Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > kolme KOUMI×Da-iCE 工藤大輝が語り合う、ダンス&楽曲制作のプロセスとセルフプロデュースの重要性

kolme KOUMI×Da-iCE 工藤大輝が語り合う、ダンス&楽曲制作のプロセスとセルフプロデュースの重要性

音楽

ニュース

リアルサウンド

 kolmeのメンバーがアーティスト/クリエイターと楽曲制作やパフォーマンスについて語り合う対談連載。第4回目はkolmeで振り付けを担当しているKOUMIをフィーチャーし、最新アルバム『Do you know kolme?』の収録曲「Repeat」でコライトしているDa-iCEの工藤大輝を迎えての対談をお届けする。

kolme / Remind me…

 お互いにダンス&ボーカルグループとして活動し、セルフプロデュース力にも長けた両グループ。「Repeat」の制作秘話から、ダンス/楽曲制作といったクリエイティブのプロセスやダンスの原体験など、同じジャンルで活動する先輩・後輩にあたる両者ならではのトークを展開した(編集部)

kolmeはヨーロッパでウケそうなサウンド

左から工藤大輝、KOUMI

ーーお二人の最初の出会いというと……?

工藤大輝(以下、工藤):僕のラジオ『TALK ABOUT』(TBSラジオ)に出ていただいたのが初対面でしたよね。

KOUMI:工藤さんは私たちの前のグループの時代から楽曲を聴いてくださっていて、kolmeになってからやっとお会いすることができたんです。

工藤:初期の曲だと「To shine」(callme名義のデビュー曲)がすごく好きで、ライブも観に行っていたんですよ。でもお会いするのは今日で2回目なんですよね。一緒に曲を作っているのに(笑)。

ーー工藤さんは連載コラム(【月イチ連載コラム:工藤大輝と偶像音楽論(通算 第29回)】)でもkolmeを絶賛されていましたが、改めてお互いのグループについてどういう印象を持っていますか?

工藤:コラムでも書きましたけど、kolmeはまず曲がすごくいいというのと、感触としてヨーロッパの人たちにウケそうなサウンドだなと思っていました。僕はよく北欧に行って曲を作るのですが、現地のサウンドにも近いような……ざっくりですがUSではなくUKの方向性で、いわゆるダンス&ボーカルグループにはあまりいないタイプですよね。ダンス&ボーカルグループってサウンドもパフォーマンスもUSっぽい方向に行きがちですけど、個人的にはそうではない方が好きで、そんな空気感をkolmeには感じていました。

KOUMI:私は先日、Da-iCEさんのツアーの仙台公演を観に行かせていただいたんですよ。生で初めて拝見したんですけど、すぐファンになっちゃいました(笑)。行く前に予習で曲を聴いた時からかっこいいなと思っていましたけど、ライブのあとにも「あの曲よかったな……」ってリピートするくらい、楽曲もパフォーマンスもトータルで好きだった曲があって。

工藤:嬉しい! どの曲だろう?

KOUMI:「FAKE ME FAKE ME OUT」です。s**t kingz(略称:シッキン)さんの振付もかっこよくて。

Da-iCE -「FAKE ME FAKE ME OUT」Official Dance Practice

工藤:初めてシッキンの4人に振付してもらったんですけど、今の僕らの中でも一番ピークのパフォーマンスが見せられる曲ですね。

KOUMI:ライブの歌もダンスも完璧すぎたから、逆に欠点を探そうとちょっと意地悪な見方もしてみたんですけど、見つからなかったですね(笑)。 メンバー一人ひとりのキャラもすごく立ってると思ったし、「そりゃみんな好きになるわ!」って。

ーー今回の対談のお題は“ダンス”なんですが、工藤さんはDa-iCEのリーダーでありパフォーマー、KOUMIさんもグループでは振付をメインに手掛けられているということなので、まず振付や構成のこだわりを聞きたいです。

KOUMI:この2グループだとジャンルがけっこう違いますよね。Da-iCEさんはトレンドを意識した振りが多いなと思います。kolmeはそれぞれダンスの練習は重ねてきましたけど、まずは“3人の動きを揃える”というのを一番大事にしています。

工藤:3人ともマイクを持つから、大変じゃないですか?

KOUMI:そうですね、みんな左手が使えないので、片手で表現できる最大限の振付を、というのがkolmeの課題ではあります。Da-iCEさんのライブを観て、5人いたらいろいろ振りや構成でも遊べるしいいなあと思ったんですよ。

工藤:2対3に分かれて踊ったりとかもできますしね。でもさっきおっしゃったように、kolmeはユニゾンで踊ってる時の雰囲気がすごくいいなと思います。どんな流れで毎回振りや構成を作るんですか?

