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『4分間のマリーゴールド』ようやく結ばれた秘密の恋は一瞬 福士蒼汰の諦めない気持ち

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 家族を想うあまりに爆発する廉(桐谷健太)の怒り。そしてその気持ちを受け止めるみこと(福士蒼汰)が廉に告げたのは、沙羅(菜々緒)に待ち受ける非情な運命についてであった。『4分間のマリーゴールド』(TBS系)第4話ではバラバラになりそうな家族を繋ぎとめようともがくみことの姿が描かれる。

 気持ちを伝え合ったみことと沙羅は、秘密で恋を育む。そんな時、広洋(佐藤隆太)の提案で花巻家はお祭りに行くことに。廉だけは過去の恋を引きずり、お祭りに行くのを頑なに拒否したが、みこと、沙羅、藍(横浜流星)、広洋、そして愛犬のシロは意気揚々と出かけていった。お祭りで、藍は琴(鈴木ゆうか)と、広洋とシロは子供たちと合流したため、みことと沙羅にはこれからの恋をどう育むか、2人の未来について話すチャンスができる。

【写真】末っ子役の横浜流星

 2人は、未来についてゆっくり話し出す。しかしみことは、話の流れで沙羅と手を合わせたためにまた沙羅の運命を見てしまうことになり、思わず浮かない表情に。心配する沙羅だが、みことはそんな沙羅にキスをする。すると、シロが逃げたと聞いて街に探しに出かけていた廉が偶然そのキスを目撃してしまう。怒りが収まらない廉は、後日みことに「沙羅が好きか」と詰め寄り、「好きだよ」と答えるみことに対して「だったら俺はお前の家族をやめる」と衝撃的な言葉を残すのであった。

 みことはその後、研修中の病院で出会った患者の「家族が家族じゃなくなるのなんて一瞬です」という言葉にハッとする。自身がかけられた廉からの言葉と重ね、家族のあり方を考えるのであった。しかしみことは沙羅も、そして廉や藍のことも諦めない。「一瞬でそうなるなんて嘘だった。俺は廉兄を、家族を諦めない」「そして死の運命を背負った沙羅のことも」と決意し、廉に、沙羅が28歳の誕生日で死ぬという運命を告白する。

 ようやく結ばれた秘密の恋は一瞬にして家族を壊しかねない大きな問題へと発展してしまう。幸せな時間もつかの間、沙羅とみことの甘い時間はすぐに終わってしまった。しかし廉が怒るのも無理はない。廉はずっと家長として人一倍強い責任感を抱きながら藍や沙羅、そしてみことと接してきた。唯一、血の繋がっていないみことに対しても、分け隔てない愛情を注ぎ、家族が“家族”として正しく機能することだけを追求して生きてきたのだ。

 そのために自身の恋だって諦めた。しかし当のみことは、血が繋がっていないからと沙羅と恋をしてしまう。廉の気持ちを考えれば、あれだけ怒りを露わにしても仕方ないと感じる出来事だ。

 しかしその一方でみことにも、沙羅を好きなだけではなく運命から守りたいという複雑な感情があり、この恋が花巻家を壊すことをわかっていても歯止めが効かない想いを抱えている。みことの中にある、家族として沙羅を守りたい気持ちと、恋愛対象として沙羅を守りたい気持ちはすでに混ざりきって溶け合い、今さら割り切れるものではなくなっているのだろう。

 それぞれのキャラクターが魅力的で生き生きとしているため、本作の物語に込められた複雑で悲しい運命から目を背けたくなってしまう。しかし花巻家は、そんな沙羅の運命にも果敢に立ち向かおうとしている。

(Nana Numoto)