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中川大志「君の愛ってなんですか!」 『なつぞら』で突き詰める“愛”とは?

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リアルサウンド

 『なつぞら』(NHK総合)第16週の初日。なつ(広瀬すず)たちの恋の予感と夕見子(福地桃子)の上京から漂う不穏な空気を感じさせる回となった。

 なつたちの漫画映画づくりが佳境に入る中、夕見子が突然、北海道から上京してきた。なつは夕見子を心配するが、夕見子は「私のことより北海道の家族が心配だから、私が望まないことするんだべさ」とムスッとした表情で返す。だが、そんな2人の様子を見て麻子(貫地谷しほり)が「何でも言い合える仲なのね。本当の姉妹みたい」と言うと、「私となつは本物以上だもん」と夕見子は嬉しそうだ。家族にも告げずに上京し、詳しいことを話そうとしない夕見子だが、なつの存在が彼女の支えになるのだろうと予感させる。

【写真】北海道で暮らす天陽(吉沢亮)

 いわゆる「駆け落ち」で夕見子が上京してきたことが判明する。夕見子は「愛って志よ」「愛の不合理さを認めるから女は不幸になるの」と独特の結婚観を語り出し、なつはついていけない。そんな中、フラついたなつを支えた坂場(中川大志)の台詞が印象に残る。

 「君の愛ってなんですか!」

 緊張したような面持ちでなつの顔を見つめ、問いただす坂場。酔っ払ったなつの返答は「ごちゃごちゃ言うな」だったが、2人の関係が深まりそうな予感がする。

 その晩、なつは夕見子に「その人、本当にゆみのこと好きなの?」と心配するが、夕見子は「会えばわかる」と自信ありげだ。だが眠る直前、夕見子はなつに「迷惑かけて悪いね」と言った。なつは「迷惑なんて思うわけないしょ」と返したが、布団の中で夕見子が見せた悩ましげな表情に不安が残る。

 漫画映画制作は作画作業に入っていた。新人の神地(染谷将太)には少し馴れ馴れしいところがあるが、めざましい活躍だ。一方で坂場は仲(井浦新)らに呼び出され、作品に社会風刺が含まれていないか問われていた。「漫画映画は子供が観るものだと決めつける考えは古い」と発言した坂場。漫画映画制作にも一波乱ありそうだ。

 ドラマ終盤、夕見子が恋人の高山(須藤蓮)を連れてきた。なつが高山を泰樹(草刈正雄)と見間違えるシーンが面白い。高山がどんな人物なのかはまだわからない。不安と新たな恋の予感への期待が入り交じる。

(片山香帆)