SPYAIR、豪雨に再び勝負挑んだ恒例富士急ライブ「めちゃくちゃでも最高に幸せ」
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SPYAIRの野外ワンマンライブ「JUST LIKE THIS 2018」が、昨日7月28日に山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストにて行われた。
「JUST LIKE THIS」が富士急ハイランドで行われるのは今年で4回目。昨年はあいにくの豪雨に見舞われたこのライブだったが、今年は台風12号の影響で開催が危ぶまれる事態に。当日朝に開催が最終決定され、大雨の降る会場には約1万5000人の観客が集結した。
今回のライブは和楽器隊による和太鼓と三味線、尺八、鉦の演奏で幕を開けた。勇壮な音が響く中、サポートメンバーのtasuku(G)、高藤大樹(Key)と共にステージに登場したメンバー4人が最初に披露したのは、今年の「JUST LIKE THIS」のテーマソング「We'll Never Die」。和楽器との豪華なセッションで、オーディエンスのテンションを急上昇させた。「ようこそ、SPYAIRのライブへ!」というIKE(Vo)の言葉のあとは「サムライハート(Some Like It Hot!!)」「イマジネーション」へ。IKEとUZ(G)、MOMIKEN(B)はずぶぬれになりながらトロッコで場内を巡り、ファンを喜ばせた。
IKEは豪雨の中集まったファンに向けて「みんなよく来てくれたね!」と呼びかけ、UZの柔らかなギターの音色に乗せて「Goldship」のイントロを丁寧に歌う。大サビではIKEの声に応え、1万5000人の大合唱が響いた。女性ダンサー12名を加えて華やかに披露された「Are You Champion? Yeah!! I'm Champion!!」、MOMIKENとKENTA(Dr)が疾走感に満ちたビートを刻んだ「Naked」と、4人は暴風雨にも負けず次々とキラーチューンを連発していった。
IKEの「今までライブでやったことがないやつを披露したいと思います」という言葉に続き演奏されたのは、昨年8月リリースのシングル「MIDNIGHT」のカップリング曲「The Way of My Life」。骨太なサウンドで観客を圧倒した。続く「Rockin' the world」のアウトロではUZとMOMIKENがソロ合戦を繰り広げ、オーディエンスの歓声を誘った。「雨上がりに咲く花」「虹」では壮大なアンサンブルで会場の空気を変化させる。IKEは花道の中央で振り絞るように力強い歌声を響かせた。
その後4人はセンターステージへと移動。MOMIKENは「富士急、お前ら最高だな!」、UZは「限界までみんなで行きましょう」と観客に呼びかける。KENTAは「シューズのくるぶしくらいまで水が溜まってます。初めて裸足で叩くかもしれない(笑)」と雨脚の強さに苦笑いを浮かべた。IKEは昨年の公演でのMCを引き合いに出し「去年に引き続いて、今年もとてもいい天気になりましたね!(笑)」と叫びつつ「お前らやスタッフ、仲間が一緒に乗り越えようとしてくれてうれしいです」と感謝を述べた。またKENTAは「今日は(来場を)あきらめた人もいっぱいいます。来られなかった人たちの分までパワー飛ばそうぜ!」と、来場できなかったファンへの思いを明かした。
ここで4人は“SPYAIRのアコースティックカバーユニット”の「キャンプファイヤー」として「Stay Together」を演奏。ステージを取り囲む炎に包まれながら温かみのあるサウンドを届けた。その後はIKEのボーカルとUZのアコースティックギターで、「Beautiful」の美しい旋律を会場内に響かせた。2人がステージを降りたあと、場内のビジョンには「因縁の対決、再び!!」の文字とともにIKEとUZが過去のライブで繰り広げてきたラップバトルの様子が映し出される。さらにIKEを推す“バンド関係者・M”は「あの海外かぶれ」とUZをディスり、同じくバンド関係者でUZに心酔する“K”はIKEを「ただ釣りしてるバカ」とモザイクをかけられた状態で罵るなど、バンド全体を巻き込んだ対決でファンを爆笑させた。
その後披露されたのは「Hold It Buster!! ~Battle of Rap~」。IKEとUZのパワフルなラップバトルで場内の熱気が再び上昇すると、「ファイアスターター」へと突入した。ますます風雨が強まる中、IKEはセンターステージで力強く拳を掲げる。ここで再び和楽器隊が登場。さらにSPYAIRの4人も和太鼓に向かい、激しい水しぶきを上げながら力強く太鼓を叩いた。圧巻のイントロに続いて演奏された「STRONG」では、和のテイストを加えた新たなアレンジで楽曲の異なる魅力を表現した。UZのボーカルでまっすぐなメッセージを届けた「4 LIFE」のあとは「OVERLOAD」「Crazy」「現状ディストラクション」とヘヴィなナンバーを連投。IKEとUZ、MOMIKENは雨をものともせず何度も花道に飛び出していった。
ステージ上に巨大な炎が吹き上がる中で「RAGE OF DUST」が演奏されたあと、本編のラストナンバーへ。IKEはファンに対して「お前らと一緒に、めちゃくちゃでもライブができて本当にうれしいです。みんなの思いを抱えてステージに立てていること、プレッシャーだけど最高に幸せです」と素直な思いを明かした。本編最後は、7月25日にリリースされたニューシングル「I Wanna Be…」で締めくくられた。
しかしIKEは「今日は下がらねえ。このまま歌ってもいいですか」と、そのままアンコールに突入することを宣言。「このイベント、ここまで続けて本当によかったと思います。みんなの声を聴かせてください」と語り、アンコール1曲目の「JUST LIKE THIS」へつないだ。この日のライブを支えたファンへの感謝を伝えるような演奏が終わると、IKEは「来れなかったやつらにも伝えてくれ、お前らが来ようとしてくれた意思はわかってる。また来年一緒に楽しもう!」と叫んだ。
「毎年こうやってお前らと遊ぶの目標なんだ。また来年絶対来てくれよ!」というIKEの言葉のあと、最後に披露されたのは「SINGING」。全身ずぶぬれのメンバーとファンは何度もシンガロングを繰り返し、雨に負けない一体感を楽しんでいた。演奏が終わると会場上空には大きな花火が上がり、ライブのエンディングを彩った。終演後には場内のビジョンで9月より初のワールドツアーを行うこと、さらに12月にはこのワールドツアーの凱旋公演を東名阪3会場で行うことが発表され、豪雨を耐え抜いたファンを喜ばせた。
SPYAIR「JUST LIKE THIS 2018」2018年7月28日 富士急ハイランドコニファーフォレスト セットリスト
01. We'll Never Die
02. サムライハート(Some Like It Hot!!)
03. イマジネーション
04. Goldship
05. Are You Champion? Yeah!! I'm Champion!!
06. Naked
07. The Way of My Life
08. Rockin' the world
09. 雨上がりに咲く花
10. 虹
11, Stay Together(Acoustic Ver.)
12. Beautiful(Acoustic Ver.)
13. Hold It Buster!! ~Battle of Rap~
14. ファイアスターター
15. STRONG
16. 4 LIFE
17. OVERLOAD
18. Crazy
19. 現状ディストラクション
20. RAGE OF DUST
21. I Wanna Be…
<アンコール>
22. JUST LIKE THIS
23. SINGING
撮影:鳥居洋介、三浦知也、中島未来