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『ジョーカー』を読み解くカギは“日記”に!? ホアキン・フェニックスが語る

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『ジョーカー』 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C)DC Comics

映画『ジョーカー』が先ごろから公開をスタートし、全世界的で驚異的なヒットを記録している。北米では10月公開作品の歴代記録を更新し、日本でも公開から5日で興行収入10億円を突破。日本を含む世界66か国でナンバー1ヒットになった。本作は名優ホアキン・フェニックスが主演を務めているが、監督から手渡された“手帳”を手に演じ方を模索したという。

本作は大都市の過酷な環境で、老いた母と暮らす男アーサーが自らを“ジョーカー”と名乗る希代のカリスマへ変貌していくまでが描かれるが、ホアキン・フェニックスはこの役を演じることを了承するまでに長い時間をかけ、トッド・フィリップス監督と作品について、アーサーの詳細な設定、過去、内面について何度も何度も意見を交換した後に出演を決めた。

さらにフェニックスは役のために減量し、アーサーの“見た目”をつくりあげ、さらに準備期間中に劇中でアーサーがつけている“日記”を自ら綴った。彼は「アーサーをどのように演じるのかハッキリしていなかった時に(監督の)トッドから空白の手帳を渡されたんだ。“何を書けばいい?”とたずねたら、いくつか案を送ってくれたけど、数日経つと突如書くことがどんどん湧いてきて、彼の案を無視して書き続けたんだ(笑)」と振り返る。

映画に登場するフェニックス直筆の手帳=日記は、ページの中で文字が行き場をなくしてうごめいているような状態で、小さな文字でビッシリと書かれているページもあれば、謎の空白地帯や、同じフレーズが何度も繰り返されている箇所があるという。「監督は僕の日記にひらめきを与えようと足のステップについて送ってきてくれたんだ。そして、いくつかのシーンで使うアーサーが長い階段を登るときのステップについて教えてくれた。僕が書いた日記のなかには“ステップ、ステップ、ステップ、ステップ、ステップ”とページを埋め尽くすように書かれたものが数枚かある」

これまでも名優と呼ばれる俳優たちが役のために日記を書いてきた。日記を書いたことのある人ならわかると思うが、日記は“日々の記録”だけでなく“自分自身との対話”でもある。自分はいま何を思っているのか? 何に怒っているのか? 誰も言えない不安は何か? 本当は何をしたいのか?

『ジョーカー』は、フェニックス曰く“どのようにして人とコミュニケートしていいのかわからない人間”アーサーが、様々な事件に巻き込まれる中で自分自身と向き合い「認められたいとか、パワフルに感じたいなどの圧倒的な要求」を表現するために自らをジョーカーと呼ぶようになるまでを描いている。つまり、本作においてフェニックスが直筆で書き連ねた日記は、単なる小道具ではなく“完成した脚本”に匹敵するほど需要なテキストではないだろうか。

映画の中に登場する日記に何が書かれているのか? 映画には登場しない部分にフェニックスは何を書いたのか? 想像しながら『ジョーカー』を観ると、より深くキャラクターを理解できるはずだ。

『ジョーカー』
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