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Machicoが語る、”初めての経験”をたくさんした激動の1年間 アニメ主役や東京ドームのステージで開いた新たな扉

音楽

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リアルサウンド

 Machicoが、2ndアルバム『マチビトサガシ』をリリース。“RPG”をテーマに置いた同作には、人気アニメ『この素晴らしい世界に祝福を』シリーズや『りゅうおうのおしごと』タイアップソングをはじめ、多保孝一や睦月周平、分島花音、八王子Pらが提供したバラエティ豊かな新曲が収録された。

Machico アルバム『マチビトサガシ』ダイジェスト試聴

 2019年は自身名義の歌手活動のほか、『アイドルマスター ミリオンライブ!』伊吹翼役として東京ドーム(『バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル 』DAY1)のステージに立ち、声優としても現在放送中のアニメ『ライフル・イズ・ビューティフル』で主役を務めるなど、様々な方面で飛躍を見せるMachico。初めての経験を多くしたという2019年の活動を振り返りつつ、12月に控えるワンマン公演、歌手/声優としての今後について話を聞いた。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】

東京ドームが微妙なざわつきに包まれて……

Machico

ーー2019年のMachicoさんは、アーティストとしても声優としても精力的に活動されていましたね。

Machico:2019年はめちゃくちゃ充実していました! 前回インタビューしていただいた「1ミリ Symphony」では、自分のアーティストとしての夢のひとつだった「映画館で自分の曲がかかる」が実現しましたし、12月には初めて生バンドでワンマンライブを行います。声優としても、『ライフル・イズ・ビューティフル』という作品で初めて主役を担当できたことが、自分の中では大きい出来事でした。私は声優のお仕事を始めて7年目で、今までいろんな作品に関わらせていただいていますが、自分が作品をリードしていく立場としてイベントやラジオの現場を仕切らせていただくのは初めての経験で。

ーー『ライフル・イズ・ビューティフル』では、Machicoさん、熊田茜音さん、南 早紀さん、八巻アンナさんの主要キャスト4名でアニメ公認アイドルユニットのライフリング4を結成して、アニメの主題歌や劇中歌を担当されているほか、ライブ活動も行っています。

Machico:メンバーとはアフレコやライブのレッスンで一緒になることが多くて、時間があればみんなでご飯に行ったり、お互いの距離もどんどん近くなりました! メンバーの中にはまだ経験が浅い子もいるので、現場ではその子たちが少しでもやりやすい環境にするためにどうすればいいかをすごく考えるようになって。熊ちゃん(熊田)は何かあれば「Machicoさん、Machicoさん」って聞きに来てくれるので、私もうれしくなっちゃって。でも、自分の答えに自信がないから「私、二択で間違える系の女やけん、あんまり信頼せんといて」っていつも言ってます(笑)。

ーーまた、10月には音楽イベント『バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル 』DAY1にアイドルマスター 765 ミリオンスターズの一員として出演されて、東京ドームのステージに立ちました。

Machico:そうなんです! 私、とんでもないことをやってました(笑)。普段からキャラクターとしてステージに立つときはソロよりも緊張しないんですけど、さすがにあまりの大きさにビックリして。どうやったら(Machicoが『アイドルマスター ミリオンライブ!』で演じている)伊吹翼ちゃんの輝きをこの広い会場の隅々まで届けることができるかと思うと、自然と気持ちの入り方や振りの力のこめ方が強くなりました。ただ、パフォーマンスは頑張れたんですけど、MCで自分の記憶を飛ばしてしまいたいぐらいのことがありまして(苦笑)。

ーー何があったんですか?

Machico:衣装に球のような飾りがついていたんですけど、先輩の今井麻美さんから「この球にはすごく素敵なものが詰まっているんです。それは……何が出るの、Machico?」と急に振られてしまって、テンパり過ぎた私は「お、お、大きなお餅がでます!」ってしょうもないことを言ってしまって(笑)。あの音が大きく反響する東京ドームが微妙なざわつきに包まれて……そこから先のトークの記憶は全然ないし、あの空気は二度と感じたくないです(笑)。

「声優」と「歌手」のMachicoが同一人物であることを知ってほしい

ーーそういうお茶目なところもMachicoさんらしさと言いますか(笑)。そのように充実した活動を行うなか、ニューアルバム『マチビトサガシ』の制作も進めていたわけで。アルバムのリリースは前作『SOL』(2017年)以来、2年半ぶりになりますね。

