白石隼也『東京喰種 トーキョーグール【S】』 「生身の役者がやるからこそ見える世界観を表現できたら」
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白石隼也
7月19日(金)公開の『東京喰種 トーキョーグール【S】』。“週刊ヤングジャンプ”で連載された石田スイによる人気マンガを原作に、2017年に実写映画化された『東京喰種 トーキョーグール』の続編にあたる。人間を喰らわないと生きられない種族・喰種(グール)が人間社会に紛れ込んでいる世界。前作で喰種と人間のハーフとなってしまったカネキ(窪田正孝)の戦いを描く。
白石隼也の演じるニシキは、前作では敵として登場したキャラクターだ。本作では、彼に大きな変化が訪れる。喰種であることを知っても彼を愛し続ける恋人・貴未を守るために、無謀ともいえる戦いに身を投じていく。彼もまた、主人公のカネキ同様、喰種と人間の間で揺れる存在となったのだ。
前作は“表”のニシキを演じ、本作では“裏”を表現したという。
「ニシキって、本当はあんまり強くないんですが、いつも自分を大きく見せようとするタイプのキャラクターなんですよね。前作ではニシキの、そういった“表”の部分が見える作品になっていて、本作は、ニシキの裏側というか、本心が垣間見えるものになっています。当初の企画段階から、続編をやっていきたいという話でしたので、前作の時点で、その先のことを見据えて演技をしていました。そういう意味では、本作でガラッと変えたのではなく、前作から引き継ぎながら、素の部分を見せていくというか。この2作でようやくニシキというキャラクターが表現できたと思います」
その変化に大きな影響を与えているのが、恋人・貴未の存在だ。
「ニシキと貴未の関係性は、しっかり映像で描かれるわけじゃなくて、ポイントポイントで描かれていったので、この短いシーンの中で、どれだけふたりの関係性というか、絆の深さを表現できるかは、意識していました」
人気マンガの実写化、そして続編というプレッシャーもあったと思われるが、撮影現場全体に、これまで積み上げてきたものの“次”へ行きたいという空気があったと語る。
「前作に関しては、演者もスタッフもすごく原作をリスペクトしてやっていた印象がありました。とにかく“原作の世界観を実写映画でも出したい”という意識がまずあって、本作は“その次”に行きたい空気が出てきました。生身の役者がやるからこそ、見えてくるものを模索していたというか。ストーリーやセリフも、ほとんど原作どおりではあるんですが、もし実際に、この状況に置かれた時に、“自分だったらどうするのか?”をすごく突き詰めて考えました。今回の現場は、『東京喰種』という作品の原作マンガやアニメとは違う魅せ方を、実写で表現したいという想いがスタッフ、キャスト全員に共通してありましたね」
そして、“ぴあ映画生活”読者に向けて、自信を持って本作をオススメしてくれた。
「原作ファンの方々には、ぜひ実写ならではの『東京喰種』を観てほしいですし、原作を読んだことがない方、初めてこのシリーズを観る方々も、本作から観てもストーリーを把握できる映画になっています。ポスターはちょっと怖いかもしれないですけど、深い人間ドラマもある作品なので、ぜひ多くの人に見てほしいと思います」
『東京喰種 トーキョーグール【S】』
7月19日(金)より全国公開
撮影/杉映貴子、取材・文/藤谷千明
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