5大スター絵師が夢の競演! 『大浮世絵展』江戸東京博物館で開催
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『大浮世絵展』
浮世絵の人気絵師5人にフォーカスした『大浮世絵展 — 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』が、東京都江戸東京博物館で11月19日(火)に開幕。2020年1月19日(日)の会期終了後は、福岡市美術館(1/28〜3/22)、愛知県美術館(4/3〜5/31)に巡回する予定だ。
国内外で最も人気のある浮世絵師といえば、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳。この5人こそ、浮世絵の歴史に燦然と輝くスター中のスターといえる。
17世紀、戦国の乱世が終わった太平の世に生まれた “浮世絵”。錦絵と呼ばれるカラフルな多色刷り版画が花開いた18世紀後半に浮世絵は黄金期を迎える。その後、歌麿、写楽、北斎、広重、国芳といった浮世絵師が登場し、浮世絵に大きな変革をもたらした。
同展では、そんな彼らの代表作を3会場合わせて366点紹介。歌麿は美人画、写楽は役者絵、北斎と広重は風景画と花鳥画、そして国芳は武者絵と戯画と、各絵師のエッセンスが凝縮された傑作の数々が一堂に集結する。
第1章は喜多川歌麿の美人画からスタート。遊女や茶屋の看板娘から、市井で生きる女性まで、その表情やしぐさに現れる女性の微妙な心情まで描き分ける表現の巧みさに注目したい。
続く東洲斎写楽のセクションでは、役者の顔の特徴を誇張させつつ、役柄の性格的要素も加えて描き出すユニークな役者絵に焦点を当てて紹介する。
第3章で紹介する葛飾北斎は、90歳まで作画し続け、幅広いジャンルで膨大な数の作品を残した大巨匠。ここでは、その中でも北斎が頂点を極めたともいえる風景画が花鳥画にフォーカスし、多くの人の記憶に残っている「冨嶽三十六景」シリーズの《神奈川沖浪裏(大波)》《凱風快晴(赤富士)》をはじめ、「千絵の海」「諸国瀧廻り」シリーズの作品などが並ぶ。
第4章の歌川広重は、各地の名所や宿場の風景を、情緒的で風情ある図に仕立てる名人。寂寥とした雪景色を描いた《東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪》や、大胆な構図に注目したゴッホが模写したことで知られる《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》などが紹介される。
そして、武者絵や戯画で知られる歌川国芳といえば、骸骨の妖怪と戦う《相馬の古内裏》や《宮本武蔵の鯨退治》など、大迫力のワイド画面の作品を堪能したい。
浮世絵は保存状況によって、作品状態に大きな差が出るもの。同展では、国際浮世絵学会の監修のもと国内外の優品ばかりを集めているので、浮世絵本来の鮮やかさが堪能できるはず。5人の絵師の個性の違いや、版元や刷りの違いなどにも注目しながら、浮世絵の世界を存分に楽しんでほしい。
【開催情報】
『大浮世絵展 — 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』
2020年1月19日(日)まで江戸東京博物館にて開催
【関連リンク】『大浮世絵展 — 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』
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