から世界へ発信するオペラプロジェクト。今年2019年にはプッチーニ作曲「トゥーランドット」、来年20年にはワーグナー作曲「ニュルンベルクのマイスタージンガー」が上演される。
この日行われた「トゥーランドット」のコンセプト説明会には、総合プロデュースを務める指揮者で新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士と、演出のアレックス・オリエが参加した。東京文化会館と新国立劇場が共同制作し、さらにびわ湖ホールと札幌文化芸術劇場 hitaruが参加する本プロダクションについて大野は、「東京都と国が文化イベントの分野において共同で作業することに加え、日本の名だたる4つの劇場が1つのオペラのプロダクションを作るというのは、これまでになかったことです」と強調。「この企画に参加される皆様のエネルギーと、このプロダクションへの献身的な思いに、心から期待しています」と続けた。
オリエは「マエストロ大野とまた一緒に仕事ができることを、大変光栄に思っております」と述べ、「プッチーニはこの作品で最終的に何が伝えたかったのか、ずっと考えています。もしプッチーニが生きて最後まで書いていたら、どのような結末だったのか」「私が考えたのは、この物語で2つのことを伝えたいということです。1つは権力。もう1つはトラウマ。『トゥーランドット』はこの2つについての物語ではないか」と作品を分析。最終幕については、「このストーリーに果たしてハッピーエンドがあり得るのか、これはかなり考えましたが、あり得ないと私は思います」「最後のシーンはリハーサルでいろいろ試してみたいと思っています。ご期待ください!」と意気込みを語った。
「トゥーランドット」の公演は、7月12日から14日に東京・東京文化会館 大ホール、7月18日から22日に東京・新国立劇場 オペラパレス、7月27・28日に滋賀・びわ湖ホール 大ホール、8月3・4日に北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruにて。
※「オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World」の「→」は相互矢印が正式表記。
※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
オペラ夏の祭典2019ー20 Japan→Tokyo→World プッチーニ「トゥーランドット」(新制作)
2019年7月12日(金)~14日(日)
東京都 東京文化会館 大ホール
2019年7月18日(木)、20日(土)~22日(月)
東京都 新国立劇場 オペラパレス
2019年7月27日(土)・28日(日)
滋賀県 びわ湖ホール 大ホール
2019年8月3日(土)・4日(日)
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ
キャスト
トゥーランドット:イレーネ・テオリン / ジェニファー・ウィルソン
カラフ:テオドール・イリンカイ / デヴィッド・ポメロイ
リュー:中村恵理 / 砂川涼子
ティムール:リッカルド・ザネッラート / 妻屋秀和
アルトゥム皇帝:持木弘
ピン:枡貴志 / 森口賢二
パン:与儀巧 / 秋谷直之
ポン:村上敏明 / 糸賀修平
官吏:豊嶋祐壹 / 成田眞
合唱:新国立劇場合唱団 / 藤原歌劇団合唱部 / びわ湖ホール声楽アンサンブル
管弦楽:バルセロナ交響楽団