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要潤、時を超え“正義”から“悪”へ 『ストロベリーナイト・サーガ』が描く「ブルーマーダー」の恐怖

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 池袋に現れたブルーマーダーという怪物を追う池袋東署の姫川(二階堂ふみ)。事件の規模は大きくなり、別の署のガンテツ(江口洋介)や葉山(葉山奨之)、菊田(亀梨和也)までもが事件を追い始めた。『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)第10話は誉田哲也の姫川玲子シリーズ「ブルーマーダー」を原作とし、今回が初の映像化となる。青い仮面をつけた連続殺人鬼「ブルーマーダー」を演じるのは要潤だ。本作出演のために5キロ減量したことをSNSで報告するなど、気合十分で挑んでいる。

【写真】減量した要潤の姿

 池袋のビル内で暴力団組織、秋庭組組長の河村丈治(湯江タケユキ)が殺されたことで、池袋東署の姫川は捜査を始める。時を同じくして、テレビの報道を見ていた笹塚署の下井正文警部補(陰山泰)はガンテツを呼び出し、この事件について気になっていると話す。ガンテツと下村は、最近になって急に池袋界隈の組織が大人しくなっていることを話題にし、ガンテツは何か怪物がいるのか、と冗談めかしながらも話していた。

 一方姫川は聞き込みを続けていると、「ブルーマーダー」という奇妙な噂を耳にする。初めは噂レベルでしかなかった話であったが、次々に遺体が上がり、負傷者が出ることでその信憑性が高まっていく。そこで、ブルーマーダーを追う姫川の元に元姫川班の葉山から「ブルーマーダーの正体を突き止めた」と連絡が入る。それと同時に、下村はガンテツを交えブルーマーダーと銃撃戦に突入するのであった。

 要はもともと『仮面ライダーアギト』(テレビ朝日系)で活躍していた役者である。正義のヒーローとして仮面をつけ、人々を守るために戦ってきた。しかし本作では殺人を犯すために仮面をつけている。時を超え、正義から悪へと役柄を変え好演を見せた。容赦無く人を殴り殺していくブルーマーダーの姿は、目立った武器がないからこそ恐怖を駆り立てる。拳を使った芝居だけに、アクションも重要になってくる。要はそんな難しい芝居を、持ち前のキャリアで見事に見せつけた。

 本作は最終章に突入し、銃撃戦やアクションなどさらにハードな描写が加わっている。ガンテツが仲間を守るためにホテルのドアの隙間から見せた銃撃戦は迫力のあるシーンとなった。さらに現場で犯人確保のために待ち構えているのは元姫川班の葉山だ。犯人と対峙するのが苦手だった葉山がブルーマーダーともみ合っている姿は成長を感じさせる。姫川班を筆頭に、多くの刑事が絡むシーンが増え最終章さながらの盛り上がりを感じた。

 さらに、第10話では姫川が大塚(重岡大毅)を偲び、花を手向けに行くと偶然菊田と出くわす場面もあった。何気ない話をする2人だが、姫川は菊田の薬指に指輪がはめられていることに気がつく。すると姫川は話を切り上げ、去ってしまうのであった。どこか胸中に秘めた想いを感じさせるシーンであった。

 事件は逃走しているブルーマーダーを追っている途中で次週に持ち越しとなっている。ついに最終回を迎える次週は、ブルーマーダーの事件解決、そして姫川と菊田の晴れない恋心に答えは出るのか。

(Nana Numoto)