東方神起 ユンホが今、ソロアルバムに挑んだ理由 『True Colors』で魅せる色とりどりの世界
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集大成にして、新たな原点――。東方神起のユンホが、デビュー16年目にして初めてリリースしたソロアルバム『True Colors』は、そんな作品だ。日本において、K-POPアイドル文化を広めた開拓者である東方神起。そのリーダーであるユンホが、今ソロアルバムに挑んだのは、なぜか。
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『True Colors』は全6トラックで構成されている。1曲目の「Follow」は、“これぞユンホ”というにふさわしいキレのあるダンスミュージック。「“O”-正・反・合」「Purple Line」「Why? (Keep Your Head Down)」「B.U.T(BE-AU-TY)」を手がけたユ・ヨンジン、そして「呪文-MIROTIC’」でも共にしたプロデューサー、トーマス・トールセンが参加。ユンホの持つ魅力を知り尽くしたコンビによるものだと知れば、納得の作品。
MVで披露されるユンホのダンスは、武術の型のように正確で、しなやかだ。指先まで神経の行き届いたポージングの美しさ、体の一部分だけをブレずに動かすことができるフィジカルの強さ、そんな強靭な体を持ちながら軽やかにステップを披露してみせる。16年以上もの間、絶え間なく鍛錬してきた賜物だ。若さで魅せる時期を経て、技の境地へ。そんな覚悟をも感じさせるダンスに見とれてしまう。
続く2曲目の「Blue Jeans」は、セクシーなナンバー。イントロから吐息混じりの歌声にハッとさせられ、サビではドスのきいた雄々しい声に変貌する。クルクルと雰囲気が変わるのはユンホの得意技。後輩と真正面から向き合う情熱の“ユノタイム“で見せる真剣な表情、ステージを駆け回るときの少年のようなハシャぎっぷり……と、これまで何度もファンをドキドキさせてきたユンホのいたずらっぽく笑う顔が見えるようだ。
また3曲目の「Swing (feat. BoA)」は、ユンホと同じ事務所に所属するBoAとのフィーチャリング。過去には息の合ったペアダンスを披露して話題を呼んだ2人だが、ボーカルでも互いの魅力を引き出し合う。いくつもの層を感じるユンホの倍音ボイスに、ストレートに貫くBoAの歌声が気持ちいいくらい見事に絡み合う。これも、親友とも戦友とも言えそうな特別な関係性を築いてきたからこそだろう。
4曲目の「Hit Me Up (feat. GIRIBOY)」は韓国の人気ラッパー・GIRIBOYをフィーチャリング。疾走感のあるサウンドにのせて、じゃれ合うように紡がれる2人の歌声が愛らしい。ちなみに、メガネがトレードマークのGIRIBOYは、日本の“白山眼鏡“のメガネをおよそ30個所有しているとか。また、漫画『ONE PIECE』『NARUTO -ナルト-』をコレクションするなど日本のカルチャーに親しんでいるようだ。本作をきっかけに、より日本での知名度が上がっていくことも期待してしまう。
そして、5曲目に響くのはR&B曲「Why」。30代になり、大人の男性の色気をまとった今だからこそ、説得力が増す1曲になっている。除隊後、リリースされた『New Chapter #2: The Truth Of Love』にも通じるアーバンな雰囲気。東方神起の新章を、再び強く印象付ける楽曲だ。
ラストには、「Change The World」が収録されている。東方神起としてもダンスナンバーと並んで大きな魅力であるバラード曲だ。うっとりとするようなユンホの歌声は、彼の愛情深さがよく現れている。どんな状況も受け入れて、ここまで歩んできた、ユンホの器があってこそバラードがより壮大に、切なく響く。
この16年という月日があってこそ、ユンホの中で培われた多面的な魅力。道を極めた黒帯のような漆黒、ラフなデニム姿のようなブルー、温かな愛を感じるオレンジ、そしてどんな色も受け止めることができる純白……様々なジャンルの歌を歌い分け、その色に染めることができるようになったとユンホ自身が納得した今だからこそ、このソロアルバムが完成したのだろう。
やはり彼こそが、K-POPアイドルの次のページを開く、その人なのだと感じさせる作品だ。願わくば、この先も続く色とりどりの世界を、ユンホを通じて見てみたいものだ。(佐藤結衣)