ベートーヴェン・イヤーを飾る至福の企画発表! リフシッツ・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏会
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コンスタンチン・リフシッツ (c)N.Ikegami
2020年はベートーヴェン生誕250年のメモリアルイヤー。クラシック界はベートーヴェンを中心に展開されることが予想される中、また1つ素晴らしいコンサート企画が発表された。「首都圏8館共同制作 コンスタンチン・リフシッツ ベートーヴェンへの旅」と第されたこの企画は、よこすか芸術劇場、神奈川県立音楽堂、フィリアホール、狛江エコルマホール、武蔵野市民文化会館、東京文化会館、所沢ミューズアークホール、ウェスタ川越の首都圏8ホールが力を合わせて、リフシッツのベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会を盛り上げるという点がとても興味深い。
ベートーヴェンの全32曲のピアノ・ソナタは、“クラシック音楽の新約聖書(バッハの平均律クラヴィーア曲集が旧約聖書)にも例えられる名作中の名作だ。それを1人の優れたピアニストによる演奏で一気に聴き通す楽しみは、まさにベートーヴェン・イヤーならではの贅沢。さらには、ホールの違いによる印象の変化にも注目したい。余計なお世話ながら、32曲を8ホールで分け合う相談はさぞかし大変だったに違いない。「『月光』『悲愴』『熱情』の3大ソナタの1つは是非うちのホールに!」などといった議論がなされたことだろう。リフシッツの素晴らしい演奏とともに、各ホールの熱意が伝わる素敵な盛り上げにも期待したい。
*公演特設サイト https://www.japanarts.co.jp/Lifschitz2020/
●リフシッツからのメッセージ
この巨大なプロジェクトが実現できることに感謝したいと思います。今回ピアノ・ソナタ全集のCDを発売いたしますが、これを完成させることは簡単ではありませんでした。ベートーヴェン・ツィクルス自体は、これまでスイス、台湾、香港で行なっており、この春いよいよ、日本で実現するわけですが、今後はぜひ世界のほかの街でもベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を演奏していければ良いと思っています。
ベートーヴェンの作品は人々に愛されています。彼の作品はただ単に素晴らしいだけではなく、他の作曲家以上に心から心、人から人へと繋げられる作品ばかりなので、皆さまにはこれらを心にとどめて聴いていただきたいと思っています。
この32曲のソナタは、彼の交響曲のように、“ソナタ集”という1つのジャンルとして確立されています。これまでのツィクルスでは、1つのホールと1台のピアノで順番に演奏をして参りました。今回は題名のついたソナタをメインに置き、共通性のある曲をつけてプログラミングした初めての試みです。
来年の春の日本公演では、全8館、8つの街をクルーズし、ベートーヴェンの宇宙を感じていただきたいと思います。
●ベートーヴェン生誕250周年記念 首都圏8館共同制作
コンスタンチン・リフシッツ(ピアノ) ベートーヴェンの旅 ピアノ・ソナタ全32曲演奏会
Vol.1「ワルトシュタイン」 4月25日(土)15:00 よこすか芸術劇場
Vol.2「悲愴」 4月26日(日)15:00 神奈川県立音楽堂
Vol.3「熱情」 4月29日(水・祝)14:00 フィリアホール
Vol.4「テンペスト」 5月2日(土)15:00 狛江エコルマホール
Vol.5「月光」 5月3日(日・祝)18:30 武蔵野市民文化会館 小ホール
Vol.6「告別」5月4日(月・祝)14:00 東京文化会館 小ホール
Vol.7「ハンマークラヴィーア」5月6日(水・休)15:00 所沢ミューズ アークホール
Vol.8「最後のピアノ・ソナタ」5月8日(金)19:00 ウェスタ川越 大ホール
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