乃木坂46、なぜ2期生メンバーに今注目するべきなのか 最多選抜入りなどに感じる変化の兆し
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6月16日放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)にて「今こそ!2期生の個性を再発掘SP!」と題した乃木坂46の2期生特集が組まれる。2期生を中心とした放送は、2015年11月にオンエアされた、2期生である堀未央奈のプレゼン企画「2期生の良いところもっと知って欲しい」以来だ。
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2期生メンバーは2013年5月上演の『16人のプリンシパル deux』にて、1日1人がお披露目されていった。今ではグループの恒例行事となっている『真夏の全国ツアー』だが、その年はまだZepp規模。ツアーファイナルとして開催された国立代々木競技場第一体育館にて、7thシングル『バレッタ』のセンターに堀が抜擢されるなど、乃木坂46に変化の兆しが現れ始めたのがこの頃だ。
2期生は、1期生や3期生、4期生に比べ、“不遇”と言われることが多い。その理由の一つに、加入した時期がある。まだそこまでグループの地盤が築かれていなかった頃に加入した2期生は、唯一、研究生という制度を経験してきている。センターとなった堀を始め、北野日奈子、新内眞衣、伊藤かりんが正規メンバーへと順に昇格し、“ボーダー組”と称される伊藤純奈、佐々木琴子、鈴木絢音、寺田蘭世、山崎怜奈、渡辺みり愛の6名が晴れて研究生を脱することができたのは、2015年2月に西武ドームで開催された『乃木坂46 3rd YEAR BIRTHDAY LIVE』でのこと。お披露目から正規メンバーになるまでおよそ2年の苦しい歳月があったのだ。先日、『乃木坂工事中』で3期生、4期生の絶叫マシンロケを受けて、伊藤かりんが「よみうりランドはネットで行ってます」とコメントする一幕があったが、その模様は「乃木ここ」として乃木坂46の公式ウェブサイトに現在も公開されている。当時、まだ手探りだったグループ全体の空気が味わえる、今となっては貴重なアーカイブだ。
乃木坂46にとって登竜門とされる『プリンシパル』シリーズだが、3期生と4期生は『3人のプリンシパル』としてそれぞれ上演されたこと、その後に期生単独ライブが開催されたことも、2期生との大きな差になっている。2期生が参加した『16人のプリンシパル trois』は、まだ多くのメンバーが研究生だった。その後、2期生の単独ライブが開催されることもなく、彼女たちだけのステージはファンから待ち望まれているライブの一つでもある。
そんなファンの思いが形になった瞬間があった。それが、2017年に明治神宮野球場で開催された『真夏の全国ツアー』。各期生が順に歌唱ブロックを繋いでいくライブで、3期生のバトンを受け取り見せた2期生のパフォーマンスは圧巻だった。2期生のみでの「バレッタ」に始まり、寺田の「皆さんにとって、2期生はどのように見えていますか?」という切実なメッセージ。「嫉妬の権利」は、2期生が選抜メンバーに選ばれることのなかった13thシングル『今、話したい誰かがいる』アンダー曲だ。バラバラの色で輝く2期生を、渡辺は過去に“虹”と例えている(『BRODY 2017年10月号』より)。一度も揃うことのなかった彼女たちが、初めて全員でステージに立った時、沈みゆく夕陽よりも輝く光を放つ。〈決心のきっかけは理屈ではなくて いつだってこの胸の衝動から始まる〉ーーラストの「きっかけ」を歌う2期生の表情が、涙と笑顔で入り混じっていたことは忘れられない。
それから2年が経過し、このタイミングで再び2期生がフィーチャーされるのは、彼女たちに幾つかの変化が訪れているからだ。まずは、2期生だけでなくアンダーメンバーのまとめ役だった伊藤かりんが、5月24日の横浜アリーナでのアンダーライブにてグループを卒業したことが大きい。これで2期生は、現在9名。卒業ラッシュと言われる1期生の陰で、2期生の旅立ちも少しずつ始まっている。伊藤かりんは、一度も選抜として日の目を見ることなく卒業していったメンバーだった。伊藤純奈、佐々木、山崎の3名が伊藤かりんと同じ境遇であり、なんとか選抜入りさせたいという心情も窺い知れる。その一方で、23rdシングル曲「Sing Out!」は、堀、北野、鈴木、渡辺、新内の5名が選抜入りするという、これまでのシングルで最も2期生が多いフォーメーションでもあり、さらにアンダーセンターは寺田と、2期生へ追い風が吹いている状態にあるのだ。不遇と言われた2期生にとって、今年の夏が大きな節目になることを祈っている。(渡辺彰浩)