Machico:『SOL』までは1年に1枚ぐらいのペースでリリースしていたので、私も意外と時間が空いていたことに後から気付いてびっくりしました。でも、その分、今回アルバムに初めて収録するシングル曲も多いですし、『このすば』(『この素晴らしい世界に祝福を!』)関係の曲もたくさん収録しているので、作品のファンの方にもオススメです。

ーーたしかに、全12曲中4曲が『このすば』とのタイアップ曲になります。それら既存曲を収録しつつアルバムとしてまとめるにあたって、今作ではどんなコンセプトを立てたのですか?

Machico:前作の『SOL』のときは、シングル曲の「fantastic dreamer」の印象から「Machico=爽やか」というイメージに合わせた路線の曲が多かったんですけど、今回は打ち合わせのときに私から「アルバムだからこそできる自分が好きな曲調の音楽をやりたいです」とお話させていただきまして。そこから新曲は私のリクエストを出来る限り汲み取ったものを作っていただけることになり、それらと既存の爽やか系の曲を一枚のアルバムとしてどうまとめるかを話し合うなかで、『このすば』はいわゆる冒険ものの作品なので、「RPG」というコンセプトでまとめることになりました。そこからざっくりとしたストーリーを考えたうえで、曲順や新曲の内容を決めていきました。

ーーそのストーリーというのは?

Machico:「騎士」と「お姫さま」の二人を軸にしたストーリーで、細かく聞かれると設定が崩壊するレベルなんですけど、大まかに説明すると二人が大変なことを乗り越えてハッピーエンドを迎える、みたいな流れです(笑)。アルバムのジャケットも「騎士」と「お姫さま」の二人のMachicoがいる設定で、既存曲もアルバムのストーリーに合わせた立ち位置を考えて、それぞれのシチュエーションに合わせた曲順に並べました。

ーーでは、新曲はその全体のストーリーありきで方向性を決めていったんですね。

Machico:そうです。それと今までは「どんな曲をやりたい?」と聞かれても、「ロックな曲がやりたいです」とか、漠然としたことしか答えられなかったんですけど、今回はロック系の曲が歌いたいにしても、私が今までの作品でお世話になっている睦月周平さんにお願いしたいです、と伝えるようにしました。ストーリー上、姫が闇落ちする曲は、私が楽曲の世界観やファッションが大好きな分島花音さんにリクエストしてみたり、ボカロみたいなキラキラしたかわいい曲も歌いたかったので、ボカロPさんにもお願いしたり。新曲の5曲はバラエティに富んでいて自分が好きな曲調ばかりなので、私の大好きを早くみんなに聴いてほしい気持ちでいっぱいです!

ーー加えて今回のアルバムはMachicoさんの歌の表情が多彩で、声優としてのキャリアもしっかりと踏まえた作品だと感じました。

Machico:うれしい! 今回の新曲に関しては、自分の中で「アニメで私のことを知ってくださった方に聴き馴染みのあるような声質で歌う」というテーマがあって、歌い方も5曲すべて変えてみました。私は今まで声優と歌手の活動を行ってきましたけど、そのふたつをリンクして知ってくださってる方が意外と少なくて。最近も『ライフル・イズ・ビューティフル』で「Machico、声優始めたんだ」っていう反応があったりするんです(笑)。それはもったいないことだと思いますし、ちゃんと「声優のMachico」と「歌手のMachico」が同一人物であることを知ってほしかったので、新曲は自分の中でキャラクター像を作って歌いました。なのでキャラソンっぽいところがあるかもしれないです。

「Lunar eclipse」が私の中で「姫の闇落ち」の曲

ーーでは、ここからはアルバムの楽曲のお話を収録順に、RPG風のストーリーを追いながら伺います。まず1曲目はTVアニメ『りゅうおうのおしごと!』のOPテーマに使用されたシングル曲「コレカラ」。これから冒険に旅立つ雰囲気があります。

Machico:まさにです! 「コレカラ」はこれからいろんなことが始まっていくワクワク感があるので、やっぱり1曲目しかないと思って置きました。歌詞にも〈伝説がついに動き出す明日へ〉とか、意外と冒険に当てはめられるものがたくさんあって。

