TXTの成長を支えるBTSの存在ーー“ファミリー”としての絆が垣間見える2組の交流を探る
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11月2日付の米ビルボードチャート「ワールド・デジタル・ソング・セールス」にて、1位にBTSの「Make It Right (feat.Lauv)」、2位にTOMORROW X TOGETHER(以下、TXT)の「9 and Three Quarters (Run Away)」が並んだ(参照:Billboard)。BTSとTXTは、ともにBig Hitエンターテインメント所属のボーイズグループ。TXTは世界的人気を誇るBTSの“弟グループ”として2019年3月にデビューした、今もっとも活躍が期待される新星である。ビッグヒットの“ファミリー”としての強さを感じさせる1、2フィニッシュとなった。
その出自からデビュー時より「BTSの弟」と数々のメディアで紹介されてきたTXT。しかし、それは単なるセールスコピーではないようだ。彼らの成長の裏には“兄”であるBTSのサポートがある。
2組の交流を遡ると、TXTが3月にEP『The Dream Chapter: STAR』を発表したときのこと。JIMINがBTSの公式Twitterにて、収録曲「CROWN」MVのリンクとともに「これから僕たちも応援します。ファイト。デビュー、心よりお祝い申し上げます」とのコメントを掲載。所属事務所からの6年ぶりのグループ誕生への喜びを表していた。その後、TXTの公式TwitterにはBTSとTXTの集合写真がアップ。「忙しい日々の中で、素晴らしいメッセージや真心のこもったアドバイスをたくさん贈ってくれた先輩方に、心から感謝します。恥ずかしくない後輩になれるよう、一生懸命頑張ります! 愛しています、先輩たち」と、TXTからBTSへの感謝の思い、決意のメッセージが送られている。BTSが後輩であるTXTを大切にし、絆を育んでいることが伝わるやりとりだ。
また、5月にTXTがデビューまもないグループとしては異例のニューヨーク、シカゴ、オーランド、アトランタ、ダラス、ロサンゼルスのアメリカ6都市で開催したショーケース『TOMORROW X TOGETHER SHOWCASE: STAR in US』。各公演ほぼチケットはソールドアウト、大きな熱狂をもたらした本公演の成功の裏にもBTSの一助があった。このショーケースに密着したドキュメンタリー番組『ONE DREAM.TXT』(Mnet)の初回放送では、TXTが事前にBTSにアドバイスを求めに行く姿が収められている。日頃よりBTSのファンを公言するSOOBINはもちろん、メンバー5人が真剣にBTSの言葉に耳を傾けた。さらには、RMからTAEHYUNが実はJUNG KOOKのファンであることが突然明かされ、TAEHYUNが赤面するという仲睦まじい姿も。憧れのBTSからの「上手くいくと思う」という心強い一言は、彼らの精神的な支えになったはずだ。
そして、10月23日にTXTのBEOMGYUとYEONJUNが行ったVLIVEのライブ配信中には、BTSのV、JIMIN、JUNG KOOKが接近。その中でVがカメラの前に現れ、TXTの最新アルバム『The Dream Chapter: MAGIC』についてふれた。「彼らはいつも練習室で寝ていて、僕がレコーディングのため会社に行くたび彼らに会いました。まるで昔の自分たちを見ているようでした」と、自らのデビュー時の姿を重ねつつTXTの努力を見守る後輩思いな一面を見せた。
先述のチャートでTXTが2位を獲得した「9 and Three Quarters (Run Away)」は、『The Dream Chapter: MAGIC』収録曲。原題に「9と4分の3乗り場から、あなた待って」という意味を持つファンタジックな同曲は、少年たちが過ごす“魔法”のような瞬間をニューウェーブのテイストが加えられたシンセポップに乗せ、軽快かつ力強くメンバーたちが歌い踊る中毒性の高い一曲に。この曲からも、世界一心強い兄であり先輩であるBTSから様々な学びや刺激を受けながら、TXTならではの魅力が着実に育まれていることがうかがえる。2019年の大型新人の行く末に、今世界中から熱い視線が注がれている。
(文=久蔵千恵)