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トロント映画祭3日目 マイケル・B・ジョーダン主演&プロデュース『Just Mercy』世界プレミア

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『Just Mercy』 (c)Courtesy of TIFF

トロント映画祭はオスカー予測上、非常に大事な指針となる映画祭だ。今年も、早くも3日目にして、賞レースに食い込みそうな作品が世界プレミアされた。マイケル・B・ジョーダンが主演とプロデューサーを兼任する『Just Mercy』だ。

時事的な社会問題を取り上げる実話でありながら、前向きな姿勢も失わない今作は、アカデミー会員にもアピールする要素が十分。それ以前に、このトロント映画祭でも、観客賞を得る上でかなり健闘するのではと思われる。

主人公は、若手黒人弁護士ブライアン・スティーブンソン。せっかくハーバードを出たというのに、彼が選んだのは、人種差別の根強い南部で不当に刑務所入りをさせられた人々を助ける弁護士になること。そんな彼が出会ったひとりが、ウォルター・マクミラン(ジェイミー・フォックス)だ。物質的証拠がまるでなく、唯一の証言も矛盾だらけであるにもかかわらず、彼は死刑囚として獄中生活を強いられている。スティーブンソンは、自身も差別や脅迫にさらされつつ、勝ち目の非常に少なそうな戦いに挑んでいくのだった。

現地時間7日に行われた記者会見には、ジョーダン、フォックス、スティーブンソンの仕事上のパートナーを演じるブリー・ラーソン、デスティン・ダニエル・クレットン監督らに加え、スティーブンソン本人も登壇。ジョーダンは、彼が書いた原作本を読むまで、「恥ずかしながら、彼のことをよく知らなかった」と告白。しかし、人に勧められて本を読んだとたん、「これはどうしても映画にしたい。そうすることで、この重要なメッセージを伝えることにかかわりたい」と思い、積極的に実現に向けて猛プッシュしたのだと振り返る。

一方でフォックスは、不条理な形で刑務所に入れられることは、悲しいことに、普通に生活している黒人にも当たり前に起こることなのだと語った。この映画はまさにそれを語るものだが、彼は、今作は黒人には受けても、白人からは嫌われるかもしれないと思っていたようだ。だが、一般人を入れたテスト上映では、黒人の評価が100点中97点だったのに対し、白人は98点と聞き、驚いたと彼は明かした。

最近“#BlackLivesMatter”運動が起こったことが示すように、その問題は今も続いている。「この映画は、そういった人たちがただの数字、データなのではなく、人間なのだということを、このすばらしい俳優たちの演技を通じて伝えるものなんだ」と、スティーブンソンは述べた。

アメリカでは、年末にオスカー資格を得るための限定公開があり、年明けに本格公開となる予定。その後には、12月末に日本公開も決まっている。

取材・文=猿渡由紀

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