園子温「愛なき森で叫べ」の現場は手抜きなし、椎名桔平がでんでんを10回以上ビンタ
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左から椎名桔平、満島真之介、でんでん、園子温。
Netflixオリジナルシリーズ「愛なき森で叫べ」のトークセッションが本日6月25日に東京・マンダリン オリエンタル 東京で行われ、キャストの椎名桔平、満島真之介、でんでん、監督の園子温、プロデューサーの武藤大司が登壇した。
本作は、ある猟奇的殺人事件にインスパイアされて製作されたもの。椎名は人を精神的に支配し残虐な犯行を行わせる男・村田、満島は「何かでかいことをしたい」という思いから上京した若者・シン、でんでんは娘を通じて事件に巻き込まれていく父親に扮する。
企画立ち上げのきっかけについて園は「武藤さんから、ある事件をもとに作らないか?と誘われました。事件をそっくりそのままやるのではなく、それをどうアレンジできるか考え、自分の物語を作れるならと思いまして」と回想。武藤は「園さんはいろんなジャンルの作品を作られてきましたけど、方法論として実際の事件とか友達が経験したことに自身のテーマを乗せていくというのがありますよね」と、今回も園なりの解釈に期待したことを明かした。
「新宿スワンII」でも園組に参加した椎名は「なんでもやろうと思って入ったけど、それ以上にやらされましたね(笑)。(村田という人物の中に)ポップなキャラや殺人鬼になるキャラがいて、たくさんのものが混在している。シーン毎で監督がおっしゃるような方向性にどう持っていくかを毎日考えていました」と現場を振り返る。対して、園作品の常連であるでんでんは椎名にビンタを受けたエピソードを披露。「とにかく手抜きはダメ。たたいたふりはダメで、本当にたたかないとダメ。村田からビンタを受けるシーンでは、テストから10回以上本気で張られて真っ赤に腫れたんです。でも、そのシーンは全部カットなんです。びっくりしました」とこぼすと、椎名は「台本に(ビンタの)タイミングが書いてないので、アドリブなんです。長回しなのでちょっと間が空くと『あ、殴ったほうがいいかな』と思って手を出すとか」と裏事情を話した。
園組で助監督を務めた経験を持つ満島は、「園さんのスタッフになりたいと思ったきっかけは、園さんが作った『HAZARD(ハザード)』を観たこと。その作品でオダギリジョーさんが演じてた役名もシンなんです」と感激した様子で述べる。また、犯罪者の姿を描く今作については「もう1つのストーリーは青春群像劇。犯罪とは真逆に、未来に向かって突き進む若者たちと得体の知れない大人が交錯するんです」と説明。椎名の演技に対しては、「すごい殺戮シーンやバイオレンスシーンでも、生活の流れとまったく変わらない瞬間になっているというか。スプラッター的なところも普通に観れてしまうんです。とても大変なことをしてるよねってシーンも、和気あいあいとやっていました」と語った。
「愛なき森で叫べ」は、2019年秋に全世界で配信予定。なお本作には日南響子、鎌滝えり、真飛聖も出演する。