「バッド・ジーニアス」監督来日、影響を受けた映画は「グッドフェローズ」
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「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」一般試写会の様子。左から森ガキ侑大、ナタウット・プーンピリヤ。
本日7月26日、「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」の一般試写会が東京・ユーロライブにて行われ、監督のナタウット・プーンピリヤが登壇した。
2017年のタイ国内映画の年間興行収入第1位を記録した本作。裕福ではない父子家庭に育つも進学校に編入した天才少女・リンを中心とする高校生たちが、世界を股にかけたカンニングプロジェクトに挑むさまが描かれる。
イベントには「おじいちゃん、死んじゃったって。」の監督を務めた森ガキ侑大も出席し、「こういうことを日本でやりたいなと思った映画でした。スタイリッシュな映像や、社会問題を扱っているのにエンタテインメントになっているところなどが素晴らしかったです」と絶賛。本作で長編映画監督デビューを果たしたプーンピリヤは、「タイの教育問題は国内ではよく知られているのですが、今までそういった映画はありませんでした。ですので、このテーマを娯楽性のある形で描きたかったんです」と語る。
続いて森ガキから「悪いことをしているのに憎めない。キャラクターが魅力的な脚本」と称賛されると、プーンピリヤは「自分としては、キャラクターの行動理由を観客がわかるようにしたいと思っていますし、観ているうちに応援したくなるように心がけています」「脚本は3人で書いたんですが、喧嘩に喧嘩を重ねて1年半かけて執筆しました(笑)」と述懐。また、影響を受けた映画について尋ねられると「子供の頃、レンタルビデオ屋を営んでいた祖母の家に住んでいて、ハリウッド映画を中心にたくさんの映画を観ました。そこでマーティン・スコセッシの『グッドフェローズ』に出会い、映画監督になりたいと強く思ったんです」と明かした。
イベントでは、CMの演出を手がけてきたという点で共通する2人に、MCがそれぞれの国でのCM制作について質問する場面も。森ガキは「最近はやっと垣根がなくなってきていますが、10年前くらいは映画とCMではっきりフィールドが分かれていた印象があります。さっき監督とお話していたら、タイも一緒だとおっしゃっていましたね」と回答。その言葉にうなずいたプーンピリヤは「タイのほうが少しラッキーだったかもしれません。タイには3分から10分程度の長いCMがあるので、新人監督にとって短編映画のような形式で撮れるチャンスがあるんです」と説明し、「日本は短い時間の中で驚きや楽しさのあるCMが多くて素晴らしいですね。自分も次はこういった形式で作りたいなと思いました」と笑顔を見せた。
「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」は9月22日より東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次ロードショー。
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