KOUMI:まず曲が上がったら、Team Black Starzというサラリーマン集団のダンサーズのリーダーとディスカッションしながら作っていきます。構成も一緒にスタジオに入った流れで作り始めるんですけど、その場に3人いたほうが話が早いことが多いので、最終的には3人でスタジオに入ったときに固まることが多いですね。Da-iCEさんは振付師の方が全部作ってこられるんですか?

工藤:そのパターンが多いですね。おまかせする代わりに、どんなに難しい振付が来ても文句は言わない(笑)。自分が作った曲だったら、「ここはみんなで盛り上がる感じにしたい」とか、要望みたいなものを先に伝えることはありますけど。たまにすごく難しいのが来て「いやいや、これどうするよ?」「この移動、無理じゃない?」とか頭を抱えることもあります(笑)。

KOUMI:さっき言った「FAKE ME FAKE ME OUT」のマイクスタンドをくぐったりするのとかすごく面白いアイデアだなと思ったんですけど、あれはどんな感じで出来上がってきたんですか?

工藤:僕らのこれまでの楽曲にもマイクスタンドを使った振付があって、それもシッキンのOguriくんが作ってくれたものだったんですよ。ということは、この曲は絶対普通の振付にならないだろうなと思っていたら、案の定そうで。シッキンメンバーが踊ってくれたのを見て「すごいな、これ自分たちで踊るんだ……」って途方に暮れながら振り落とししてもらった記憶あります。現状の僕らのレパートリーでは、あの曲が一番大変。

KOUMI:その“大変”を毎回更新していくんですね。kolmeはヒールで踊っているので、そこも考えないといけないんです。かかとが高い分、瞬時に移動するみたいなムーブが難しいというのもあるので、そういうところも考えながら作っていきます。

ーーkolmeのダンスは衣装も含めてですけど、体のラインがきれいに見えるように計算されている感じがします。

KOUMI:確かに、女性の武器を活かした振りというのをいつも考えていますね。もうアルバムの楽曲の振り付けが始まっているんですけど、そこでもいろいろとアイデアを盛り込んでいこうと思っていて。

工藤:kolmeは女性らしい振りが多いイメージがあります。ヒップホップも好きですけど、バキバキに踊って「どや!」ってされるよりはしなやかに魅せてくれるあの感じが素敵だと思っていて。

ゲームから新しいボキャブラリーを仕入れることが多い

ーーニューアルバムの話題が出たので、コライト曲「Repeat」の制作の裏側についても聞きたいところです。

KOUMI:すごいスピードで作ってくださったんですよ。

工藤:トラックをいただいた時点でこうしたいという具体的なイメージが湧いたんですよね。今回、まずkolmeのこれまでの楽曲たちを、特に歌詞に注目して「どういう傾向があるんだろう?」と聴いてみたんです。最初は「恋愛をテーマにした曲がいいのかな?」と思って書き始めたんですけど、前にラジオに出ていただいたときに、MIMORIさんが「恋愛とかよくわからない」って言っていた記憶があって……。

KOUMI:MIMORIちゃんはいまだにそうですね。

工藤:それだと恋愛をテーマにするのは、リアリティがないかもなと。みなさんで楽曲を作ったりされているから、そういう3人の日常を反映するような感じの歌詞にシフトしていきました。

KOUMI:kolmeには今までなかった視点の歌詞だったので、すごく新鮮でした。深読みしないとわからないような言葉のチョイスが面白いと思って。たとえば〈いつだって前触れのない感傷に浸り/過去と未来とで今をブレンドしている〉とかは、私たち3人からは出てこない単語の組み合わせ方だと思いますし。

工藤:たとえば海外のR&Bの楽曲とかだと恋愛ソングやライフソングみたいなストレートな歌詞が多くて、それはそれで好きなんですけど。日本語の歌詞は比喩のパターンが豊富で、深読みできるのが楽しかったりする。なのであえて日本語をそういう風に組み合わせて、すんなり聴けるんだけど「この歌詞、何のことをいってるんだろう?」って思わせるほうが、繰り返し聴いてもらえるんじゃないかなって。僕自身もそういう歌詞の曲をよく聴くし、「書いてる人はきっとこういうこと考えてるんだろうな」って考えながら聴くのが好きだから。

KOUMI:歌詞のインスピレーションは何から受けることが多いんですか? 小説読んだり、映画見たりとか?

