「殺してもいい命」開幕、雪平夏見役の篠田麻里子「パワーアップした」
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舞台「アンフェアな月」第2弾「~刑事 雪平夏見シリーズ~『殺してもいい命』」より。
舞台「アンフェアな月」の第2弾「~刑事 雪平夏見シリーズ~『殺してもいい命』」が、本日6月21日に東京・サンシャイン劇場で開幕。これに先駆け同日、囲み取材とゲネプロが実施された。
「刑事 雪平夏見シリーズ」は、風変わりな女性刑事・雪平夏見の活躍を描いた秦建日子のハードボイルド小説。今作は昨年2018年の「~刑事・雪平夏見シリーズ~ 舞台『アンフェアな月』」に続く舞台版第2弾となり、前作同様に雪平役を篠田麻里子が務め、脚本・演出を菅野臣太朗が担当する。
物語は、雪平の元夫・佐藤和夫が何者かに殺害される場面に始まる。アイスピックを胸に刺されて亡くなった和夫の口には、「殺人ビジネス始めます」「新規開業につき、最初の三人までは、特別価格三〇万円でご依頼お受けします」と書かれたチラシが突っ込まれていて……。
中村優一演じる和夫がストーリーテラーを務める本作では、照明や回転式の舞台装置、紗幕などを用いながらスピーディに場面が転換していく。パンツスーツを颯爽と着こなす篠田は、不眠不休で仕事をこなす雪平をクールな表情で演じながらも、娘を思う彼女の優しさをのぞかせる。また松田凌は、常に雪平を気遣う部下の安藤をまっすぐに演じた。
ゲネプロ後に実施された囲み取材には、篠田、松田、西原亜希、水谷あつし、中村、田中稔彦、瀬戸啓太、小島よしお、山口馬木也が出席。舞台版1作目に続いて出演する篠田は「前回は刑事ものを舞台でやる難しさを感じましたが、今回はパワーアップしたと思います」と出来栄えに自信をのぞかせる。また座長を務める篠田が「顔合わせの日に小島(よしお)さんがネタをやってくれて、緊張感が解けた」とエピソードを披露して「個人的には座長は小島さんだと思います(笑)」と冗談を飛ばすと、小島は即座に「僕は座長を支える荷車みたいなものです!」と切り返して会場を笑いで包んだ。
今回新たに参加した松田は「『殺してもいい命』というタイトル通り、重いテーマが込められた作品です。1シーンずつ、人間ドラマを意識して演じられたら」と抱負を述べる。同じく初参加の西原は、雪平の元夫・和夫の再婚相手であり、雪平の娘・美央の新たな母となった由布子を演じる。これについて西原は「今回は2人の“母”が出てくるのが見どころ。雪平夏見の新たな姿が見られると思います」と期待を寄せた。
雪平の上司・山路役の水谷は「大人のエンタテインメントに仕上がっている」と観客の期待を煽り、中村は「俳優として大先輩の皆様に囲まれて、今すぐ殺されてもいいくらい幸せです!(笑)」と冗談を飛ばして報道陣の笑いを誘う。また探偵・迫田役の小島は「個人的には、服を着て舞台に立つことがなかなかないので……」と共演者たちを笑わせ、「服を着た役ですが、違和感なく演じたい」と意気込みを述べた。
捜査員・松岡を演じる田中は「お客様と同じように生活している1人の刑事として、少しでも皆様の心にとどまれたら」とコメントし、同じく捜査員・神を演じる瀬戸は「原作には少ししか出てこない登場人物にも、いろいろ悩みがある。そういう人を僕なりに表現できたら」と意気込みを語る。さらにこれまでにも篠田と親子役や夫婦役で共演してきた山口は今回、篠田演じる雪平と共に捜査に取り組む林堂役を担当。山口は「また違った篠田さんの一面が観られて楽しいです」と笑顔を見せた。
上演時間は休憩15分を含む約2時間40分。公演は6月30日まで。
舞台「アンフェアな月」第2弾「~刑事 雪平夏見シリーズ~『殺してもいい命』」
2019年6月21日(金)~30日(日)
東京都 サンシャイン劇場
原作:秦建日子「刑事 雪平夏見 殺してもいい命」(河出文庫)
脚本・演出:菅野臣太朗
音楽:野田浩平
出演:篠田麻里子、松田凌、西原亜希、水谷あつし、中村優一 / 加村真美、田中稔彦、瀬戸啓太 / 野崎弁当(Wキャスト)、槙尾ユウスケ(Wキャスト)/ 齋藤健心、馬庭良介 / 小島よしお、内田裕也 / 中村公隆、山谷勝巳、川名浩介、御崎かれん、川口直人、瀬川ももえ、末松杏梨 / 山田明郷、山口馬木也 / 新宮乙矢、武田知大、及川崇治、高橋玲、畑中ハル、池田彰夫、増田匡紀、松田佳子、塩見奈映、神木彩良、長井愛彩、つくし、上沼友紀