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ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 『カメ止め』クリエイターらが語る!SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019 特集

『カメ止め』クリエイターらが語る!
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019 特集

7月13日(土)~7月21日(日)SKIPシティにて開催

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019公式サイト/SNS

本映画祭を契機に世界へ羽ばたけ!
若手映像クリエイターの登竜門「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」開幕!

デジタルシネマに、いち早く注目した映画祭〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭〉が7月13日より開幕する。メイン・プログラムは、長編作品を対象にした国際コンペティションと、長編部門と短編部門で構成される国内コンペティション。いずれも次世代のクリエイターを対象にしており、これまでに『雪の轍』でカンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝くヌリ・ビルゲ・ジュイラン監督や、国内でも『凶悪』の白石和彌監督や『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督らの才人をいち早く見出している。会期中は、国内はもとより海外からもゲストが多数参加。観客との交流の場があるほか、今年は巨匠たちのスタートラインを振り返るスペシャル・プログラム「トップランナーたちの原点」や、『カメラを止めるな!』のバリアフリー上映、子育て中のママや子どもにむけた上映やイベントといった関連企画も充実し、映画ファンからファミリーまで楽しめる内容になっている。夏の1日を楽しみにぜひ会場へ!

『カメ止め』クリエイターが語る! 本映画祭の楽しみ方

左から中泉裕矢、上田慎一郎、浅沼直也。 3監督とも“2012年仲間”であり、今年はオープニング作『イソップの思うツボ』を共同で制作。

本映画祭とゆかりのある3監督に映画祭の魅力を語って頂きました!

今月13日から開催がスタートする〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019〉。その幕開けのオープニング上映は、昨年社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督と、同作にスタッフとして参加していた中泉裕矢と浅沼直也が共同監督を務めた『イソップの思うツボ』が飾る。実は、この3人、2012年度の本映画祭で入選を果たしている、いわばSKIPシティ映画祭の“同期”。その後、3人ともに新作で本映画祭に帰ってくるなど、縁が深い。そこで3人に<SKIPシティ国際Dシネマ映画祭>の魅力を聞いた。

――そもそも3人は〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012〉の入選監督で。浅沼監督は『Heart Beat』が国際コンペティション部門に、上田監督は『恋する小説家』、中泉監督は『円罪』が国内短編コンペティション部門にノミネートされています。SKIPシティ映画祭に応募しようと思ったきっかけは?

上田 自主映画の場合、出口がない。だからどうにか上映できる場がないかと、映画祭に応募するわけですけど、その中でたまたまみつけた映画祭だった気がします。

中泉 僕もそうですね。当時は映画関係の知り合いとか全くいなくて、映画祭の規模とかあまりわからずに応募条件を満たすところにとりあえず送っていました。そのひとつがSKIPシティだったと思います。

上田 とにかく送れるところには送っていた(笑)。

浅沼 僕もSKIPシティを狙ってというわけではなかったです。作品が完成したときに、今応募できるところがSKIPシティだった。ただ、自主映画のコンペとして、ゆうばり(国際ファンタスティック映画祭)、ぴあ(フィルムフェスティバル)、SKIP(シティ国際Dシネマ映画祭)の3つは目標みたいなところはありましたね。

上田 2012年は、中野(量太)監督も『チチを撮りに』が入選していて、話す機会があったんですけど。確か中野さんは言ってましたね。「最初からSKIPシティを狙っていた」と。

中泉 僕は入選の知らせを受けて、調べてみると、こんなに大きな映画祭なんだとびっくりしたことを覚えています。自分にとって初めての作品だったので、右も左もわからない。それなのにこんな大きな映画祭で上映できるんだと思うと、うれしかったですね。

エンタメ作品から社会派まで多様性を認めていることが魅力

――この入選を機に、みなさんSKIPシティに何度か作品を携えて戻ってきているのですが、映画祭としての本映画祭の魅力はどこにあると思いますか?