工藤:小説はほとんど読まないです。僕はゲームで育ったんで、ゲームから新しいボキャブラリーを仕入れることが多いですね。難しい漢字を使う言葉とか、だいたいRPGで覚えたと思います。映画はたまに見ますけど、アニメのほうが見ている時間が長いかな。

KOUMI:工藤さんはうちのMIMORIさんとちょっと似てるんですよ。前に番組に出させていただいたときも、2人が意気投合してて、リーダーと私はちょっと理解できなくて(笑)。

工藤:マニアック志向なんですかね。でもMIMORIさんのそういうところがkolmeさんの作品に活きてるのかなって思うんですけど。

ーー「Repeat」の振付はもう固まったんですか?

KOUMI:アルバムの曲はまだ振り付けがスタートしたばかりでまだなんですよ。ただ、これまでの私たちにはないタイプの素敵な曲に仕上がったので、その魅力を活かせるように振付も新しい方にお願いしようと思っています。

工藤:楽しみです! ダンスで音取りしやすいように作ってあるので。音ハメしやすいほうがよくないですか?

KOUMI:ありがたいです。年末からのツアーで披露したいので、そこに向けて怒涛の振り付け作業中です。

工藤のダンスは「ずっと見ていたくなるパフォーマンス」

ーーここから少し話の切り口を変えて、お二人のダンスとの出会いを聞きたいです。

工藤:ダンス始めたの、いつぐらいですか?

KOUMI:仙台の事務所に入ったときなので、小学校5年生ぐらいです。

工藤:早ぇーーーー!

KOUMI:最初はモデルさんになりたかったので、ダンスにはあまり馴染みがなかったんですよ。当時はレッスンっぽいレッスンも受けていなかったので、本格的にダンスをやり始めたのはkolmeを始めた5年前からですね。今の振付をお願いしている方に本当に基礎から教えてもらって。

ーー始めた当時、憧れたアーティストやダンサーといえば?

KOUMI:(菅原)小春さんのダンスは、よくYouTubeで見てました。当時、まるで見たことのないジャンルのダンスでしたし、「こんなに女性らしいダンスがあるんだ!」と衝撃を受けましたね。工藤さんは?

工藤:僕は高1の後半くらいに札幌のアクターズスクールに入ったので、背中を追いかけていた存在といえばDA PUMPさんやw-inds.さん。当時はロッキン(ロックダンス)が主流でした。『少年チャンプル』(注:2004~2005年に放送されていたダンスバラエティ番組)の全盛期でもあったので、よく見ていましたね。北海道だから、情報源がそのくらいしかなくて。番組初期の常連グループで7DOWN8UPPERの元メンバーの方に僕らのツアーの振付をお願いしたりしているので、すごく縁も感じます。上京してからはクラブダンサー、ストリート系の雑誌に載っているようないかついヒップホップダンサーの方々に注目したり、そのあとにシッキンとかLAスタイルのダンサーの方々に注目したり、いろいろ変容していますけど。

KOUMI:先日のライブでダンスを拝見していて、釘付けになるというかずっと見ていたくなるパフォーマンスをするなと思っていたんですよ。

工藤:ホントですか? “顔サー”(注:表情豊かに踊るダンサー)だから?

KOUMI:いえいえ、スクリーンじゃなくてステージを観ていて鮮やかな動きにぐっときたというか。

工藤:ダンス続けてきてよかったな……。

ーーでは、今現在注目しているダンサーや振付師というと?

KOUMI:直接的にkolmeの振付をお願いできるとかではないですけど、好きでよく見ているのはジャバウォーキーズとか。自分がそういうダンスをやりたいかって言われると難しいんですけど、ダンスを含めたトータル的な見せ方が上手なチームだと思って。

JABBAWOCKEEZ – i’m so tired… by Lauv & Troye Sivan

工藤:マジですか、意外! 僕はどちらかというと「今誰に注目しているからそういうパフォーマンスをしたい」ではなくて「今作っている曲に一番合うのは誰か?」という視点でしか見てないところがあって。振付をすごい若手の方に頼んだかと思えばあえて大御所の方に頼んでみたりもしますし、いろいろ冒険してますね。だから一概には言えないですけど、いろんなダンサーや振付師の方々を常にウォッチしてます。今はInstagramのおかげで国内外のいろんな情報がチェックできますし。

KOUMI:スタジオのレッスン生でもめちゃめちゃ上手な方とかいますよね? 動画を見て刺激を受けることも多いです。

工藤:韓国のダンサーさんには僕らも注目してますね。日本で活躍しているアーティストとコラボしているスタジオもあるので、たとえば人気グループの振付を手掛けている方を調べて、かぶらないように違うダンサーさんにお願いしたり。

アウェーの現場は“獲りに行くライブ”

ーー先ほどツアーの話も出てきましたが、お二人のライブの魅せ方に関するこだわりの部分というと?

