映像クリエイターの登竜門!
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019 特集
7月13日(土)~7月21日(日)SKIPシティにて開催
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019公式サイト/SNS
すべての作品が日本初上映!国際コンペティション
長編映画制作本数が3本以下の監督たちがデジタルで撮影・編集した作品が対象。今年は92の国と地域から集まった658作品の中から、10作品がノミネートされた。
その顔ぶれを見ると、鬼才、ナ・ホンジン監督の『チェイサー』などで知られる韓国の実力派俳優、キム・ユンソクの初監督作品『未成年(原題)』、『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』などに出演している女優、ツヴァ・ノヴォトニーの長編監督デビュー作『ブラインド・スポット』、アマゾンで配信中のビリー・ボブ・ソーントン主演『弁護士ビリー・マクブライド』に出演中の女優、タニア・レイモンドが共同監督を務めている『バッド・アート』など、多士済々。
国もノルウェー、デンマーク、ブルガリア、ハンガリー、シリアなど様々で、ジャンルもドラマ、コメディ、ドキュメンタリーと多彩。本映画祭の国際コンペティションでは初となる長編アニメーションも選出されている。
果たして、どの作品が栄冠に輝くのか?
国際コンペティション審査員長・三池崇史監督を直撃!
先入観を持たずにフラットな視線で作品を観ていきたい
SKIPシティとはご縁があって、たまにセットをかりたりしているんですよ(笑)。また、映画祭ディレクターの土川(勉)さんは、Vシネマで海外映画祭に行けると僕に教えてくれた、いわば盟友。そんなご縁もあって今回、審査委員長を務めることになりました。
これは何事にも当てはまると思うのですが、何か新しいことを始めることは自分の想いや勢いに任せてできるんです。ただ、それを継続してやり続けることが実に難しい。そういう意味で、この映画祭が今年で16回目を迎えるというのは誇るべきこと。実際、ここを多くの人間が通過することで成長し、羽ばたいている。そういう意味で、<SKIPシティ国際Dシネマ映画祭>は信頼と実績を得ている映画祭といっていいのではないでしょうか。
その映画祭の審査を務めるというのは責任重大。あと、国際コンペの場というのは運命の分かれ道という側面もあって。1回の上映で大成功を収めることもあれば、たった1回の上映で評価がガタ落ちになることもある。天国にも地獄にもなるシビアな場です。観客のみなさんもそういう場に居合わせることになる(苦笑)。
だからこそ、僕としては先入観を持たずに心をまっさらにして、フラットな視線で作品を観ていきたいなと。事前情報なしに、その作品にポンと出逢って向き合いたい。もっともピュアな審査員でありたい。
たとえば映画の世界のトレンドはこうだからといった国際映画祭にありがちな忖度は一切なし(笑)。素直に作品に向き合って、内容うんぬんではなく、作り手の将来性や可能性を感じたい。自分にとって刺激になるような瞬間に多く立ち会えることを望んでいます。
長編5本、短編9本がノミネート!国内コンペティション
デジタルで撮影・編集され、2018、2019年に完成した国内作品に向けた部門。長編部門は60分以上、短編部門は15分以上60分未満の作品が対象に。今回は厳正なる審査の中、長編部門は67作品の中から5作品、短編部門は203作品の中から9作品がノミネートされた。
長編部門には昨年、本映画祭の国内コンペティション短編部門で優秀作品賞を受賞した磯部鉄平監督の初長編『ミは未来のミ』や、黒沢清監督や篠崎誠監督の現場スタッフ経験を持つ壷井濯監督の『サクリファイス』、短編部門にもこれまで2度、同部門にノミネートされた経験のマキタカズオミ監督の『産むということ』や、俳優の斎藤工が、齊藤工名義で発表した初監督作『blank13』の脚本を担当した西条みつとしの監督作『JURI』、『ガンバレとかうるせぇ』が国内外で高い評価を受けた佐藤快磨監督が手掛け、長きに渡り活躍した女優、佐々木すみ江の遺作にもなった『歩けない僕らは』など、注目作がずらり。
これからの日本映画界をけん引していくかもしれない可能性を秘めた新進監督たちの野心作に期待を!
国内コンペティション審査員長・荻上直子監督を直撃!
同じ映画作家として焦りを覚えるような逸材と出会いたい
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭のイメージは「ヤング」「フレッシュ」といいますか。若い新人作家の才能を見い出している印象があります。私自身、自主映画のコンペティションを通ってきていますから、かつて今回入選された監督のみなさんと同じ立場を経験しています。当時は、「どうしたら映画監督になれるのだろう?映画の道が切り拓けるのか?」というように将来を模索していた。でも、実は今も「わたしは次の映画は撮れるのだろうか?」と模索する日々。そのころとあまり気分は変わっていないんです。映画を作りたいパッションはそのころと変わらない。
そういうこともあって、今回、審査員のお話しをいただいたときは光栄だったのですが、一方で、正直、自分はもう新人じゃない、若くないことを痛感した瞬間でもありました(苦笑)。審査委員長という大役ですけど、もともと映画を観ることが大好きな人間なので。こういう機会でもないと1日3本とかはしごして、映画にどっぷりひたれるチャンスはない。めったにない機会なので、審査の前にまずは観客のみなさんと一緒に作品を純粋に楽しみです。観客のみなさんもそうだと思うのですが、まだ誰も見ていない作品にいち早く出会えることにワクワクしています。
それから、同じ作り手として今の時代を生きる若者からたくさんの刺激を受けたい。こんな新しい才能が生まれているんだと、同じ映画作家として焦りを覚えるような逸材と出会いたい。これから映画を作っていこうと私が奮い立たされるような作品との出会いがあったらと期待しています。
あと、これは私の個人的な希望なんですけど、もっともっと女性監督が増えてほしい。これだけあらゆる分野に女性が進出している時代ですから、映画監督も女性のひとつの職業として社会に認知されるぐらいになってほしい。どんどん映画界に女性が進出してほしい。そんな未来につながる女性監督に出会えることも期待しています。
親子で参加しよう♪
本映画祭ならではの無料上映&イベントも盛りだくさん!
ほかの映画祭に比べ毎年、親子連れの観客が目立つSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。それもそのはず! 本映画祭には無料で楽しめる親子向け上映や夏ならではのイベント、野外上映などが盛りだくさんだからだ。今年もママ・シアター(赤ちゃん連れの方限定)や、子どもたちが作った映画の上映、プラネタリウムのような半球型スクリーンを使ったドーム映像など毎年新たな試みを実施しているのも特徴だ。
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