浅沼 僕が2017年の本映画祭の短編部門で最優秀作品賞をいただいた『冬が燃えたら』は、実際にあった事件を基にしていて。なかなかニュースでもとりあげられない問題に向き合った作品でした。映画祭の役割って、エンターテインメントの側面だけではなくて、なにか今の時代に起きていることに対して対峙してひとつ世の中にメッセージを送るみたいな社会的な側面もあると思うんですね。SKIPシティはそうしたエンターテイメントと社会的メッセージを両立させているというか。同等に評価して、紹介してくれる。バリバリのエンターテインメント映画から芸術性の高いアート系作品、痛烈なメッセージの込められた社会派作品までを分け隔てなく並べる。その多様性を認めていることが映画祭の魅力になっていると思います。

中泉 本当に作品の幅が広いですよね。製作国とかも本当にさまざま。めったにみたことのない国の映画が選ばれていたりする。

上田 そこにつながるかもしれないんですけど、審査員が選んだ賞と観客賞がまったく別なことがSKIPシティは多いんですよね。それぐらい幅広い、多種多様な視点をもった作品が常に上映されている気がする。それが魅力かもしれない。あと、僕もいろいろな映画祭に行きましたけど、来年もまた行きたいと思う映画祭って正直、そう多くはないんですよね。でも、SKIPシティは帰ってきたいと思う。それぐらい映画祭スタッフはみなさん、作り手を大切にしてくれてすべてにおいてやりとりが丁寧。たとえばメールをしたらすぐレスがある。しかも丁寧な返事が返ってくる。映画祭によっては連絡がいつまでたってもこない(笑)

中泉 若い映画作家を見出しました、映画祭に呼びました、で終わらせるんじゃなくて、支援して作らせよう。そういう作家を前に進ませてくれる姿勢が映画祭スタッフはもとより映画祭全体にある。

上田 実際、「こういう企画あるんだけど、やってみない?」という話の提案をしてくれる機会もあるし。

浅沼 たぶんそういった映画祭の作家をきめ細かにケアして大切にする姿勢は、会場に来てくださる人に対しても同じなんじゃないかな。だから通い詰める人が多い。長年、足しげく通う地元の常連さんがいっぱいいる。

上田 地元の長年のファンの方だと思うんですけど、全プログラム制覇しようみたいな方を結構みかけますよね。

中泉 確かに。プログラムにサインを求められることがあって、みてみるとほかのページにも監督たちそれぞれのサインが入っていたりとかいうことがありました。あと、僕は作り手とお客さんの距離がほかの映画祭よりも近い気がする。声をかけてくれて感想を言ってくださるかたも珍しくない。観客もほんとうに幅広いですよね。そういう意味で、すべてに開かれた映画祭でそこが魅力かもしれません。

これまでのオープニング作品とは毛色が違う『イソップの思うツボ』

(C)埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ

――そして、今年はお三方が監督した『イソップの思うツボ』が映画祭のオープニング作品になりました。

上田 (これまでのSKIPシティ国際Dシネマ映画祭でかかってきたオープニング作品とは)かなり毛色が違う作品なので…。

浅沼 ぜんぜん違うよね。

中泉 僕は、自身初の長編映画『君がまた走り出すとき』が昨年の本映画祭のオープニング作品だったから2年連続で、まずありがたいなと。去年は、ひとりでガチガチに緊張してたけど、今年は3人なので気楽というか。へんな緊張感はなくて楽しみが大きいかな。

上田 とはいえ、ワールド・プレミアで本当にこのオープニング上映が初お披露目になりますから、どんな反応があるのかとちょっとドキドキです。

浅沼 オープニング上映作品って、映画祭のひとつの顔じゃないですか。だから、その作品に選ばれたというのは光栄なこと。もうひとつ言えば、SKIPシティ映画祭の入選を経て、はじない活動を自分はしてきたと映画祭から評価された気がして、僕は個人的に感慨深いところもあります。

――それこそ、本映画祭に長年足を運んでいる常連さんにとって、みなさんはSKIPシティ出身監督。変な話、「俺たちが見出した」なんて親近感をもっている方も多いかと(笑)。そうしたみなさんにとっても感慨深いオープニング上映に今年はなるかもしれません。

中泉 そういうふうに感じてもらえる方がいらっしゃるのはうれしいですね。川口駅から無料バスも出てますから、ぜひ会場に来てほしいです。

浅沼 ひとりでも多くの方に観に来てほしい!