工藤:セットリストって大事だと思うんですけど、自分たちで決めます?

KOUMI:決めてますね。RUUNAとMIMORIがああだこうだと話して、私は仲裁役に回ることが多いです。最終的にはリーダー(RUUNA)が決めるんですけど、彼女はこだわりが強いというか、ちょっとめんどくさい人なので(笑)。

工藤:温度感を見つつ決めると。対バンイベントに出るとすると、尺が20~30分じゃないですか。セトリがテンプレになったりは?

KOUMI:私たちが飽きてきちゃうので「この曲何回もやってるから違うのにしよう?」とか、けっこう組み合わせ変えたりしますね。

ーーDa-iCEはインディーズ時代から盛り上げ上手で、“対バンキラー”という言葉がぴったりなイメージがあります。

工藤:昔から、特にアウェーの現場に対しての姿勢は変わってないと思います。“獲りに行くライブ”みたいな感じで、ダンス&ボーカルがいっぱいいるイベントなら踊りまくって攻めまくるし、バラエティに強いグループが揃うなら楽しく盛り上げられる曲で組むように、セトリもすごく話し合って決めてます。

KOUMI:うちも「私たちはこういうスタイルでこういうパフォーマンスを見せたい」という気持ちはもちろんありつつ、対バンさせていただくアーティストの方々のカラーも考えながら組むことが多いです。

工藤:曲を作る時点からそういうことを考えてる部分もありません? 「こういうときに盛り上がれる曲ないな?」とか「こういう人たちにも引っかかる曲を作っておいたほうが……」とか。たとえば歌の上手い方々が集まるライブに出るのにいいバラードが一曲もなかったら戦えないから「いろんな人に聴いてもらえるようなバラード作ろう」みたいな。

KOUMI:kolmeもいろいろ知恵は絞ってるんですけど、まだまだそういう努力が足りないのかなあ……?

工藤:そんなことないですよ! 楽曲にもすごく振り幅あるじゃないですか。

KOUMI:なんだかんだで、自分たちの好きな曲をメインに置いちゃうところがあるんです。作曲担当のMIMORIにも彼女ならではのスタイルがあったりするので、気づくとコア寄りなところにいっちゃうというか……。ただ、以前は「私たちのパフォーマンスを見て!」みたいな魅せ方にこだわりがあったんですけど、それだけじゃダメだなって思ったんです。今年の初めにリリースしたアルバムくらいから、さっき工藤さんが言われたようにお客さんに寄り添うというか、これまでの私たちに足りなかった部分を意識して作った楽曲も増やしていて。「Repeat」みたいなあったかいイメージの楽曲も作っていただいたので、私たちが踊るだけじゃなく、みんなに一緒に楽しんでもらえるようなパフォーマンスにも力を入れていくと思います。

工藤:僕はライブを拝見するのがフィロソフィーのダンスとやったツーマン(2018年11月)以来で、そのときは3人で踊りきっててクールでかっこいいなと思ったんですけど。今度のツアー、超楽しみです。

工藤大輝 in Sweden (2018.02〜)

ーー楽曲制作について、お互いに聞いてみたいことはありますか?

KOUMI:YouTubeでスウェーデンでの楽曲制作の様子を拝見したりしたんですよ。グループの曲を書くときに、メンバーのみなさんと話し合ったりは?

工藤:まったくしないです。作った曲はいつもアーティスト名を変えて仮歌も違う人を雇い、自分が作った匂いを消した上でメンバーとスタッフさんの試聴会に、職業作家さんの楽曲たちに紛れ込ませて出すようにしてます。「メンバーの曲だから採用しよう」みたいなバイアスをかけてほしくないんですよ。なのでボツになった曲もめっちゃあります。今度出す新曲(12月18日リリースの「BACK TO BACK」)は、その中で決まった曲なので、自分でも胸張って作りました! って言えるんですけど。

KOUMI:ちなみに、なんでスウェーデンだったんですか?

