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木梨憲武と石橋貴明、それぞれ新たな音楽活動スタート とんねるずが積み上げた“笑い”と“歌心”の道

音楽

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リアルサウンド

 9月14日、15日に千葉・袖ケ浦海浜公園で開催された『氣志團万博2019』で、木梨憲武がキャリア初となるソロアーティストとしてのデビューを発表した。ユニバーサルミュージック内にレーベル<木梨レコード>を設立し、今秋EPを配信リリースする。一方、石橋貴明は元・野猿のメンバーである平山晃哉と神波憲人との3人組ユニット“B Pressure”を結成し、11月1日に1stシングル『Freeze』をリリースすることを発表。とんねるずの音楽活動……1980~90年代に青春時代を過ごした者にとっては、まさしく“待望”と呼べるものだろう。とんねるずは当時の若者にとってリーダーであり、ファッションアイコンでもあった。そんなとんねるずが、それぞれの新たな音楽活動をスタートさせることを発表したこの機会に、彼らのこれまでのキャリアと活躍について、改めて振り返ってみよう。

(関連:野猿、矢島美容室ら人気ユニット輩出 『とんねるずのみなさんのおかげでした』と“音楽”の歩み

■悪ノリで「一気!」を歌唱中にカメラを倒した伝説
 1980年代の人気番組『オールナイトフジ』や『夕やけニャンニャン!』などを足がかりに、若者世代の間で絶大な人気を博したとんねるず。1984年にはシングル曲「一気!」で、当時の勢いそのままに音楽シーンへと殴り込みをかけた。その後「雨の西麻布」でムード歌謡を取り入れると、人気はさらに爆発した。「歌謡曲」「迷惑でしょうが…」「炎のエスカルゴ」など、演歌/歌謡曲、ディスコ、グループサウンズなどの昭和レトロをオマージュした楽曲を多くリリースし、時には笑いを交え、時には真剣な歌心を聴かせて、多くのヒット曲を放っていった。その後の活躍は実に華々しく、1989年には東京ドームでワンマンライブを開催した他、1991年に「情けねえ」でNHK『紅白歌合戦』に出場、翌年の1992年には「ガラガラヘビがやってくる」でチャート1位を獲得、同作はミリオンセールスを達成した。アーティストのファンも多く、DREAMS COME TRUEの吉田美和と中村正人の2人は、かつてとんねるずのライブのバックバンド/コーラスに参加していたことも知られている。

 さらにとんねるずは、様々なユニットでも人気を我が物にした。歌の上手さに定評があった木梨は、1991年から2001年まで放送されていたバラエティ番組『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』内で披露していた北島三郎のものまねを機に、演歌歌手の山本譲二とタッグを組んだ演歌デュオ“憲三郎&ジョージ山本”を結成。北島三郎の作詞・作曲による「浪漫-ROMAN-」で、『紅白』に出場した。一方、石橋は工藤静香と“Little Kiss”を結成し、R&Bのデュエットナンバー「A.S.A.P.」はCMにも起用されてビッグヒットを記録した。

 1998年には番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』内で番組の裏方スタッフ(大道具やカメラクレーンなど)と結成した、ダンスパフォーマンスボーカルグループの“野猿”が話題になった。2001年に撤収(解散)するまでに、11枚のシングルと3枚のアルバムをリリースし、日本武道館3daysライブを開催。2度の『紅白』出場も果たして社会現象と呼べる人気を集め、その後のEXILEなどによるダンスパフォーマンスボーカルグループのブームに繋がる呼び水となった。

■東京ドーム公演、紅白出場、チャート1位の3つを達成
 さらに2008年には、『とんねるずのみなさんのおかげでした』内の企画で、当時「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」などで話題を集めていたDJ OZMAと3人で“矢島美容室”を結成。The Supremesをオマージュした出で立ちで、本格的なソウルミュージックに挑戦した。シングル『ニホンノミカタ -ネバダカラキマシタ-』やアルバム『おかゆいところはございませんか?』などがヒットした他、味の素スタジアムで開催された『a-nation’09』や国立代々木競技場第一体育館で開催された『東京ガールズコレクション’09』などに出演。そして中島信也が監督を務めた映画『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』も制作された。

 とんねるずの魅力の一つは、その自由さとノリの良さだろう。いったんノッてしまえば悪ふざけであっても徹底的で、それが行きすぎて『オールナイトフジ』で「一気!」を歌唱中に、石橋がテレビカメラを倒したことは伝説になっている。音楽制作も徹底的に行われ、ブレインはとんねるずの番組に構成作家として関わっていた秋元康を始め、見岳章や後藤次利といったヒットメーカー揃いだ。そのノリを武器に、お笑いコンビであるにも関わらず、アーティストなら誰もが目標に掲げるだろう、東京ドーム公演、紅白出場、チャート1位という3つを達成してしまったのは驚きだ。お笑いタレントの音楽活動で、ここまで成功したコンビは他にいない。

 そんなとんねるずの、久しぶりの本格的音楽活動となる木梨ソロとB Pressureは、果たしてどんな活躍を見せるのか。その持ち前のノリで、“とんねるずここにあり!”といった存在感のあるものを、きっと見せつけてくれるだろう。(榑林史章)