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渡辺源四郎商店、死刑テーマの「どんとゆけ」「だけど涙~」2作を同時上演

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「どんとゆけ」過去公演より。

渡辺源四郎商店「どんとゆけ」「だけど涙が出ちゃう」が、来年2020年1月12日から19日まで青森・渡辺源四郎商店 しんまち本店 2階稽古場、23日から26日まで東京・こまばアゴラ劇場、2月8日と9日に香川・四国学院大学 ノトススタジオで上演される。

本企画は、渡辺源四郎商店の畑澤聖悟が手がける「どんとゆけ」と、工藤千夏が手がける「だけど涙が出ちゃう」を同時上演するもの。2008年に初演された「どんとゆけ」では、殺人事件の被害者遺族が自ら加害者に死刑を執行する「死刑員制度」という架空の制度が導入された近未来を舞台に、死刑囚との結婚を繰り返す女・青木しのを中心とした物語が展開する。「だけど涙が出ちゃう」は、「どんとゆけ」の前日譚。青木しのは、被害者家族に撲殺されてしまう。その事実を知ったある死刑囚は……。

畑澤は「国家による殺人の理不尽。消えることのない憎しみと復讐への欲求。死刑囚の後悔と諦念。死刑制度はまるで『深い森』です。踏み込めば踏み込むほど果てしなく、途方に暮れるばかりです」「今度はもっと深く深く、迷い入りたいと考えています。お楽しみ下さい、という言葉の似合わない物語ですが、どうぞごゆっくりご覧下さい」と観客に呼びかけ、工藤は「ドロドロは苦手ですが、精一杯ドロドロしますのでご容赦ください。あと、近未来の前日譚もまた近未来です」とコメントしている。チケットの一般販売は、11月25日にスタート。

畑澤聖悟コメント

「どんとゆけ」は死刑執行に関する法律、通称「死刑員制度」という架空の制度を巡る物語です。殺人事件の被害者遺族が「死刑員」に任命され、直接加害者の死刑を執行するわけです。2008年の初演当時、施行直前であった裁判員制度のパロディであることは言うまでもありません。国家による殺人の理不尽。消えることのない憎しみと復讐への欲求。死刑囚の後悔と諦念。死刑制度はまるで「深い森」です。踏み込めば踏み込むほど果てしなく、途方に暮れるばかりです。2011年、続編の「あしたはどっちだ」と2本立てで再演しましたが、今回は前日譚の「だけど涙が出ちゃう」(作・工藤千夏)と同時に上演することにより、もう一度あの深い森に挑むことを決意しました。今度はもっと深く深く、迷い入りたいと考えています。お楽しみ下さい、という言葉の似合わない物語ですが、どうぞごゆっくりご覧下さい。

工藤千夏コメント

畑澤聖悟が書いた「どんとゆけ」「あしたはどっちだ」両戯曲に登場する、青木しの。死刑囚との結婚を繰り返す彼女が、単なるプリズン・グルーピーな訳がない。「被害者家族の激情を、いえ、加害者の情念をも当たり前のように受け止める貴方は、天使なのですか? それとも、ご自分の幸福のために他人の不幸を甘受する悪魔なのですか?」聞いたって、青木しのは答えない。アルカイック・スマイルを浮かべながら、無造作に「死」と手をつなぐ。あっ、畑澤先生に業務連絡。あ、畑澤先生に業務連絡。両作品への完璧オマージュです。ドロドロは苦手ですが、精一杯ドロドロしますのでご容赦ください。あと、近未来の前日譚もまた近未来です。よろしくお願いします。 

渡辺源四郎商店 第32回公演「どんとゆけ」「だけど涙が出ちゃう」

2020年1月12日(日)~19日(日)
青森県 渡辺源四郎商店 しんまち本店 2階稽古場

2020年1月23日(木)~26日(日)
東京都 こまばアゴラ劇場

2020年2月8日(土)・9日(日)
香川県 四国学院大学 ノトススタジオ

「どんとゆけ」

作・演出:畑澤聖悟
出演:田中耕一、三上陽永、小川ひかる、木村知子、佐藤宏之、工藤和嵯

「だけど涙が出ちゃう」

作・演出:工藤千夏
出演:各務立基、山藤貴子、天明留理子、畑澤聖悟、我満望美(Wキャスト)、三津谷友香(Wキャスト)