工藤:今のJ-POPの楽曲ってスウェーデンの作家と日本の作家がコライトした作品がすごく多くて、トラックをスウェーデンの作家が、トップライン(=メロディ)を日本の作家が担当しているのが主流なんですよね。そうするとトラックは攻めてる音質のものができるけど、メロは日本っぽくなる。僕らはLAでもレコーディングしたことがあるんですけど、個人的な印象として、USの作家さんに作ってもらうとちょっとコード感がなくなるんですよ、ヒップホップ感が強くなるというか。

KOUMI:なるほど。コライトを始めたのは何がきっかけだったんですか?

工藤:5~6年前ですけど、僕らの曲を作ってくれている作家さんを調べていて、スウェーデンと日本の作家がコラボしている流れを知って。それで「僕も一緒に作ってみていいですか?」って試しに1曲作らせてもらったら、これが楽しかったんですよね。僕自身はトラックを一から作るのに時間がかかるほうだから、コライトすることで時短もできるし、自分が持ってないセンスの人と一緒にできるということで。

KOUMI:そういう作り方もあるんですね、面白い! kolmeはいつもMIMORIが曲を書いてアレンジャーさんが参加して、出来上がったトラックを全員で精査しながら歌詞を書いていくことが多いんですけど、そういう作り方にもトライしてみたいですね。

工藤:グループの楽曲で、とくに恋愛ソングや人生について歌うようなものの歌詞を書くときはいつも迷うんですよ。ソロなら自分の恋愛観を反映する形でいいけど、「(花村)想太と(大野)雄大が歌うのならこういう解釈かな?」とか、6面(Da-iCEファン)のみんなへの思いとかいろんな要素を入れたくなって、めっちゃ考えます。

KOUMI:kolmeの歌詞は、それぞれの人生という解釈なので3人で書いて歌ってるんですよ。自分の体験談とかも、ちゃんと書いてます。

工藤:それだと全員にとって“自分の歌詞”だから、すごく感情移入できますよね。

KOUMI:できます!

工藤:歌詞に限らずですけど、意見を統一するのはグループの人数も結構関係あると思うんですよ。少ない方がよりまとまりやすいじゃないですか。

KOUMI:うちはリーダーが一筋縄ではいかないんですけど(笑)。ただ10年以上一緒にいるので、メンバー間では家族みたいな感じでなんでも言い合えるんですよ。それぞれの嫌なところもいいところもわかってるから、いろいろ許せちゃいます。

工藤:リーダーどんな性格やねん(笑)。でもグループって長くやってるとそうなりますよね。僕らも辛かった時期、なんだかんだで全員のチームワークがよかったから乗り切ってこられた感じはあります。

理解してもらうのにはやっぱり時間がかかる

ーー2組とも結成当初からいろいろ苦労をされてきて、今やかなりクリエイティブな方向性で活動されていますよね。その中で伝わらないジレンマをどういう風に解消していったんでしょうか。たとえばDa-iCEもデビュー当時はアイドル的なキャッチコピーがついて回った時期もあるわけじゃないですか。

工藤:ああ、ありましたね!(笑)。僕は世間というより事務所に対して、いろいろ考えてきたところがありました。ホームとはいえ大きな会社だから、スタッフみんなが僕たちのことをよく知っているわけじゃない。そういう環境の中で自分たちをどうプレゼンしていくべきかというのをずっと考えてきて。最初は曲が作れますと言っても「ああそう?」みたいな感じだったのが、作品が形になって結果を出すことでみんなの反応が変わっていって。逆にいえば、結果を出し続けていかないといろんなことが変わっていかないんだと思いながらやり続けてきたと思います。

 ちなみにアイドルが好きっていうのも事務所からは公言しないように言われていたんです。でも、好きなものは好きですし、SNSでつぶやいたりしていたら、いつの間にか「コラムを書いてくれ」「曲を書いてくれ」といったお話をいただくようになったんです。そういうタイミングで「ほら、言ったじゃん!」って思えることをモチベーションにして、頑張ってますね。

KOUMI:発散の仕方、参考にさせていただきます(笑)。多くのサポートをしてくれる周りの人の存在がありながらも、心のどこかで“自分の人生だから楽しまなきゃもったいない”と思いますね。

工藤:ただし、理解してもらうのにはやっぱり時間がかかりますよね。グループの音楽性とかもそうですけど、すぐにわかってもらえるわけじゃないから「聴いてください!」っていうアピールを何度でもめげずにやるっていうのをテーマにやってきた記憶があります。

KOUMI:いろんな意味でセルフプロデュースを頑張らなくちゃいけないというか。深いですね……。

工藤:だってそうじゃないと、何もかも嘘くさくなるような気がして。すごいクリエイターにお願いするのは別に悪いことじゃないですけど、自分たちなりに自分たちの作品をクリエイトして、それを評価してもらおうというスタンスでいるだけで。kolmeだって3人の出会いからだと10年以上やられているわけだから、かなり経験値を積まれているほうだと思いますよ。

KOUMI:いやいや、私たちはまだまだです……なので、今日はすごく勉強になりました!

