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今年はKing & Prince 平野×永瀬×髙橋がメインキャストに 舞台『ジャニーズ・アイランド』の変遷

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リアルサウンド

 12月8日から帝国劇場にて上演される舞台『ジャニーズ・アイランド』の制作が発表された。今年はメインキャストのKing & Prince・平野紫耀、永瀬廉、髙橋海人に加え、ジャニーズJr.のHiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍らが出演する。

(関連:V6、嵐、滝翼、関ジャニ∞…ジャニーズの“舞台班”と“テレビ映画班”、それぞれの魅力と役割

 本作は2012年以降、毎年上演されてきた作品シリーズの最新作。会見で、King & Princeの永瀬が「ジャニーさんが大好きで、一番大事に思っていた舞台を僕たちが演じられること、嬉しく思っています」と語ったように、ジャニー喜多川氏の集大成的なシリーズだ(参考:ステージナタリー)。これまで、キャストやテーマ、あらすじを年々ブラッシュアップし、ジャニー氏がエンターテインメントを通して伝えたいテーマを、ジャニーズタレントたちが演じてきた。この8年間、本シリーズはどのように変貌を遂げてきたのだろうか。

 2012年の初演『JOHNNY’S World』から2016年の『ジャニーズ・フューチャー・ワールド』までの5作は、『ジャニーズワールド』シリーズ。大まかなあらすじは、日夜仲間たちとショーに明け暮れる主人公が、「SHOW MUST GO ON」をポリシーに掲げる厳しいプロデューサーに導かれ、過去や未来、宇宙に行って様々な“悲劇”に触れることで、逆説的に平和の大切さ、尊さを学ぶというもの。劇中に出てくる「1年は12カ月しかなく、その中には喜劇よりも悲劇の割合の方が多い。だから本当の幸せは13月にある」という、ファンタジックな主張が印象的だった。“悲劇”を伝える手段としては、かの有名なタイタニック号の沈没事故やドイツの飛行船・ヒンデンブルク号の爆発事故、第二次世界大戦、忠臣蔵の討ち入りなど、歴史上で起こった凄惨なエピソードが用いられた。

 また、2作目となる『JOHNNY’S 2020 WORLD-ジャニーズ・トニトニ・ワールド-』からは、2020年の東京オリンピックを意識したコーナーが、4作目の『JOHNNY’S World』からは戦争の恐ろしさを訴えるコーナーが長尺で入るようになった。

 “戦争”と“オリンピック”は、『ワールド』シリーズ以降も用いられてきた印象的なテーマ。実際に空襲を経験し、その後、復興した日本で行われた東京オリンピックを経験しているジャニー氏ならではの演出だ。幼いジャニー少年の目には、焼け野原になった日本が懸命に復興し、平和の祭典・東京オリンピックを華やかに開催した光景が、“希望”の象徴として目に焼き付いていたのかもしれない。

 そして、6作目の『JOHNNY’S ALL STARS IsLAND』からは、メインタイトルが『ジャニーズアイランド』に変更。「SHOW MUST GO ON」など、これまで劇中で繰り返し謳われてきた主張はそのままだが、話の一本の軸であった「13月を探しに行く」という展開はなくなった。

 一方、この頃からジャニーズJr.がローラースケート、ダブルダッチ、フリースタイルバスケなどの“一芸”を習得するように。これはバラエティ番組『ガムシャラ!』(テレビ朝日)の企画として学んだ芸だったと記憶しているが、ステージ映えするためか舞台でも度々披露されることとなる。

 「13月」の消滅、そしてJr.の多彩さという2つの要素から、『アイランド』シリーズは『ワールド』シリーズに比べて物語の要素が少なくなり、よりショーとしての側面を強めていった。

 そしてついに、シリーズ6作目となる『JOHNNY’S Happy New Year IsLAND』では、芝居のセリフを大幅にカット。2幕を丸々ショーのコーナーとし、トラヴィス・ペインや名倉加代子、Bobby吉野など国内外の著名な振付師が、ジャニーズの既存の楽曲に新たな振付を作り、ジャニーズJr.と特別出演の東山紀之(少年隊)がパフォーマンスした。

 本シリーズ以外にも、ジャニーズのほとんど全ての舞台は、役名がなく出演者がそのまま本人の名前で劇中に登場する。そのため、大まかな下敷きはあれど、誰が演じるかによって大幅にキャラクターやストーリーが変わってゆくのが特徴だ。本シリーズが8年間の歴史の中でどんどん形を変えていった理由は、ジャニー氏が日々エンターテインメントに触れる中で、少しずつ主張したいテーマが変わっていった……ということもあるだろうが、毎年座長をつとめるキャストが変わっていったからというのも大きいだろう。

 実際、今年9月にKing & Princeの岸優太、神宮寺勇太が主演をつとめた舞台『DREAM BOYS』の演出を担った堂本光一は、演者が演じやすいようにストーリーを整理したという。おかげで今年の『DREAM BOYS』は、ここ数年に比べストーリーが非常に分かりやすく、初めて目にする人でも物語の中にすっと入り込めるようなスムーズさがあった。

 今回の『ジャニーズ・アイランド』制作発表会見でも、『DREAM BOYS』の話題に。平野は「同じグループのメンバーを褒めるのはおかしいけど、すごく刺激をもらった。早く僕もそっち側(舞台)に立ちたいと思った」、髙橋は「涙が止まらなかった。ばっちり、心の中に爪痕を残されちゃった」とコメント(参考:ORICON NEWS)。次世代のジャニーズを引っ張っていく存在として、同じグループでありながらもライバル心を忘れず、切磋琢磨して舞台にのぞむ。

 今年の『ジャニーズ・アイランド』も、演出を担う滝沢秀明曰く「2012年の原点に立ち返る」構想があるという。長年続けていく中で、様々な要素が付与され、複雑に絡み合ったストーリーを、ジャニー氏が一番近くで指導してきたタレントたちが“再構築”してゆく。半世紀以上続いてきた“ジャニーズ舞台”が、今、新たな局面を迎えようとしている。(みずさき)