『ハプスブルク展』いよいよ開幕 華麗なる名門家のコレクションが一堂に!
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ディエゴ・ベラスケス《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ(1651-1673)》 1659年 ウィーン美術史美術館、絵画館
日本とオーストリアの友好150周年を記念して、『ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史』が、国立西洋美術館にて10月19日(土)に開幕。2020年1月26日(日)まで開催されている。
数世紀にわたりヨーロッパの中心に君臨し続けたハプスブルク家。15世紀以降、神聖ローマ帝国皇帝の位を世襲し、ナポレオン戦争を引き金に同帝国が解体した後は、その後継となるオーストリア帝国(後のオーストリア=ハンガリー二重帝国)を統治した。
そんな欧州随一の名門家出身の皇帝や大公の多くが情熱を注いだのが、美術品の収集だ。豊かな財力とネットワークを活かし、質・量ともに世界屈指のコレクションを築いた。その収集品の主要部分は、最後の皇帝と言われるフランツ・ヨーゼフ1世が1891年に開館したウィーン美術史美術館の礎となっている。同展は、ウィーン美術史美術館の協力のもと、絵画を中心に版画、工芸品、タペストリー、武具など約100点から、名門一族の華麗なコレクションの歴史をたどる。
展示は全5章で構成。第1章「ハプスブルク家のコレクションの始まり」では、15世紀後半から16世紀に神聖ローマ皇帝となったマクシミリアン1世と、オーストリア大公フェルディナント2世ゆかりの絵画や武具を取り上げる。肖像画や工芸品のほか、まばゆい甲冑コレクションが並ぶ。
続く第2章「ルドルフ2世とプラハの宮廷」では、ヨーロッパ史上稀代のコレクターとして名高いルドルフ2世にフォーカス。ルドルフが作品獲得に情熱を注いだデューラーやジャンボローニャの彫刻に基づく作品など、その卓越した審美眼に注目したい。

第3章「コレクションの黄金時代:17世紀における偉大な収集」では、ベラスケスを宮廷画家として招いたスペイン・ハプスブルク家、フィレンツェ派作品の収集に努めたオーストリア大公のフェルディナント・カールとティロル、そして今日の美術史美術館絵画館の礎を築いた、ネーデルラント総督レオポルト・ヴィルヘルムのコレクションを紹介。ベラスケス、ヤン・ブリューゲル(父)、ティツィアーノ、ルーベンス、レンブラントなど、ヨーロッパ各地の巨匠たちの作品が並ぶ。
第4章「18世紀におけるハプスブルク家と帝室ギャラリー」では、女帝として広大な領土を統治したマリア・テレジアや、その末娘でフランス王妃となったマリー・アントワネット、神聖ローマ帝国最後の皇帝で、オーストリア帝国初代皇帝でもあるフランツなど、歴史上名高いハプスブルク家の人々を肖像画を通して紹介する。
そして最終章となる第5章「フランツ・ヨーゼフ1世の長き治世とオーストリア=ハンガリー二重帝国の終焉」では、ハプスブルク家有終の美を飾ったフランツ・ヨーゼフ1世ゆかりの品々が展示されている。

歴代の君主がその眼力をもって収集してきた品々の美しさと多様さは、どれも息を飲むばかり。個性的で魅力あふれる一族の人々のストーリーとともに、ハプスブルク家が遺した至宝をこの機会に堪能してほしい。
【開催情報】
『日本・オーストリア友好150周年記念 ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史』
10月19日(土)〜2020年1月26日(日)国立西洋美術館にて開催
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