美術が社会に果たす役割を問う、 森美術館15周年記念展『カタストロフと美術のちから展』
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オノ・ヨーコ 《色を加えるペインティング(難民船)》 2016年 ミクスト・メディア・インスタレーション サイズ可変 展示風景:「オノ・ヨーコ:インスタレーション・アンド・パフォーマンス」マケドニア現代美術館、テッサロニキ、ギリシャ、2016年
東京・六本木の森美術館では10月6日(土)から2019年1月20日(日)まで、六本木ヒルズ・森美術館 15周年を記念した『カタストロフと美術のちから展』を開催する。
2003年の開館記念展では「幸福」をテーマにした「ハピネス」展、10周年には「愛」に注目した「LOVE」展を開催してきた森美術館。そして、15周年を迎える今回のテーマは「カタストロフ(大惨事)」。さまざまな問題が山積する 今日の国際社会において、美術が果たす役割についてあらためて問い直す。
展示は2つのセクションで構成され、セクション1では、地震、津波などの天災や事故や戦争といった人災から、個人的な悲劇を表現した作品までを幅広く紹介。「美術が惨事をどのように描いてきたのか」に焦点を当てる。
続くセクション2では、破壊から創造を生み出す「美術のちから」を紹介。アーティストの豊かなイマジネーションによって制作された、再生、復興、より良い社会が表現された作品、オノ・ヨーコや宮島達男による鑑賞者参加型の作品、作品を通じて社会に変革をもたらすことを目指す「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」など、社会的メッセージが込められた作品を多数紹介。美術と社会との繋がりについて考察する。
また、2011年に発生した東日本大震災を契機に制作されたChim↑Pom、トーマス・ デマンド、池田学など約10作家の作品も紹介することで人々の記憶を蘇らせ、議論を再燃させることも目指す同展。現代アート界注目の作家たちの作品から、負を正に転ずる力学としての「美術のちから」を感じ取れるに違いない。
【開催情報】
六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展 『カタストロフと美術のちから展』
10月6日(土)から2019年1月20日(日)まで森美術館にて開催
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