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「エリザベート」は“愛・生・熱・欲”?育三郎「自分だからできるトートを」

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ミュージカル「エリザベート」製作発表より。左から山崎育三郎、愛希れいか、小池修一郎、花總まり、井上芳雄、古川雄大。

本日11月12日、2020年に上演されるミュージカル「エリザベート」の製作発表が東京都内で実施され、エリザベート役の花總まり、愛希れいか、トート役の井上芳雄、山崎育三郎、古川雄大ほかが登壇した。

「エリザベート」は、ミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞、シルヴェスター・リーヴァイが音楽・編曲を手がけたウィーン発の人気ミュージカル。日本では1996年に宝塚歌劇団が初演したのち、2000年に東宝版が初めて披露され、2020年に20周年を迎える。

200名のオーディエンスが見守る中、会見は「エリザベート」2020年版のプロモーション映像の上映からスタート。一路真輝ら歴代エリザベートが「私だけに」、内野聖陽ら歴代トートが「最後のダンス」をリレーのように歌い継ぐ映像に続き、スクリーンでは2020年版のキャストが発表された。

オーディエンスから驚きの声が上がる中、2000年の東宝初演版から演出・訳詞を務める宝塚歌劇団の小池修一郎と、東宝の池田篤郎取締役演劇担当が登壇。小池は「このプロモーション映像、ネットに出ますかね。ぜひ欲しい」と会場を和ませつつ、「これほど上演を重ねられるとは、初演のときは誰1人思えなかった。しかしいろいろな方がバトンを渡し続け、ここに至りました」と歴代のキャストやスタッフ、関係者への感謝を述べた。小池がオーディエンスに「20年間の歴代エリザベート、トートを全員観た方はいますか?」と投げかけると、何名かの手が挙がる。小池はこれに目を細めて「お客様がいたからこそ、ここまで来られた。そんな作品にたまたま出会えた私はラッキーです」と胸中を語った。

その後ステージには花總、愛希、井上、山崎、古川が登場。1996年の宝塚初演版「エリザベート」にも出演した花總は、「当時は22歳でしたが、また同じ役を演じる機会をいただけるのは奇跡」と思いを口にする。作品の魅力については「エリザベートだけでなく、どの役に注目してもそれぞれの人生を感じることができる奥深さがあります」と話し、「これが最後というつもりで、誠心誠意努めたい」と意気込んだ。

2018年に「エリザベート」で宝塚歌劇団を退団し、昨年の東宝版に出演した愛希は、前回を「幸せな気持ちと、『もっと追求したい』という思いを抱えて千秋楽を迎えた」と振り返る。本作への出演に憧れていたという愛希は、「壁を登れた、と思ったらまた高い壁が待っているような作品」と難しさを語りつつ、「現代に生きる女性としても、『エリザベート』には私たちに響くメッセージが込められていると思っています」と言葉に力を込めた。

本作を「熱狂のミュージカル」と言うのは井上。井上は本作を「何十年に1本しか出ない素晴らしい作品で、皆さんに熱狂していただけるからこそ、(2000年に)僕をルドルフ役に抜擢してくださったようなチャレンジができる。新キャストが参加することで、ミュージカル界の観客も増やしてきた」「たくさんの人にチャンスを与え続ける、奇跡のような作品だと思います」と分析し、「大切な作品にまた関われてうれしい」と笑顔を浮かべた。

2015年から2019年までルキーニを演じた山崎は、今回初めてトート役を担当。山崎は作品の印象を「何公演やっても緊張します。自分を試す場所」と述べ、「ルキーニとして誰より近くでトートを見てきた自分だからこそできるトートがあると思う」と期待をのぞかせる。また山崎が自身の扮装姿について「小池先生のこだわりで、前髪が真ん中分け。真ん中分けトートは宝塚版にもいなかったそうで、注目してください(笑)」とアピールすると、井上が自分と古川を示しながら「僕たちも真ん中分けにしようと思う」と混ぜ返し、会見場の笑いを誘った。

古川は2012年から2016年までルドルフ役を務め、2019年公演で初めてトートを演じた。初参加当時を振り返る古川は「今思えば稽古で失礼な態度をとっていたのですが……小池先生が愛を持って接してくださったおかげで、今は何か言われたら『はい!』と答えています」と恥ずかしそうに話す。井上が「飼い慣らされたってこと?」と茶々を入れると、古川は「成長したんです!!」と切り返して会見場を沸かせた。

会見では記者の「『エリザベート』を漢字1文字で表すと?」という質問に、キャストが答える場面も。いち早く挙手して「はい! 僕は“愛”で」と回答する井上に、隣の古川は「じゃあ僕も“愛”で……(笑)」と付け加える。続く花總は「エリザベート的には“生”ですね!」、山崎も「お客様の“熱”狂です」と矢継ぎ早にコメントし、最後に残った愛希が力強く「“欲”!」と答えると、小池がのけぞって笑い、一同の笑いを誘った。

製作発表後に行われた囲み取材には、出演者5名が出席。インタビュアーが山崎扮するトートの髪型に言及すると、山崎は「試しにウィッグを被ったとき僕がすっぴんだったので、『大丈夫か……?』と思ったのですが、小池先生は『これ以外ありえない!』と(笑)」と、裏話を披露する。完成したトートのビジュアルに「とても素敵ですね」と笑顔でコメントする山崎に、井上が「前向きだな! 普段は髪の分け目ないじゃん!」と1歩進み出てリアクションすると、山崎は「ちょっと静かにしててもらえる!?」とやり返し、会場にはひと際大きな笑いが起きた。

さらに山崎が井上に「先輩、(トートとして)アドバイスください」と水を向けると、井上は「企業秘密なんで(笑)」と却下しつつ、「トートは演じる人ごとに、まったく違うものになる。育三郎も独自のトートを作ってくれるのでは」と山崎に期待を寄せた。

公演は2020年4月9日から5月4日まで東京・帝国劇場、11日から6月2日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、10日から28日まで愛知・御園座、7月6日から8月3日まで福岡・博多座にて。なお公式サイトでは各キャストのビジュアルが公開されているので、ぜひチェックしてみては。

ミュージカル「エリザベート」

2020年4月9日(木)~5月4日(月・祝)
東京都 帝国劇場

2020年5月11日(月)~6月2日(火)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2020年6月10日(水)~28日(日)
愛知県 御園座

2020年7月6日(月)~8月3日(月)
福岡県 博多座

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎

キャスト

エリザベート(オーストリア皇后):花總まり / 愛希れいか
トート(黄泉の帝王):井上芳雄 / 山崎育三郎 / 古川雄大
フランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝):田代万里生 / 佐藤隆紀
ルドルフ(オーストリア皇太子):三浦涼介
ルドヴィカ / マダム・ヴォルフ:未来優希
ゾフィー(皇太后):剣幸 / 涼風真世 / 香寿たつき
ルイジ・ルキーニ(皇后暗殺者):尾上松也 / 上山竜治 / 黒羽麻璃央
ほか