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黒羽麻璃央、刀剣俳優から新たなステージへ 2.5次元と3次元を行き来する奮闘の数々を辿る

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リアルサウンド

 今や、エンターテインメントのいちジャンルを確立した感のある「2.5次元ミュージカル」。人気コミックやアニメに材を取り、フレッシュな若手イケメン俳優を起用した華やかな舞台は、女性を中心に多くのファンを熱狂させてきた。中でも現在進行形で大ブームを巻き起こしている作品といえば“刀ミュ”こと「ミュージカル『刀剣乱舞』」だろう。日本刀の擬人化キャラを収集・育成するPCのブラウザゲームが、アニメ化や舞台化、実写映画化とメディアミックスを拡大するきっかけとなったのが、このミュージカル。昨年末に開催された「ミュージカル『刀剣乱舞』~真剣乱舞祭2018~」は国内5都市のツアーで、述べ10万人以上を動員した。そんな本作でメインキャラ、三日月宗近役を演じていたのが黒羽麻璃央である。

参考:場面写真はこちらから

 高校時代に、「第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に応募し、準グランプリおよびAGF賞を受賞したことを機に芸能活動を始めたという黒羽。2012年にミュージカル「テニスの王子様」の菊丸英二役(7代目)で俳優デビューし、以降、数々の人気ミュージカルや舞台に出演してきた。長身と容姿淡麗さを武器に、再現度が難しい2次元キャラにも難なくなりきることから、付いたあだ名は「2.5次元の王子」。2017年頃より、ドラマや映画への露出も増え、活動の幅を広げてきた彼だが、今年に入ってから出演した作品は、映画4本にドラマが5本とまさに飛ぶ鳥を落とす勢い。それに加え、作品ごとにまったく違う顔を見せ、役者としても目まぐるしく成長していることを感じさせる。

 たとえば『広告会社、男子寮のおかずくん』では、料理が好きな20代男子を等身大で演じ、ほのぼのとした雰囲気を漂わせる演技で視聴者の“癒し”となり、『コーヒー&バニラ』ではドSで究極のプレイボーイというオレ様な役どころで新境地を拓いた。横浜流星×飯豊まりえ主演の青春映画『いなくなれ、群青』ではミステリアスな孤高の文学青年を繊細に演じて話題となり、放映中の『テレビ演劇 サクセス荘』では漫画家志望の若者を活き活きと好演中。演じたことのない役にも果敢に挑戦し、引き出しのひとつにしようと奮闘する姿勢が潔い。

 どんな人物像も自分のものにする能力は、役者にとって欠かせないものと言えるが、彼の場合、そこにカンの良さ、共演者との間合い、観客を意識した見せ方と、さまざまな強みが加わる。これらは、間違いなく「2.5次元ミュージカル」で培ったもの。2次元と3次元の狭間で、ひたすらにファンの“理想”を体現し続けなければならないというのは、一般の演劇や画面を通して観客に届く映画やドラマとはまた違った緊張感があるはず。それでもひとつひとつの舞台で全力を尽くし、役柄と向き合い、高い評価を得てきた彼だからこそ身につけることができたものだ。

 若手俳優の登竜門といえば、長らく戦隊ヒーローが定石だったが、今後は「2.5次元ミュージカル」からも続々と新たな才能が生まれてくるに違いない。だからこそ、ブレイクスルーとして、今、黒羽に寄せられる期待は大きい。インタビューでは「ドラマや映画をやっていると舞台をやりたくなって、舞台をやっていると映像をやりたくなる。こういうバランスが、今は心地いいです」(参照:『いなくなれ、群青』黒羽麻璃央インタビュー 7年目の俳優がたどり着いたアプローチは「作品にとってどう映ったらいいか」)と語っているとおり、今後もしばらく2.5次元と3次元を行き来する活躍は続きそう。次世代を担う俳優のひとりとして羽ばたくことを願ってやまない。 (文=リアルサウンド編集部)