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TWICE、最新作『&TWICE』野心的な作風の意味 “世界No.1ガールズグループ”への大きな一歩となるか

音楽

ニュース

リアルサウンド

 “いい音楽で1度、素晴らしいパフォーマンスで2度魅了させる”というコンセプトで大きな成功を収めたアジア発のガールズグループ・TWICEが、2019年11月20日に日本2ndアルバム『&TWICE(アンド トゥワイス)』をリリースした。

(関連:TWICE、『Feel Special』は現在の立ち位置を確かめる一枚に 作品に込められた熱い思い

 アルバムのタイトルはオフィシャルの資料によると、「&」の前を空白にすることで無限の可能性とコラボできるということ、そしてこの作品に出会ってくれた世界中のすべての人にも無限の可能性があることを伝え続けたいという意味だそうだ。さらに「いつもTWICEと一緒」というファンへの想いも込められており、ONCE(TWICEのファンの総称)はそのメッセージだけで胸がいっぱいになるかもしれない。

 「HAPPY HAPPY」などのシングル曲とともに日本オリジナルの新曲を多数収録した本作は、TWICEの新たな魅力が満載だ。キュート、アクティブ、健康的といったイメージを基本にしたサウンドとビジュアルで大ブレイクを果たした彼女たちは、今年に入ってから徐々に違った表情を見せ始めているのはご存じの通り。日本で5枚目となるシングル曲「Breakthrough」では、どんなに高い壁も乗り越える覚悟で限界を突破しようと力強く歌いあげ、韓国での最新ヒット曲「Feel Special」では「君がいるから私はまた笑うよ」と、クールに装いながらも聴き手を温かく包み込む。いずれもそれまでにあまりなかったアプローチだ。

 新作『&TWICE』は、すでに出来上がった成功の法則に頼ることなく新たなフェーズに進もうというグループの強い意志がいたるところから読み取れる。最たる例がアルバムリリースに先立って公開されたリードトラック「Fake & True」だろう。ディープハウス風のサウンドをバックに、偽っていた部分を壊して自分のありのままを出して歩んでいこうという前向きな歌詞は「Breakthrough」の延長線上にあるが、さらにメッセージ性を高めた仕上がりとなっている。

 オリジナルとしては初めてとなる英語詞の曲にチャレンジしているのも注目すべきポイントだ。「What You Waiting For」は「何をためらっているの? ひとりじゃないってわかってね」と歌うシックなナンバーだが、それはファンに向けているようでいて、実は自分たちを勇気付けているようにも感じられるのが興味深い。

 サウンド面ではどうだろうか。TWICEと言えば、チアリーディング風のかけ声が入る元気いっぱいのダンスポップが最大のセールスポイント。そういうイメージを抱く人がおそらくほとんどだろう。ところが本作は少し様子が異なる。「Be OK」はこれまで以上にアグレッシブだ。無機質なコーラスワークでスタートするこの曲は、トラップを取り入れたエッジの利いたサウンドがこれでもかと押し寄せてくる。

 チェヨンが曲作りに関わった「How u doin’」も大きな話題を集めそうだ。日本の作品では初めてメンバーが作詞に参加し、TWICEのナンバーで「作曲」の欄にメンバーの名前がクレジットされるのは初となる同曲は、別れをテーマにしたもの。チェヨンは「TWICEの曲には明るい恋の歌が多いので、悲しい別れの曲も書いてみたいと思った」(参考:TWICE、日本2ndアルバム『&TWICE』発売 チェヨンが初の作詞作曲に参加した楽曲も/リアルサウンド)という。しかしながら、最初から最後までどこかポジティブなオーラを放っているところにグループらしさがあらわれている。チェヨンはソングライターとしてもかなり才能がありそうだ。

 このように『&TWICE』は、いたるところに今までにないTWICEが感じられる。それは何を意味するのだろうか。自分たちをずっと支えてくれたファンや従来のイメージを大切にしながら、新たな方向性を見つけようとするメンバーたち。目指しているのはより多くの支持を得ること、つまりワールドワイドな成功に違いない。これはアルバムタイトルに込められたメッセージを世界中のすべてのリスナーに向けて発信していることからも明らかだ。“アジアNo.1ガールズグループ”から“世界No.1ガールズグループ”へ。本作はその大きな一歩となるに違いない。(まつもとたくお)