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桃井かおり主演「夏少女」、完成から23年の時を経て劇場初公開

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「夏少女」

桃井かおりが主演した1996年製作の映画「夏少女」が、8月3日に劇場初公開される。

「夢千代日記」の脚本家・早坂暁が自らの原爆体験を踏まえて執筆した本作は、瀬戸内海の小さな島に住む12歳の少年マモルとその両親、そして忽然と現れた“夏少女”の物語。1996年に完成したものの、当時の諸事情から23年間封印されていたが、早坂の生誕90周年にあたる2019年にオリジナルネガが発見され、劇場公開される運びとなった。「若者たち」の森川時久が監督を務め、桃井のほか間寛平、景山仁美、坂田明らが出演した。

この公開決定にあたり、桃井がコメントを発表。2017年に死去した早坂をしのびつつ「早坂先生が亡くなった今、またこうして公開していただけるのは、やはり暁さんの底力です。だって早坂暁さんはこよなく優しく、正しく、面白く一番素敵な人間だったんだから、きっとすごくいい神さんにもなってるはずだ」とつづっている。

「夏少女」は東京・ポレポレ東中野にて、2週間限定モーニングショー。

桃井かおり コメント

8年も「花へんろ」(NHK)で早坂暁先生のお母様を演じていて、暁さんのことならもうなんでも知っているような気になっていたある日。“まだ描いてない、書かなきゃいけない話がひとつだけあって~これは描いてやりたいんよ”実家の店前に捨てられた女の子、その子は暁さんの妹として育てられますが、後に二人とも恋心を抱きます。
“好きになっていいんよ”と母から告白された少女は呉の訓練学校にいた兄のもとへ。その途中で原爆投下に遭うのです。“まだね、ぼんやりしとるんじゃないかと思うんよ、しっかり送ってやりたいんよ”「夏少女」はそんな早坂暁さんの思いが詰まった映画でした。
地元の皆さんに協力して頂いて、暁さんを育てたと土地神さまにも偶然と助けられて出来た奇跡の映画です。主役の少女と少年も地元の子供達です。
みんなで合宿して、ご飯作って、お風呂も入って、映画も作った。でももうすっかり大人ですね? 早坂先生が亡くなった今、またこうして公開していただけるのは、やはり暁さんの底力です。だって早坂暁さんはこよなく優しく、正しく、面白く一番素敵な人間だったんだから、きっとすごくいい神さんにもなってるはずだ。
映画の中で、なんだか二人に会えるような、やっと送れるような、安堵感に浸っています。

(c)「夏少女」上映委員会