EXO D.O.、2PM ジュノ、SHINee ミンホ……俳優としても頭角現す“演技ドル”に注目
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“演技ドル”という言葉をご存知だろうか? “演技”と“アイドル”を掛け合わせた造語で、韓国ではよく使われている言葉だ。韓国には、現役俳優も驚くような演技を見せるアイドルたちがいる。例えば、日本でもリメイクされた韓国ドラマ『ミセン-未生- 』(日本でのタイトルは『HOPE』)の主人公を演じたイム・シワンは、アイドルグループ・ZE:Aのメンバーだ。
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最近では、映画『神と共に』シリーズに出演したEXOのD.O.が“演技ドル”として注目を浴びている。今回は、アイドルでありながら俳優としても頭角を現す“演技ドル”たちについて紹介したいと思う。
■“怪演”を見せるD.O.(ド・ギョンス/EXO)
EXOのD.O.ことド・ギョンスの演技は、まさに“怪物”並みだ。2012年にEXOのメインボーカルとしてデビューし、アイドルとしての活動を重ねた後、2014年にチョ・インソン主演のドラマ『大丈夫、愛だ』で俳優としてのデビューを飾った。その後、映画『明日へ』の出演を皮切りに映画の出演を重ねている。
2015年に出演したドラマ『君を憶えてる』では、サイコパスの犯罪者という役を演じた。この彼の演技がゾクゾクするほど怖い。演技だとわかっていても、本当にこんな人が自分の近くにいるのでは? と思わせるほどのリアルさで、狂気の人物を演じきっていた。出演したのは1話と2話のみだったが、短い時間でも視聴者に大きなインパクトを与えたのは間違いない。このドラマにおけるD.O.の“怪演”はぜひ直に見てほしい。
7月に現役入隊を発表したD.O.。約1年半のブランクが生じるが、兵役によって培われた経験が、今後の演技にも反映されてくるのではないだろうか。さらに成長した俳優、ド・ギョンスに再会できることを期待したい。
■俳優としての名も広めるジュノ(イ・ジュノ/2PM)
日本では“2PMのジュノ”としてアイドル・歌手としてのイメージが強いが、韓国では俳優としてのイ・ジュノの名前が広がってきている。2008年に2PMのメンバーとしてデビューをしているが、俳優として本格的に活動を始めたのは、2011年の映画『ホワイト』からになる。その後、映画『監視者たち』『メモリーズ 追憶の剣』などの出演を重ね、2015年の映画『二十歳』で初主演を果たした。
ドラマでは2016年に日本でもリメイクされた『記憶』に出演し、『キム課長(邦題『キム課長とソ理事~Bravo! Your life~』)』で俳優としての注目を浴びることになる。『キム課長』では会社のためには手段を選ばない冷徹な元検事、ソ・ユルを演じた。常にネチネチと意地悪をし嫌味を言ってくるソ理事なのだが、悪役なのになぜか憎めない……。そんなジュノのコミカルな演技が視聴者の心を引きつけた。その後に放映された『ただ愛する仲』では、『キム課長』とはガラリと役柄を変え、辛い記憶を抱えながら生きる主人公・ガンドゥを演じた。
ここ1~2年でジュノが俳優として出演した作品は多くあるが、忙しい合間にもアルバムの発売や、日本ツアーを開催したりと、しっかり“歌手・ジュノ”としての活動も欠かさなかった。彼にとっては歌手である自分も、俳優である自分もどちらも大事なのだろう。
■脱皮を果たしたミンホ(チェ・ミンホ/SHINee)
SHINeeのミンホもここ最近、“演技ドル”として注目されてきている。2008年にSHINeeのメンバーとしてデビューを果たし、2010年のスペシャルドラマ『ピアニスト』で俳優デビュー、そして『サンショウウオ導師と恋まじない』で連続ドラマ初出演を果たした。日本の漫画を原作にしたドラマ『花ざかりの君たちへ』では佐野泉役(韓国版役名:カン・テジュン)を演じている。
彼は『メディカル・トップチーム』『花郎』など、様々なドラマや映画に出演してきたが、“爽やか”な路線からなかなか脱皮できていなかったように思う。それが彼の苦悩でもあったかもしれないが、2016年に出演した映画『アンダードッグ 二人の男』では、初めて悪役を演じ、今までのチェ・ミンホのイメージからの脱皮を果たした。彼自身は喫煙は一切しないのだが、映画の中ではタバコを吸うシーンがあった。この映画のために喫煙をし、その後しっかりタバコはやめたという。ストイックな彼の性格がよく出たエピソードだ。
2017年には押井守原作の日本のアニメ映画『人狼 JIN-ROH』の実写版『人狼』に出演。キム・チョルジンという実写版オリジナルのキャラクターを演じている。ミンホは4月に自ら志願し海兵隊に入隊したが、韓国の海兵隊は非常に厳しい環境にさらされるという。そんな環境から戻ってきた時に“演技ドル”としてさらなる活躍を見せる姿を楽しみにしたい。
■アイドルから生まれる演技派俳優
最初に紹介したイム・シワンの他にも、ZE:Aには『花郎』『SUITS』などで俳優として注目されているパク・ヒョンシクも所属している。
B1A4出身のジニョンも『雲が描いた月明かり』の出演で注目され、俳優としての活動を活発にしている。またB1A4にはバロという演技派のメンバーもいたが、どちらも所属事務所を離れ、今後は俳優としての活動を中心にしていくようだ。
女優の場合なら、スジが有名だろう。彼女はもともとはJYPエンターテインメントから生まれたガールグループ・Miss Aのメンバーだった。今では女優としてすっかり有名だが、彼女もアイドル出身なのだ。
ここでは紹介しきれなかったが、アイドル出身の俳優は実はとても多い。というのも、韓国においてアイドルは俳優への登竜門となる場合もあるからだ。今活動しているアイドルの中にも名俳優の原石は眠っているはず。彼らの中から、どんな“演技ドル”が生まれてくるのか、これからが楽しみだ。(西門香央里)