ーー2曲目はゴリゴリのロックサウンドで攻める新曲「Zeal」。この曲は先ほどお話にあがった睦月周平さんが作編曲されていることもあり、個人的にはMachicoさんが『キラキラ☆プリキュアアラモード』の岬あやね役で歌ったキャラソン「Soul Believer」を思い出しました。

Machico:私も「Soul Believer」はすごく好きな曲調だし、『アイマス』でも「深層マーメイド」(伊吹翼×我那覇響の楽曲)を睦月さんが作ってくださって、ゴリゴリのロックのなかでも自分の声質に合うサウンドを作る方という印象があったので、ぜひ睦月さんにと思いまして。この曲は騎士が戦っている情景をイメージしていて、睦月さんにはロックな曲調とみんなが声を出せるパートがほしいというリクエストをしました。ライブではみんなが騎士の戦う力になる声援を送ってくれるとうれしいです!

ーーやはり歌うときは騎士をイメージしたのですか?

Machico:そうですね。この曲は自分のリミッターを外すことがいちばんのテーマでした。高音を出すところでは、声が枯れても裏返ってもいいから全力で一音にブチあてる! という感じで歌ったので、レコーディングのときは雄たけびを上げるように目をつぶりながら歌っていた気がします(笑)。

ーー3曲目の「Million Smile」はPS4/PS Vita向けゲーム『この素晴らしい世界に祝福を!-この欲深いゲームに審判を!-』のOPテーマで、『このすば』曲らしい爽快なアップチューンです。

Machico:これは「騎士と姫の二人が出会ってよかった! ランランラン!」っていう曲です(笑)。今まで接点のなかった二人が何かのきっかけで出会って、お互いの環境は違うけど、話していくうちにわかりあえる友達に巡り合えて、世界はにこやかだね、っていうイメージで置きました。

ーー次の「またあした」はPS4/PS Vita向けゲーム『この素晴らしい世界に祝福を! 〜希望の迷宮と集いし冒険者たち〜』のEDテーマですが、夕暮れの景色が浮かぶあたたかくも切ない曲調で、終わりっぽくもありますが。

Machico:この曲はどこに置いても終わりっぽくなるなるので、置き場所はめちゃくちゃ考えました。ただ、アルバムを締めくくる感じの終わりでもないので、ストーリー的には、騎士と姫の二人が出会った後に「明日からもよろしくね!」という感じで楽しい一日が終わった、という立ち位置の曲にしました。歌詞にも〈…あした何して遊ぼうかな?〉とあるので、これからの楽しい日々を想像しながらいい夢を見る曲ですね。

ーー続く新曲「きっとショコラ」は電ポルPことkoyoriさんが作詞・作曲した、〈あなた〉のためにショコラ作りをする女の子の心情を描いたかわいらしいナンバーです。

Machico:次の曲の「Lunar eclipse」が私の中で「姫の闇落ち」をイメージした曲なので(笑)、これはその前に姫のちょっと不安な気持ちを描くことで闇落ちの前兆を感じさせるような曲です。曲的には恋するかわいい感じもありますけど、自分の気持ちを出せないもやもやしてるところがあって、これから闇落ちする姫のかわいいところも出せたと思います。私、この曲がすっごく好きなんですよ。

ーー歌声には切なくも甘い雰囲気があって、すごくいじらしい雰囲気の曲ですね。

Machico:この曲はあまり力を入れずに歌うよう、ディレクターさんと話し合いながら組み立てていきました。歌詞もセリフみたいな感じなので、そういう意味では演技構成を考えるのと同じように向き合えましたし、今まではいかにパーンと声が通るかを意識しながら歌うことが多かったので、自分としてもこういう歌い方ができることは新発見でした。この曲は両想いでも片思いでも成立する内容になっているので……JKに聴いてほしいな(笑)。TikTokノリがすごく良さそうなので、バズってほしい! 