(取材・文=古知屋ジュン/写真=はぎひさこ)

あわせて読みたい

【第1回】kolme×MATZが語る、世界で“普段聞き”されるための楽曲制作「音楽は言語を超える力を持ってる」
【第2回】kolme RUUNA×フレンズ おかもとえみ対談 日常から生まれる言葉と音楽「“見たもの”を大事に」
【第3回】kolme MIMORI、“憧れのボカロP”DECO*27に初対面! 楽曲制作の裏側や音楽観を語り合う

■リリース情報】
 アルバム
『Do you know kolme?』
11月20日(水)発売   

Type-A(2CD+DVD) ¥6,300(税込)
<CD>※Type-A〜Type-D共通
01  Intro
02  Gotta look
03  Get your control
04  Remind me…
05  Interlude1
06  Repeat
07  I live in hope
08  Brand new days
09  Wonderland
10  Why, Mr.?
11  Deep breath
12  Same mistakes
13  Up all night
14  Interlude2
15  Wherever I go

<CD2 -MIMORI SE Collection->Type-Aのみ収録
01  Ultra kolme Merry X’mas 2018
02  kolme Happy New Year Live 2019
03  kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~
04  REIWA 2019
05  Super Ultra kolme tour 2019

<DVD>※Type-B Blu-ray共通
01  Remind me… -Music Video-
02  kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ in SHIBUYA WWW X

Type-B(CD+Blu-ray)¥6,800(税込)
Type-C(CDのみ)¥3,000(税込)
Type-D(CD+Blu-ray)¥15,000(税込)

■ライブ情報
『5周年ツアー「kolme Live Museum – Do you know kolme? -」』
2019年
12月30日(月)神奈川CLUB CITTA’

2020年
1月18日(土) 埼玉 西川口 Live House Hearts
2月2日(日)宮城 SENDAI MA.CA.NA
2月8日(土)神奈川 横浜Baysis
2月23日(日)大阪 OSAKA MUSE
2月24日(月・祝)名古屋 ell.FITS ALL

■関連リンク
kolme公式HP
kolme公式Instagram
kolme公式Twitter
kolme公式Facebook

■リリース情報
『BACK TO BACK』
2019年12月18日(水)
初回限定盤A(CD+DVD)¥1,800+tax
初回限定盤B(CD+DVD)¥2,200+tax
通常盤(CD Only)1,300+tax
<CD収録曲>全形態共通
M1.BACK TO BACK
M2.Damn it!
M3.Only for you
M4.VELVET EYES

<DVD収録内容>初回限定盤Aのみ
「BACK TO BACK」MV
The making of 「BACK TO BACK」

<DVD収録内容>初回限定盤Bのみ
「Damn it!」MV
The making of 「Damn it!」
「TIME COASTER」MV
The making of 「TIME COASTER」

■ライブ情報
『Da-iCE BEST TOUR 2020 -SPECIAL EDITION-』
2020年
1月10日(金)17:30開場/18:30開演
東京:国立代々木競技場 第一体育館
1月11日(土)14:00開場/15:00開演
東京:国立代々木競技場 第一体育館 ※SOLD OUT
2月29日(土)16:00開場/17:00開演
大阪:大阪城ホール
3月1日(日)14:00開場/15:00開演
大阪:大阪城ホール ※SOLD OUT

チケット料金:指定席¥8,000(税込)
※FC先行受付では、チケット代金がファンクラブ先行価格
※3歳以上有料。3歳未満のお子様はひざ上鑑賞の場合のみ入場無料

■関連リンク
Da-iCE公式HP
Da-iCE公式LINE @daice
Da-iCE公式YouTube Channel
Da-iCE公式Twitter
Da-iCE公式Instagram

サイン入りチェキプレゼント

kolme KOUMI×Da-iCE 工藤大輝のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

応募方法

リアルサウンドの公式Twitterをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

リアルサウンド 公式Twitter

<応募締切>
2019年12月9日(月)まで