上田 会場でお会いしましょう!

本映画祭で初お披露目! オープニング作品
『イソップの思うツボ』 7/13 (土) 14:00~

構想3年!『カメ止め』クリエイターが再集結して贈る、予測不能なバトルロワイヤル! カメだけが友達の女子大生、大人気“タレント家族”の娘、“代行屋父娘”として暮らす少女が出会うとき、とんでもない物語が始まる⁉

こちらも見逃せない!今年の特集上映
「トップランナーたちの原点」

写真提供:AFP/アフロ

日米4名の巨匠監督のデビュー作をスクリーン上映!

映画ファンなら誰もが知っているであろうジョージ・ルーカス、クリント・イーストウッド、スティーヴン・ソダ―バーグ、三池崇史。トップランナーとして大作映画を主戦場とする彼らにも「若手」「新鋭」と呼ばれた時代があった ──。本特集ではそんな世界的映画監督4名の普段なかなかスクリーンで観ることのできない、デビュー作を上映する。

©1995 KADOKAWA

『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』
  監督:三池崇史

7/17 (水) 17:30 
登壇ゲスト:三池崇史、椎名桔平、土川勉(本映画祭ディレクター)

三池監督の原点!新宿歌舞伎町を舞台にしたバイオレンス・ムービー

バイオレンス・アクション、アイドル映画、任侠もの、時代劇などジャンルを問わずハイペースで作品を作り続け、海外からも注目を集める三池監督のまさに原点ともいえる劇場デビュー作を上映! 歌舞伎町を舞台に、チャイニーズ・マフィアと日本のヤクザ、警察との間で繰り広げられる麻薬、殺人、臓器売買、なんでもありの三池崇史監督のパワーが炸裂する! 出演は椎名桔平、田口トモロヲ、大杉漣、平泉成ら。

©1988 Outlaw Productions. All Rights Reserved.

『セックスと嘘とビデオテープ』
  監督:スティーヴン・ソダーバーグ

7/19 (金) 10:30

史上最年少の26歳でカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞!

豪華キャスト共演の『オーシャンズ』シリーズなどで知られるソダーバーグ監督の鮮烈なデビュー作を上映! 本作は、低予算のインディペンデント映画ながら弱冠26歳の若さでカンヌ映画祭グランプリを史上最年少で受賞した。タイトルにもある“セックスと嘘”をテーマに、一見理想的な夫婦と、妻の妹、そして突然の訪問客である夫の旧友の4人の姿を通して人間の繊細な心理を描く。

©1971 A Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『THX-1138 ディレクターズカット』
  監督:ジョージ・ルーカス

7/19 (金) 14:30

『スター・ウォーズ』の生みの親、ルーカス幻のデビュー作

『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ』で知られるジョージ・ルーカスが大学在学中に製作した短編を、フランシス・フォード・コッポラ製作総指揮のもと75万ドルの製作費でリメイクしたSF映画。『ゴッドファーザー』のロバート・デュバルが主演を務め、人間が番号化され、コンピュータが社会を支配する世界を舞台に、そこから脱出しようとする男の姿を描く。日本劇場未公開作品。

©1971 Universal Pictures Co., Inc. All Rights Reserved.

『恐怖のメロディ』
  監督:クリント・イーストウッド

7/19 (金) 17:30 

人気俳優から名監督へ。イーストウッド監督&主演の元祖ストーカー映画

現在89歳にして今なお活躍するクリント・イーストウッドの監督処女作で、主人公に異常なまでに執着する女の恐怖を描いた心理スリラー。公開された当時はストーカー行為という概念自体が浸透していなかったためその内容は衝撃的で、興行的にも批評的にも成功を収めた。イーストウッド自身が女性に付きまとわれる主人公を演じ、『ダーティハリー』のドン・シーゲル監督がバーテン役で友情出演している。

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