サザン、約55万人動員の過去最大規模ツアーが閉幕「みんな元気で ありがとうね」
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サザンオールスターズ「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」東京・東京ドーム公演の様子。(撮影:西槇太一)
サザンオールスターズが昨日6月16日に東京・東京ドームで全国ツアー「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」のファイナル公演を開催した。
昨年6月にデビュー40周年を迎え、“プレミアムアルバム”である「海のOh, Yeah!!」のリリース、野外ロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」や35年ぶりの「NHK紅白歌合戦」への出演など、メモリアルイヤーを彩るように精力的な活動を展開してきたサザン。6大ドームを含む過去最大の規模で行われた今回のツアーは3月より全11カ所で22公演が行われ、6月15、16日の東京ドーム公演では各日約5万人、ツアー全日程では約55万人を動員した。
スタンド席にウェイブが発生するなど開演前から東京ドームには熱気が立ちこめ、「東京VICTORY」のイントロに合わせてステージの紗幕に5人のシルエットが浮かび上がると、客席からは大歓声が。そして腕時計型の“40周年ライト”を身に付け、ライブのスタートを待ちわびていたファンの前に姿を現したサザンは、手拍子に包まれながら熱狂のステージを繰り広げていく。「海のOh, Yeah!!」の収録曲である2曲目の「壮年JUMP」では、桑田佳祐(Vo, G)が「全国巡り 今日は千秋楽 お越し下さいまして ありがとう みんなの笑顔に逢いたくて 東京ドームへ 帰って来たよ」という感謝の気持ちを込めた替え歌を披露し、ファンを歓喜させた。
「希望の轍」で会場が一層ヒートアップしたところで、桑田は得意の冗談を交えつつ、「今日来ていただいたお客さんはもちろん、全国の皆さんに感謝の気持ちを込めてやらせていただきたいと思います」と挨拶。サザンは昨年4月発表の「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」のほか、「彩~Aja~」「青春番外地」「欲しくて欲しくてたまらない」など新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストを展開する。「Moon Light Lover」ではレイ・チャールズ「Georgia On My Mind」をオマージュしたと思われるイントロから、スパニッシュ音楽を取り入れた「赤い炎の女」では赤いドレスを着たダンサーやステージ上に炎が灯る演出と共に演奏が行われ、続く「北鎌倉の思い出」では原由子(Key, Vo)の優しいボーカルが響きわたった。
コミカルなバンドメンバーの紹介を挟み、ライブ中盤には平成元年である1989年発表の「女神達への情歌(報道されないY型[ケイ]の彼方へ)」がアバンギャルドな服装のダンサーを迎えて披露されたかと思えば、失恋を描いた「慕情」がしっとりと歌われる。さらにツアーを通して演奏されてきた新曲のバラードナンバー「愛はスローにちょっとずつ(仮)」が届けられると、会場は盛大な拍手で包まれた。なおこの曲は今後レコーディングされ、何らかの形で発表される予定とのこと。
その後、ファンクナンバー「ゆけ!! 力道山」が力道山の映像と共に演奏され、桑田のソリッドなギターソロが炸裂。また、メンバー紹介の際にジョークとして「ダンサーになりたい」という夢を明かした関口和之(B, Vo)が「忘れられたBIG WAVE」に乗せてゆるやかなダンスを踊ってファンを和ませたあとは、初期のナンバーが立て続けに並ぶ。小林克也による曲紹介映像からロックナンバー「DJ・コービーの伝説」が演奏されたほか、カントリーロック調の「わすれじのレイド・バック」の曲中には5人の昔の写真がスクリーンに映し出され、桑田が「これからも一緒に盛り上がろうぜ」と歌ってファンを沸かせた。
会場が興奮で満たされる中、ライブはとうとうラストスパートへ。サザンはセクシーなダンサーや火柱が上がる演出を交えながら、松田弘(Dr, Vo)らリズム隊が生み出すビートに乗って「シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA」「マチルダBABY」「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」「イエローマン ~星の王子様~」といったアッパーチューンを連発。ブリーフを模した飾りを頭に付けた桑田が男性のダンサーに囲まれたり、コブラツイストをかけられたりする「マンピーのG★SPOT」でカオティックにライブ本編を締めくくった。
アンコールで再びステージに登場したサザンは、桑田の「元気があればアンコールにお応えできる! もっとやりますか!」という呼びかけから、「I AM YOUR SINGER」「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」「栄光の男」といった人気曲を畳みかけてファンを魅了。メンバー紹介でスルーされていたことに怒りを露わにした“毛ガニ“こと野沢秀行(Perc)の「俺だってサザン大好きなんだ! ふざけるな!」という叫びを合図に、続けてデビュー曲「勝手にシンドバッド」を演奏した。沸き立つ客席に金色のテープが勢いよく降り注ぎ、ステージ上ではサンバのダンサーや読売ジャイアンツのマスコットであるジャビットも入り乱れての文字通りお祭り騒ぎのパフォーマンスが繰り広げられた。
そして桑田の「このステージで皆さんと盛り上がれることが、還暦を過ぎたメンバー一同、本当に幸せでございます! 本当にありがとね! これからもサザンオールスターズをよろしくお願い申し上げます!」という挨拶を経て、サザンはラスト36曲目に「旅姿四十周年」を披露。“40周年ライト”が放つ白い光で染まり、盛大なシンガロングが展開される客席に、「東京ドームでまた逢おうね みんな元気でありがとね」という言葉を贈ってファンとの再会を誓い、約3時間半にわたるツアーファイナルの幕を閉じた。
サザンオールスターズ「“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!? ふざけるな!!」2019年6月16日 東京ドーム セットリスト
01. 東京VICTORY
02. 壮年JUMP
03. 希望の轍
04. 闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて
05. SAUDADE~真冬の蜃気楼~
06. 彩~Aja~
07. 神の島遥か国
08. 青春番外地
09. 欲しくて欲しくてたまらない
10. Moon Light Lover
11. 赤い炎の女
12. 北鎌倉の思い出
13. 古戦場で濡れん坊は昭和のHero
14. JAPANEGGAE(ジャパネゲエ)
15. 女神達への情歌(報道されないY型[ケイ]の彼方へ)
16. 慕情
17. 愛はスローにちょっとずつ(仮)
18. ゆけ!! 力道山
19. CRY 哀 CRY
20. HAIR
21. 当たって砕けろ
22. 東京シャッフル
23. DJ・コービーの伝説
24. わすれじのレイド・バック
25. 思い過ごしも恋のうち
26. はっぴいえんど
27. シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA
28. マチルダBABY
29. ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
30. イエローマン ~星の王子様~
31. マンピーのG★SPOT
<アンコール>
32. I AM YOUR SINGER
33. LOVE AFFAIR~秘密のデート~
34. 栄光の男
35. 勝手にシンドバッド
36. 旅姿四十周年
※記事初出時、セットリストの曲名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。