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坂本龍一、タル・ベーラらのコメントも 11月2日公開『象は静かに座っている』ビジュアル&予告編

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リアルサウンド

 映画『象は静かに座っている』が11月2日より東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほかにて公開されることが決定し、予告編とビジュアルが公開された。

参考:動画はこちらから

 ベルリン国際映画祭では国際批評家連盟賞と最優秀新人監督賞スペシャルメンションW受賞、金馬奨では作品賞、脚色賞、観客賞のトリプル受賞を果たした本作は、29歳の俊傑フー・ボー監督の長編デビュー作にして遺作となった、年齢、性別の違う4人のある1日を描いた物語。

 炭鉱業が廃れた中国の小さな田舎町。少年ブーは友達をかばい、不良の同級生シュアイをあやまって階段から突き落としてしまう。シュアイの兄は町で幅を利かせているチェンだった。チェンたちに追われ町を出ようとするブーは、友達のリン、近所の老人ジンをも巻き込んでいく。それぞれに事情を抱えながら、遠く2300km先の果て満州里にいる、一日中ただ座り続けているという奇妙な象の存在にわずかな希望を求めて4人は歩き出す。

 公開されたビジュアルでは、交わらない方向へ視線を投げる4人の登場人物たちの姿が切り取られ、「29歳で命を絶った若き才能、デビュー作にして遺作。世界を熱狂させた魂の234分」というコピーが綴られている。

 予告編では、フー・ボー監督が師と仰ぐタル・ベーラからの「彼の映画は永遠に私たちと共にある」というコメントの後に、中国の人気バンド「ホァ・ルン」の楽曲をバックに、ブー、リン、チェン、ジンの顔が順に映し出され、それぞれの日常が描かれている。

 また、日本公開を記念して、坂本龍一、ベーラ監督、昨年の東京フィルメックスで本作を招致した市山尚三からコメントが寄せられている。

コメント一覧
坂本龍一(音楽家)
この映画のペースが好きだ。4時間近くと長い映画だが、無駄なショットがあった記憶はない。昨今、目にすることの多い、金満でIT先進国で資本主義的な中国とは全く違った日常が映し出される。その暗いけれど、甘く懐かしいトーンが好きだ。それは音楽からも来ていると思う。歪んだギターを中心に、昔聴いたことのあるチープなシンセのシンプルな絡み。20歳台の若い監督が作ったのに、とてもノスタルジックだ。好きな映画だ。29歳で自殺した監督、胡波(フー・ボー)の映画を、たくさん観たかった。

タル・ベーラ(映画監督)
私の“生徒”であり、私の友、私の家族である君がいないことを残念に思う。何百人もの中国人監督が私と働きたいと出願してきたが、彼に会い、すぐに心が決まった。一切の迷いもなく!
彼は気品に溢れ、共に素晴らしい仕事をすることができた。
彼の目には並々ならぬ、強い個性が表れていた。
クソ! 彼をちゃんと守れなかったことに、私は責任を感じている。残念でならない。
彼は、両方の端から彼というろうそくを燃やしていたのだ。今ここにあるすべてを手に入れようとした。
私たちは彼を失ったが、彼の映画は永遠に私たちと共にある。
フー・ボーの映画を迎えてください。そして私と同じように彼を愛してください。

市山尚三(東京フィルメックス・ディレクター)
『象は静かに座っている』は次々と新たな才能が登場しつつある近年の中国映画の中でも稀有な傑作である。まずは、この作品が日本で劇場公開されることを喜びたい。これほどの才能ある監督の新作をもはや見ることができないという事実は悲劇でしかないが、一つ一つのショットに刻み込まれた魂の記録とも言うべき本作に心揺さぶられないものはいないだろう。 (文=リアルサウンド編集部)