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清原果耶が語る、『なつぞら』で演じた千遥の気持ち 「会いに行くのはすごく度胸がいること」

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 なつ(広瀬すず)と咲太郎(岡田将生)と再会を果たさないまま行方をくらました千遥(清原果耶)。柴田家に温かく迎え入れられた千遥は、なつが幸せな環境で育ってきたことを知り、それで十分だと手紙を残し、去っていった。

 『なつぞら』(NHK総合)初登場時に掲載した清原果耶のインタビューではネタバレとなってしまうため明かせなかった千遥の想い、そして千遥のこれからについて話を聞いた。

【写真】『なつぞら』の千遥(清原果耶)からの手紙

■「会いに行くのはすごく度胸がいること」

ーー千遥が東京から北海道になつに会いに行く時の思いをどう想像されましたか。

清原果耶(以下、清原):なつに会いたいっていう気持ちが一番大きいとは思うんですけど、会った後にどうなるのか想像ができる歳ではあるよなと思っていて。物語の中でも会った後にどうなるかという未来の想像をさせるようなシーンもありましたが、ただ一つ言えることは、再会できた時の嬉しい感情を求めるためにだけ行ったわけではないんだろうなと思っていました。東京から北海道に行くことによって、千遥を育てて支えてきてくれた方への恩を仇で返すようなことはしたくないとか、懸命に生きてきたからこそ周りを見ることができてしまう部分もあって、色々な葛藤があったんだと思います。

ーー北海道まで会いに行く、でも会わないで帰るという千遥の選択については清原さん自身はどういう風に思いました?

清原:会いに行くのはすごく度胸がいることで。会ってしまうのが怖いと思える心は大切にしたほうがいい気持ちなんじゃないかなと感じました。私だったら、色んな人に迷惑をかけるかもしれないし、会いに行きたいと思って動く行動力を持ち合わせていないなと。多分、北海道に光しか感じずに行ってしまうのが私で、その先のことも考えて、でもそれでも会いに行きたいという気持ちが勝って行ったのが千遥なんじゃないかなと。でもそこで千遥の真面目な部分が出てきて、会わずに戻るという選択をしたことは、間違いではないんですけど、切ないなと感じました。けれど、「会わない」という選択をできること自体、千遥は強いなと私は思います。

ーー泰樹役を演じる草刈正雄さんとは牛の乳を搾ったり色んな作業のシーンがありましたが、共演していかがでしたか。

清原:初めて牛の乳搾りをするシーンはとても苦戦しました(笑)。絞れた時に私が泰樹さんの方を向いたんですけど、その時の泰樹さんの目線と表情がとても柔らかくて、そのお顔がとても印象に残っています。これがなつが育ってきた場所、空気なんだなとじんわり温かい気持ちになりました。

ーーいきなり「千遥」と呼べてしまう泰樹さんの人柄はどのように受け取りました?

清原:突然訪ねてきた千遥に対して、泰樹さんもびっくりしていただろうし、なつと同じぐらい動揺があったと思うんです。そんな中で、自分が受け止めてあげなければこの子はもしかしたらいなくなってしまうかもしれないとか、そういう考えもあったのかなって。なつが初めて柴田家に来た時と同じように、なつと千遥に近しいものを感じて家族の輪に入れてくれたのかなと感じていました。

■「純粋に楽しいという気持ちを実感」

ーー広瀬さんや岡田さんのいる現場の雰囲気はどうでしたか。

清原:お二人には会わないようにスタッフの皆さんが配慮してくださったんです。やっぱり撮影の裏だとしても会ってしまったらそのシーンの臨場感やリアリティのようなものが薄れてしまうんじゃないかなと思ったので。実際にも広瀬さんと岡田さんにはお会いしていません。

ーー清原さんがそこまで役作りに徹底できるようになったのは、なにかきっかけがあったのでしょうか。

清原:デビュー作となった『あさが来た』(NHK総合)で役の作り方を知ったというのはやはり大きいですね。今まで経験させていただいた作品ごとに役の作り方は異なるんですが、今回は色んなスタッフの皆さんの協力があってこういう徹底した丁寧な役の作り方をさせていただけました。

ーー『あさが来た』当時のことで印象に残っていることは?

清原:「ええな、恋文」っていう台詞で、恋文を羨ましいなと思うシーンがあったんですけど、そこで変な顔をしてしまってうまく笑えなくて、何回か撮り直した思い出が残ってます(笑)。笑うこと一つをとっても色んな感情があることを分からないまま、お芝居をして……いや、お芝居もできてなかったかもしれません。あとは三宅弘城さんとの大事なシーンの数日前に、休日なのに三宅さんとスタッフさんが私のためにお芝居の稽古をつけてくださったことがありました。朝ドラの撮影がずっと続いている大変な中で、三宅さんもスタッフさんも貴重なお休みを返上してそのシーンを作り上げるために使ってくださって。今思えば本当に申し訳なくなるぐらいありがたい経験でした。

ーーそういった経験で今生かされているなと感じる部分はありますか。

清原:ちゃんと本を読み込む大切さや、自分の中で理解して体に落とし込むということができていないと、役として作品に馴染めないということはその時にすごく理解しました。だから今は丁寧に作品を作るために自分なりにどうすればいいか考えられるようはなってきたんじゃないかなと思います。それと、純粋に現場を楽しむことはできていると思います。『あさが来た』の時は全部初めての経験だったので、驚くことばかりで自分が楽しむということは後回しになってしまっていて。今は現場に入る時はもちろん、役作りの時から純粋に楽しいという気持ちを実感しています。

ーー14週以降、どうなるかわからない展開が続くと思うのですが、清原さん自身としては、こういう展開になってくれたらいいなというものはありますか。

清原:どんな展開であっても脚本家さんや監督の意向に沿って1番いいお芝居をしていきたいです。

(大和田茉椰)