ーーたしかにTikTok映えしそう(笑)。そして「姫の闇落ち曲」こと「Lunar eclipse」は、分島花音さんが作詞・作曲されたゴシック調の妖しくもメルヘンチックな楽曲になりました。

Machico:いい意味で艶めかしくて、ちょっと不気味なところも覗く曲で、歌詞がついてないデモ状態の音源をいただいたときから、めっちゃ好みの曲! と思いました。私自身この曲を聴いた瞬間に月が頭に浮かんだし、実家で飼っているワンちゃんの名前がルナというので、この曲の歌詞にはどこかに「ルナ」の要素を入れてほしいなと思ったんですけど、それを分島さんにお伝えする前に届いた歌詞を見たら、題名からして「Lunar eclipse」だったので「え〜っ!」と思って(笑)。

ーー歌もどこかルナティックで妖しげな感じがあります。

Machico:この曲は譜面通りにピッチを合わせて歌ったら雰囲気が出ないと思ったので、音を伸ばす長短を自分で決めて、そのときの自分の感情に合わせてワンコーラスずつ何回も録って、そのなかから一番よいものを採用する方法をとりました。レコーディングのときも照明を出来る限り消して、暗闇っぽく雰囲気づくりをして。あとは渾身のラップ! 私が歌うなら色っぽさを出すよりも少女のお姫さまをイメージしたほうが不気味さが出ると思ったので、ラップのところも少女っぽく、吐息が多めでか細く歌うことを意識しました。

イントロで血しぶきがブチ上がるようなものを想像していた

ーーそこから一転、7曲目の「ギミー・ラブ」はストレートなロックンロール。

Machico:この曲は、闇落ちした姫に対して騎士が戸惑うことなく真っ直ぐぶつかっていく、「自分は君のこと好きだよ!もっと教えてよ!」という真っ直ぐさを表現してます。姫に手を差し伸べるような立ち位置の曲ですね。

ーーなるほど。既存曲もストーリーに合わせてうまく配置していますね。では次のシングル曲「1ミリ Symphony」は?

Machico:「ギミー・ラブ」で騎士から受け取った愛によって姫も立ち直りつつあるなか、いろんなことがあるけど、これからどんなことがあっても進んでいこう! という曲になります。ふたりの関係がより強いものになって、穏やかな時間を迎えたイメージです。

ーーそこから『この素晴らしい世界に祝福を! 〜希望の迷宮と集いし冒険者たち〜』のOPテーマ「STAND UP!」で二人は立ち上がるわけですね。

Machico:そうです。これはボス戦に向けての加速、不安に打ち勝つために力を合わせていくしかないよ! っていう気持ちをイメージしてます。

ーーということは、続くアルバムのリードトラックでもある新曲「Everlasting Glory」は、ラスボス戦をイメージした楽曲でしょうか。

Machico:この曲は「1ミリ Symphony」と同じ多保(孝一)さんが作ってくださって、私自身がマイナーコードの曲が好きなのと、アルバムのリード曲を作るにあたって今までの爽やか系とはガラッと変えた強いインパクトを持った曲を歌いたかったので、その2点を私からリクエストさせていただきました。最初はイントロで血しぶきがブチ上がるようなものを想像していたんですけど(笑)、多保さんは洋楽チックな曲調で表現してくださって、私もすぐにお気に入りになって。ただ、この曲はとにかく難しくて、特にサビのメロディの変化がすごいんですよ。すごく高音なので、声を全力で出したら裏返りやすかったり、あてたい音にあたらなかったりして。レコーディング当日も不安を抱えながら行ったんですけど、それが逆に必至感に繋がったり、歌詞的にも葛藤や不安に打ち勝っていく曲なので、結果的に命を削る系のボス曲にピッタリの曲になりました。

Machico / Everlasting Glory

ーーこの曲のMVには「騎士Machico」と「姫Machico」の両方が登場しますね。

Machico:今までのMVは青空の似合うようなロケーションが多かったんですけど、今回は植物や生命の存在を感じさせない廃墟のような場所で撮影しまして、二人の心の叫びを表すような映像にしていただきました。衣装はどちらもお気に入りで、MVをYouTubeに公開したときにファンの人に、騎士と姫のどっち派かを聞いたんですよ。でも、今のところ姫派を見た記憶がないぐらい騎士派の方ばかりで(笑)。だから私は姫派を探す旅に出なくちゃと思っています。

ーーいきなり新しい冒険が始まりました(笑)。

Machico:いや、この事態はおかしいんですよ! 普通は女性声優がいわゆる男装と姫の恰好をしたら絶対に姫派が多いはずじゃないですか。なのに「こんなにいないの?」と思うぐらい姫派がいなくて(笑)。MVの撮影では、姫は育ちがいいだろうから姿勢にも重きを置いて、気持ち的にはピーチ姫みたいな感じで動いたので(笑)、見てもらえるとうれしいです。

