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『i-新聞記者ドキュメント-』森達也監督が「共感シアター」に登場、フリーアナ笠井信輔氏と議論交わす

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笠井信輔、森達也

東京新聞社会部記者・望月衣塑子氏に密着したドキュメンタリー映画『i-新聞記者ドキュメント-』の公開を記念し、11月21日にネット生放送番組「共感シアター」で「気になって仕方ない!!『i-新聞記者ドキュメント-』トークNIGHT!」と題した特別プログラムが配信された。メガホンをとった森達也監督、フリーアナウンサーの笠井信輔氏が出席し、作品が突きつけるメッセージについて議論を交わした。

オウム真理教を題材にした『A』や、ゴーストライター騒動の佐村河内守を題材にした『FAKE』などの作品で、一方的なメディアの報道のあり方に疑問を投げかけてきた森監督が、官邸記者クラブで孤軍奮闘する望月記者を追う中で、日本社会が抱える問題点を浮き彫りにしていく。

望月記者はシム・ウンギョンと松坂桃李が主演した映画『新聞記者』のモデルになった人物でもあり、森監督は「当初は映画版を撮る予定だった」と明かし、「フィクションでも実名でやろうかなと。でもそれだと(話が)膨らまなくなるから」。結果的にドキュメンタリーに専念することになり、「特に設計図もなく、撮りながら手探りで考えていった」と振り返った。

取材対象となった望月記者については「人の3倍、いや5倍は早く動いてしゃべって食べて……。100%のすばらしい記者じゃないが、欠点や過剰さといったマイナスを超えるプラスがある」と分析し、「そのプラスとは、記者として当たり前のことをやっているということ。なぜ、その当たり前がプラスになってしまうのか」と問題提起。ドキュメンタリーの中立性は「幻想」と断言し、「政権批判の映画ではない。啓蒙、啓発の気持ちはほとんどないですね。映画に不純なものは入れたくない」と話していた。

笠井氏はフジテレビを退社したばかりで、「望月さんの取材スタイルを見ているうちに、テレビや記者クラブがこれで本当にいいのかなと思った。(マスコミ業界を)知っている自分がそう思うのだから、ご覧になる多くの皆さんは衝撃を受けると思う。相当面白かった」と独自の目線で絶賛した。本作は先日閉幕した第32回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門の作品賞を受賞。笠井氏は授賞式の総合司会を務めており、「政治から切り離された映画祭なんだと表明されたと思った」と受賞の意義を語った。

取材・文・写真:内田 涼

『i-新聞記者ドキュメント-』
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