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「アイネクライネナハトムジーク」今泉力哉、上海で「愛がなんだ」との共通点語る

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第22回上海国際映画祭での正式上映に参加した今泉力哉。

「アイネクライネナハトムジーク」が、6月20日に第22回上海国際映画祭のコンペティション部門で正式上映され、監督の今泉力哉が登壇した。

伊坂幸太郎の小説をもとにした本作は、“劇的な出会い”を待つだけの男・佐藤を軸にしたラブストーリー。三浦春馬が佐藤を演じたほか、多部未華子、矢本悠馬、森絵梨佳、恒松祐里、萩原利久、貫地谷しほり、原田泰造がキャストに名を連ねる。

上映は、同映画祭で最大級の1000人のキャパシティを誇る中国・上海影城で行われた。上映後、Q&Aに登壇した今泉は「映画祭でたくさん映画がある中で、この映画を選んでいただいてありがとうございます。この広い会場が満席になっているのを見てすごくうれしいです」と挨拶する。

観客から「原作を1つの物語にまとめるために工夫したことはありますか?」という質問が挙がると、今泉は「伊坂作品を過去何作も担当されている脚本家の鈴木(謙一)さんと一緒に作っていきました。最初は1人で脚本を書きますと言ったんですが、全然書けなくて。鈴木さんに助けていただきながら進めていったという経緯があります」と脚本執筆作業を振り返った。

ここで、三浦からのサプライズコメントが司会によって代読されることに。三浦は「この作品は決して壮大ではないけれども、1人ひとりが確かに心に持っている『小さな愛』があふれている映画です。誰かが誰かを思い、その思いが連鎖を起こし、生まれる小さな奇跡の連続を大事に描いた作品となっています。この映画が上海の地で、ひと足早く皆さんにご覧いただけることを幸せに思います」と観客にメッセージを送った。

後半には、同映画祭のパノラマ部門に出品されている今泉の監督作「愛がなんだ」と比較した質問が。「本作は『愛がなんだ』とはまた違うテイストの作品になっていると感じましたが、いかがでしょうか?」と聞かれた今泉は「作品のテイストや温度は違うかもしれないですが、どちらも描いているものは“愛”です。『アイネクライネナハトムジーク』は家族の話もありますし、『愛がなんだ』は恋愛に寄せていたりもしますが、ハッピーエンドであることが大切というよりは、『ベストじゃなくてもこういう関係もいいよね』ということを描いています」と回答する。

さらに今泉は「小さな失敗とか、人間っぽい部分、人のダメさや弱さを描いているというのが、2作に共通しているところだと思っています。そして、そういうところに自分はすごく興味があります」とコメント。自身が着ていた服について「例えば、自分でホテルでアイロンをかけたらここをちょっと焦がしちゃったんですけど……そういうことがありながらもそれをポジティブに捉えていく、そんなことができたらいいなと思っています」と話した。

「アイネクライネナハトムジーク」は9月13日より宮城県で先行ロードショー。9月20日から東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開となる。なお本作は今年度の同映画祭コンペティション部門に選出された唯一の実写日本映画であり、受賞結果は6月23日に発表される。

(c)2019「アイネクライネナハトムジーク」製作委員会