人と人の関係は互いに持っていないところを補っていくこと

ーーそして11曲目、新曲の「ピンクトルマリン」は八王子Pさんが作編曲したアッパーなエレクトロポップ。

Machico:八王子Pさんは、私が天津向さんとやっているラジオ番組(『アニコロ!』)にゲストで来てくださって、そのときに新しいミニアルバム(『GRAPHIX』)をいただいたので聴いたら、あらためて「めちゃめちゃ良い!」と思ったので、お話をさせていただいて。この曲は騎士と姫がすべての悩みから解放された、清々しい気持ちをイメージしてます。ひとつの出来事を乗り越えたあとの絆はさらに深いものになっているはずなので。

ーー作詞はMachicoさんご自身が担当していますが、どんな思いを込めましたか?

Machico:アルバムタイトルの『マチビトサガシ』は、おみくじでよく見る「待ち人」のことで、その言葉の意味を調べたら「自分の人生にいいきっかけをくれる人」「導いてくれる人」のことを指すみたいなんです。「ピンクトルマリン」の歌詞にはそこに込めた想いも詰め込んでいて、騎士と姫はまさにお互いを導いてくれる待ち人だし、私にとって姫というのは、『天空の城ラピュタ』の飛行石みたいに何か石を持っているイメ—ジがあるので(笑)、『マチビトサガシ』の世界の姫もきっと希望に満ち溢れた石を持ってるんじゃないかと連想して、パワーストーンのことを調べてるうちに、このピンクトルマリンという石のことを知ったんです。この石には、新しい一歩踏み出す時に感じるためらいやマイナスな気持ちを取り除いてくれる効果があると言われていて。それは私が『マチビトサガシ』に込めた意味合いにもリンクするし、音の響きもかわいくて気になる言葉だと思うので、絶対にこれをキーワードにしようと思って書きました。

ーー歌詞からはネガティブな感情を吹き飛ばそうとするような部分も感じられて、そこはMachicoさん自身の気持ちも反映されているのかなと思いました。

Machico:そうですね。明るいばかりではなく、ちゃんと悩んでもいるよっていう。人と人が関係を築いていくのは、それぞれが持っていないところを補っていくことだと思うので、そういう部分もちょっと出したくて。自分一人だと見ることのできなかった世界も、誰かと出会うことで広がったり、その人といるだけで未来の自分を想像できてワクワクすることもあるだろうから、そういう気持ちを入れ込みました。

ーーまさに「待ち人」ですね。それこそMachicoさんも本作を通じて様々なクリエイターとの縁ができて、自分の音楽世界を広げることができて。『マチビトサガシ』というタイトルはMachicoさん自身のキャリアや活動の軌跡を象徴しているようにも感じます。

Machico:たしかに! 私は本当に友達にも同期にも先輩にも作品にも恵まれていて、それだけは自分の人生の自慢なんです。このアルバムもファンの方はもちろん、いろんな大人の人にも聴いてほしくて。私は今、爽やか系の歌を歌うイメージが強いと思うので、「Machicoはこういう曲も歌えますよ!」っていう、新しい出会いのきっかけになればと思います。

ーーそして最後の12曲目は、多保さん提供の「Do You Believe in Magic?」。マーチング風のリズムと洋楽ポップスに通じるモダンなサウンドで、この先の希望ある未来を感じさせるような終わりを迎えます。

Machico:これはもう大団円、完全なるエンディングです! この曲はそもそも『このすば』の映画のテーマソング候補として作られた曲で、私自身もすごくキラキラした気持ちになれる、笑顔で終われるような素敵な曲だと思っていたので、このアルバムを締めくくるのはこの曲しかないだろうと。「コレカラ」と「Do You Believe in Magic?」の位置については最初から決まっていました。

生バンドライブで殻が破れたら

ーー12月14日には本作を携えてのワンマンライブ『Machico Live 2019「Symphonic Session」』を控えていますが、多彩なサウンドの楽曲が収められているだけに、生バンド編成のライブではどんな形になるのかも楽しみなところです。

Machico そうですよねー。私としてはみんなに楽しんでもらえるようなものを作りたくて、まだ確定ではないですけど踊りも入れてみたいですし、バンドのロックな部分を見せながら、かわいさとかもいい感じに見せられたらなと思ってセットリストを考えています。いわゆるフェス系のイベントで歌っている定番の曲も積極的に歌うつもりなので、新規の方もあまり構えずに楽しめるようなライブにしたいですし、ブロックごとに構成を分けて、ちゃんと緩急をつけて、見ている人が今どう楽しんだらいいのか、わかりやすいものにしたいなと思います。

ーーちなみに、Machicoさんは個人的にどういうライブを見ていいなあと思いますか?

