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「ディリリとパリの時間旅行」ミッシェル・オスロ、斎藤工に「誘惑者の声をしてる」

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左からミッシェル・オスロ、新津ちせ、斎藤工。

「ディリリとパリの時間旅行」の公開アフレコイベントが、本日6月20日に東京都内で開催され、来日中の監督ミッシェル・オスロ、日本語吹替版キャストの新津ちせと斎藤工が参加した。

物語の舞台は19世紀末から20世紀初頭、“ベル・エポック”と呼ばれた時代のフランス・パリ。仏領ニューカレドニアからやって来た少女ディリリとパリの配達人オレルが、パブロ・ピカソやアンリ・マティスなど時代を彩った天才たちに出会い、街を騒がす誘拐事件の謎を解いていくさまを描く。新津がディリリ役、斎藤がオレル役にキャスティングされた。

この日は、ディリリとオレルの出会いの場面を収録。博覧会の会場内にいるディリリに対し、オレルが「ねえ君、僕らの言葉話せる?」と小声で呼びかけるシーンだ。斎藤の演技を聞いたオスロは「ここが一番大事。ディリリがどれだけフランス語を話せるかわかっていないので、まるで犬に話しかけているように、リスペクトがなくていい。日本語の言葉を崩してしまってもいいんです」と直接演出していく。吹替版ディレクターの志村貴博とも相談した結果、セリフ自体を「ねえ、言葉話せる? 僕らの言葉」といったように変更してアフレコを進めていった。

待ち時間は斎藤と楽しそうに雑談していた新津だが、収録が始まると一気に集中モードに。「ディリリって言いにくい……」と自主練習を重ねながら、オスロに「ちょっと早口すぎるかな。もう少し時間をかけて、フランス語を話しているような感じの日本語で」とニュアンスを説明されると「はい」としっかり返事をして受け止めていた。

またアフレコ中は、オスロから志村にある依頼も。「どんな言語でも、吹替で泣いたり笑ったりするのは一番難しいと思うんです。実は気を付けてほしいシーンがあるんですよ。誘拐されていた女の子たちが泣く場面は、実は僕、フランスの女の子たちの泣き方に満足していないんです。日本の女の子たちにはもっとうまく泣いてほしい。幼い女の子が『うわー!』と泣く感じを出してほしいんだ」と細かくオーダーした。さらにディリリたちがベンチでフライドポテトを食べるシーンで、オスロが「この背景は、パリのルクセンブルグ公園の花を写真で撮って、それにもっと花を足したものなんだ」と明かす一幕もあった。

収録後、オスロと対面した印象を聞かれた斎藤は「監督のファンで、昔から作品に魅せられてきました。想像していた通り、奥行きのある優しい方でした」と語り、新津も「私もオスロさんの作品が大好きで、(ソフトの)特典もたくさん観ていて……。想像通り優しくてすごい人だなって思いました」と感想を述べる。さらに斎藤は、本作の感想をたずねられると「一見ベル・エポックの華やかな世界に見えるけど、実はその裏側が見事に描かれている。きらびやかなパリの本質や社会的問題が凝縮されていて、驚き感激しました」とコメントした。

一方オスロは、2人と会った感想を「とっても幸せです」と述べ、新津に対して「ディリリ役のフランスの子役の子は、ちせちゃんよりずっと簡単だったと思う。だからあの子のしゃべり方をまねしてもいいですよ。どうして簡単だったかと言うと、最初に声を収録して、それにあわせてアニメーターがキャラクターを動かしていったんです」とプレスコ方式を採用したと説明。そして「難しい役を任せているけど、ちせちゃんならできると思う。君は僕が考えているディリリそのままだよ!」と新津を勇気付けた。

またオスロは斎藤に対し「今日初めて声をお聞きしたけど、“誘惑者”の声をしているね」と言って笑いを起こす。オレルは“精神的には17歳”という設定だそうで、オスロは「もう少し若々しさを目指してもらってもいいかな。ディリリに合わせて、若者が前のめりで話している感じを出してほしい。でも僕は心配してないよ。お二人にはすでにみんなが魅了されているから」と言葉をかける。その言葉を斎藤は「がんばります!」と噛み締めていた。

「ディリリとパリの時間旅行」は8月24日より東京・YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次公開。なお本日より開幕のフランス映画祭2019 横浜でも上映される。

(c)2018 NORD-OUEST FILMS - STUDIO O - ARTE FRANCE CINEMA - MARS FILMS - WILD BUNCH - MAC GUFF LIGNE - ARTEMIS PRODUCTIONS - SENATOR FILM PRODUKTION