鄭義信、稲葉友、森達也が「活弁シネマ倶楽部」番外編で鼎談、舞台「エダニク」語る
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左から森達也、鄭義信、稲葉友。
Web番組「活弁シネマ倶楽部」の番外編がYouTubeで公開された。
普段は映画を取り上げる同番組だが、今回は6月22日から東京・浅草九劇にて上演される舞台「エダニク」を特集。同作品の演出を担当する鄭義信、キャストの稲葉友が出演し、ドキュメンタリー作家の森達也と鼎談を行った。
2009年に横山拓也が書き下ろした戯曲「エダニク」は、食肉加工センターで働く男たちの会話劇。屠殺場を扱った著作「いのちの食べかた」を2004年に発表した森は「横山さんは、屠場で働いていた方なんですか? リアルだなあ」と感心し、「1つひとつのセリフがとても洗練されている。ちょっとユーモラスでもありますしね。台本を読みながら、これは絶対に生で観たいな、と感じました」と語る。
番組では、鄭と森の意外な接点が明かされる場面も。1980年代後半、鄭が座付き作家を務めていた頃の劇団「新宿梁山泊」の公演を森は何度も観に行っていたという。「芝居の途中でワイヤーが切れて役者が落ちてきた」「50m上から鉄の矢が降ってくる」といった当時のエピソードに稲葉は驚愕。「先人たちがいなければ、僕たちには続いていないので……。それを経て僕たちは、安全な装置で演劇ができているんですね」とコメントした。
「エダニク」について、森は「義信さんのお芝居は、大人数でエネルギーが強いタッチのイメージ。今回は3人芝居なので、凝縮したものをどう作り上げるのか。お手並み拝見ですね」と期待。鄭は「屠殺場という世界があって、そこで働く人たちがいて、その人たちにも生活があって……そんな当たり前のことを僕たちは忘れてしまう。この舞台を通じて、そこに実際にある“生”を感じてほしいです」と思いを語り、稲葉は「どこを見て、何を感じて、何を持って帰るかは観ていただかないと始まらない。ぜひ劇場に足を運んでほしい」とアピールした。このほか、番組では3人の映画原体験なども明かされる。