Machico:May’nさんのライブは曲調によって雰囲気がガラッと変わって、かっこいいところは突き抜けてかっこいいですし、かわいいところもがーっと出されるので、ライブ中に人となりも知ることができて、すごく素敵なライブだなあと思います。MCにしてもいい言葉だけで固めるのではなくて、やっぱりその人の素が見える瞬間があったらもっと聞きたいと思いますし、そういうのが何度聴いても曲の表情が変わるワクワクにも繋がると思います。歌もパフォーマンスも完璧であることはもちろんですけど、そこにプラスアルファがしっかり見えてる人のライブが好きですね。

ーーMachicoさんも「球からお餅」のお話を聞くに、ちゃんと人となりの見えるライブをされてるじゃないですか。

Machico 忘れかけていたのに!(笑)。こないだの『ANIMAX MUSIX 2019 KOBE』でも間違えちゃったんです。コール&レスポンスで「神戸牛!」って言おうと思ったら「松坂〜!」って言ってしまって(笑)。

ーー『ANIMAX MUSIX 2019 KOBE』でもバンドをバックに歌われましたが、やはり生バンドでのライブは普段と違いますか?

Machico:一緒に奏でている感じが強いですし、やっぱり気持ち的に違いますね。あとはギターソロで絡みに行けますし(笑)。でも、私はそういうのに慣れてないので、(ギタリストに)近づかないまま視線を送るぐらいしかできなかったんです。今回はリハとかもたくさんやって距離感をどんどん縮められると思うので、ギターソロのときに絡みに行くのが私の夢です。

ーーMachicoさんの事務所の同期だと、田所あずささんは「あずさ2号」というバックバンドもいて、そういうパフォーマンスが様になってますよね。

Machico ねー! あずあず(田所)は日頃は控えめな感じなのに、ステージではめっちゃ開放感とともに歌っているので、いつも「えっ、どういうこと?」ってなっちゃいます(笑)。でも、彼女は彼女なりにいろんな方のライブ映像を観て努力してきたところを私も見てきたので。私は性格的にどこか熱しきらなくて、冷静になってしまう瞬間があるんですよ。私がノリノリでギターの人のところに近づいたら、「えっ、こいつなんなん?」って思うんじゃないかとか(笑)。私は周りは全然気にしてないことを気にしちゃうタイプなので、いつまでも恥ずかしがらずに、今回の生バンドライブでそういう殻が破れたらと思います!

(取材・文=流星さとる/写真=稲垣謙一)

■リリース情報
Machico『マチビトサガシ』
【初回限定盤】CD+Blu-ray ¥4,000+税
【通常盤】¥3,000+税

<CD収録内容>
01.コレカラ<TVアニメ「りゅうおうのおしごと!」オープニング・テーマ>
作詞:森由里子 作曲・編曲:馬渕直純.
02.Zeal(※新曲)
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:睦月周平
03.Million Smile<PlayStation(R)4、PlayStation(R)Vita 用ADVゲーム「この素晴らしい世界に祝福を!‐この欲深いゲームに審判を!‐」オープニング・テーマ>
作詞・作曲・編曲:園田智也
04.またあした<PlayStation(R)4、PlayStation(R)Vita 用ADVゲーム「この素晴らしい世界に祝福を! ~希望の迷宮と集いし冒険者たち~」エンディング・テーマ>
作詞:Mitsu(TRYTONELABO) 作曲・編曲:内海孝彰(TRYTONELABO)
05.きっとショコラ(※新曲)
作詞・作曲:koyori 編曲:ELS
06.Lunar eclipse(※新曲)
作詞・作曲:分島花音 編曲:千葉 “naotyu-” 直樹
07.ギミー・ラブ
作詞:eNu 作曲・編曲:馬渕直純
08. 1ミリ Symphony<「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」テーマソング>
作詞:高橋久美子、多保孝一 作曲・編曲:多保孝一、UTA
09.STAND UP!<PlayStation(R)4、PlayStation(R)Vita 用ADVゲーム「この素晴らしい世界に祝福を! ~希望の迷宮と集いし冒険者たち~」オープニング・テーマ>
作詞:桜アス恵(TRYTONELABO) 作曲・編曲:岡野裕次郎(TRYTONELABO)
10. Everlasting Glory(※新曲)
作詞:Sally#Cinnamon (Heavenstamp) 作曲・編曲:多保孝一、D&H
11.ピンクトルマリン(※新曲) 
作詞:Machico 作曲・編曲:八王子P
12.Do You Believe in Magic?
作詞:高橋久美子 作曲:多保孝一 編曲:多保孝一、D&H

