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高畑充希、『同期のサクラ』は『過保護のカホコ』に続く代表作に “終わり”から始まる異色の構成

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リアルサウンド

 高畑充希が主演を務めるドラマ『同期のサクラ』(日本テレビ系)が、10月9日にスタートした。

 本作は、過疎の離島で育ち、夢を叶えるために上京した主人公・サクラ(高畑充希)が駆け抜けた10年間を1話ごとに1年ずつ描き出していくドラマ。特筆すべきは、2017年に放送され、2018年にはスペシャルドラマとして好評を博した『過保護のカホコ』(日本テレビ系)に続く、「主演・高畑充希×脚本・遊川和彦」の再タッグ作品であることだ。

 『同期のサクラ』は脚本の遊川だけでなく、演出やプロデューサーといった制作陣を含めて『過保護のカホコ』チームが再集結している。『過保護のカホコ』は高畑にとって、朝ドラ『とと姉ちゃん』(NHK総合)でヒロインを務めた翌年に民放初主演となった代表作。高畑が演じる加穂子の、世間知らずで純朴、思ったことをそのまま言ってしまうその浮いた強烈な存在感は、高畑充希という女優像をも形成し、2018年に主演を務めたドラマ『忘却のサチコ』(テレビ東京系)でのイメージにも少なからず直結している。

 そして今回、『同期のサクラ』で高畑が演じるサクラは、『過保護のカホコ』の加穂子の生き写しと言っても過言ではないほどの人物像。後先考えずない猪突猛進の性格は、入社式の社長祝辞で社長相手に物申してしまうほど(ちなみに社長は『過保護のカホコ』で加穂子の祖父を演じていた西岡徳馬)。入社後に同じ班になった4人に対して、輝きに満ちた目で絶賛し、時には愛くるしい笑顔を見せる姿は、『過保護のカホコ』で初(竹内涼真)に向けていた眼差しとそっくりだ。

 また『過保護のカホコ』では、「私、こんなの初めて!」「すっばらしい!」といった加穂子の口癖があったが、『同期のサクラ』のサクラにもそんな強烈なセリフが多く存在している。「いいです。非常にいい」「マズい。非常にマズい」と非常にをつけて繰り返すセリフ。さらに不安になると発する「スゥーーー」といった息遣い、同期たちに別れを告げる「じゃあ、また明日」もそれらに数えられるだろう。第1話のラストで同期たちに告げた「私には夢があります」から始まる真っ直ぐな宣誓も『過保護のカホコ』での「私、こんなの初めて!」からの流れを彷彿とさせる。

 だが、『同期のサクラ』が『過保護のカホコ』と大きく違う点は、入社式の10年後、2019年にサクラが心電計と人工呼吸器を付けた重い脳挫傷になっているという終わりがすでに提示されているということ。サクラの同期、月村百合(橋本愛)、木島葵(新田真剣佑)、清水菊夫(竜星涼)、土井蓮太郎(岡山天音)の4人が、病室で眠りにつくサクラを目の前にして、10年前を回想する形で物語は進行していく。

 第2話では、2年目社員として成長した人事部のサクラが、過酷な残業に苦しむ菊夫を相手に問題を巻き起こす。高畑は、『過保護のカホコ』出演後も、主演を務めたドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)、映画では『こんな夜更けにバナナかよ』『町田くんの世界』『引っ越し大名!』、星野源扮するおげんさんによる音楽番組『おげんさんといっしょ』(NHK総合)への出演など、幅広い活躍を見せてきた。一つの高畑充希像を作った遊川和彦との再タッグで、女優としてさらなる躍進を遂げられるか。(渡辺彰浩)