「男と女」から53年、クロード・ルルーシュの続編に岸恵子が感激「信じられます?」
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フランス映画祭2019 横浜にて、左からクロード・ルルーシュ、岸恵子。
クロード・ルルーシュが監督を務めた「男と女」の続編にあたる「男と女III 人生最良の日々(仮題)」が、6月21日に神奈川・横浜みなとみらいホールで上映され、ルルーシュと女優の岸恵子がトークを行った。
現在開催中のフランス映画祭2019 横浜で上映された本作。1966年公開の「男と女」はルルーシュの出世作と言える作品で、1986年には「男と女II」が製作された。そして新たに生まれた「男と女III 人生最良の日々」にも、引き続きアヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンがキャストに名を連ねている。
ルルーシュは「なんだか53歳若返ったような気がします。なぜなら53年前、私は日本に『男と女』を持ってきました。53年後、またこの映画のエピローグとともに再訪することがあろうとは想像もしませんでした」と来日した当時を述懐。「ご覧いただければ、どれほどこの映画が自分にとって重要な作品か皆さんおわかりいただけるのでは」とうなずき、「同じ監督が同じ俳優を使って53年後に同じストーリーを撮る。これは映画史上で一度しかないことです」と本作がいかに奇跡の作品であるかを強調した。
岸がフランスに住んでいた当時、パリの試写室で観た「男と女」は自身にとって「特別な作品」になっているそう。岸は「男と女III 人生最良の日々」に対しても「いたく感動しました」と大興奮で感想を述べる。「トランティニャンは当時から人気でしたけど、53年経った彼のクローズアップのときの顔を観たとたんに胸が……。こういう映画を作れる文化的土壌は日本にはないからうらやましく思いました」と語り、「信じられます? 53年経って同じ監督が撮り、同じ俳優がもう一度『男と女』の中に……。幻想的と言えるし、現実でもあります。『生きている』という感じで素晴らしい。俳優2人の老い方が素敵だと思いました」とうっとり。最後に「日本でも若い人の話ばかりしないで、年寄りがたくさんあふれているんですから、大人が観るに堪える映画を作ってほしいと思います!」と日本の映画人を奮い立たせた。
フランス映画祭2019 横浜は明日6月23日まで開催される。