<Blu-ray収録予定>
・「Everlasting Glory」MV
・「Everlasting Glory」メイキング映像
・コレカラ MV
・1ミリ Symphony MV

<購入者特典>
【オリジナル特典対象店舗】
アニメイト:複製サイン&コメント入りブロマイド2枚セット
ゲーマーズ:複製サイン&コメント入りブロマイド2枚セット
とらのあな:複製サイン&コメント入りブロマイド2枚セット
ソフマップ:複製サイン&コメント入りブロマイド
タワーレコード:複製サイン&コメント入りブロマイド
HMV:複製サイン&コメント入りブロマイド
TSUTAYA: 複製サイン&コメント入りブロマイド
ネオ・ウィング:複製サイン&コメント入りブロマイド
コロムビアミュージックショップ:複製サイン&コメント入りブロマイド
その他拠点店:複製サイン&コメント入りブロマイド
アマゾン:デカジャケ(初回限定盤と通常盤の絵柄は異なります)

特典絵柄はこちら
※特典は先着順、無くなり次第終了。
※一部取扱いの無い店舗あり。

■イベント情報
池袋サンシャインシティ 噴水広場
2019年11月13日(水)18:30~ ミニライブ&ハイタッチ会
キャナルシティ博多 B1F サンプラザステージ
2019年11月24日(日)13:00~ ミニライブ&CDジャケットサイン会

インストアイベント
愛知
11月16日(土)13:00~ 
名古屋 第3太閤ビル
内容:ミニライブ&ジェンガ会
11月16日(土)16:00~ 
とらのあな名古屋店 イベントスペース 
内容:ミニライブ&Machico危機一髪会

広島
11月23日(土)13:00~ タワーレコード広島店
内容:ミニライブ&Machico危機一髪会
11月23日(土)16:00~ アニメイト広島店
内容:ミニライブ&CDジャケットサイン会

福岡
11月24日(日)16:30~ HMV&BOOKS HAKATA 
内容:ミニライブ&Machico危機一髪会

東京
12月1日(日)13:00~ AKIHABARAゲーマーズ本店 6F 
内容:ミニライブ&Machico危機一髪会

12月1日(日)16:00~ とらのあな秋葉原店C 5Fイベントスペース 
内容:ミニライブ&ジェンガ会

大阪
12月8日(日)13:00~ 大阪日本橋animateO.N.SQUARE HALL3F 
内容:ミニライブ&Machico危機一髪会
12月8日(日)16:00~ ゲーマーズなんば店 
内容:ミニライブ&ジェンガ会

※その他、イベント参加方法などの詳細はこちら

■ライブ情報
『Machico Live 2019「Symphonic Session」』
日時:2019年12月14日(土)開場17:00/開演17:30
会場:duo MUSIC EXCHANGE
料金:5,800円(オールスタンディング・税込・整理番号有)
チケット一般発中
※3歳以上有料(3歳未満入場不可)
※ドリンク代別途(アルコールの販売はございません)
※女子エリア有り
※参加規約有り
問い合わせ先:ホットスタッフ・プロモーション TEL:03-5720-9999(平日12:00~18:00)

■関連リンク
Machico Official Music Information Site
MachicoオフィシャルHP
Machico公式Twitter

サイン入りチェキプレゼント

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応募方法

リアルサウンドの公式Twitterをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

リアルサウンド 公式Twitter

<応募締切>
2019年12月3日(火)まで