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菊之助念願の歌舞伎版『風の谷のナウシカ』がいよいよベールを脱ぐ

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新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』

蜷川幸雄や野田秀樹、宮藤官九郎ら外部の演出家とのコラボや、『ワンピース』『NARUTO−ナルト−』といったコミックを原作とした新作など、近年さまざまな意欲作が話題となっている歌舞伎界。そんな中で伝えられた『風の谷のナウシカ』舞台化のニュースは、原作者の宮崎駿が初めて実写化(舞台化)を許したという意味でも、また壮大なスケールの物語を果たして舞台で表現できるのかという意味でも、各界から注目を浴びている。企画と主演を兼ねる尾上菊之助と共演の中村七之助らが挑む未知の舞台が、いよいよ本日12月6日に東京・新橋演舞場で初日の幕を開ける。

本作のベースとなるのは、宮崎が1982年から1994年まで雑誌「アニメージュ」で連載していた原作漫画。当然、連載途中に映画化(1984年)された同名映画の“その後”までが描かれており、宮崎ファンや研究家の間では、映画版に勝るとも劣らないほど重要視されている作品だ。今回の歌舞伎版では、全7巻の全貌を昼の部・夜の部の通しで完全上演。その世界観の核の部分にまで踏み込む予定となっている。

舞台化のキモは、制作発表で菊之助が語った「歌舞伎の古典的な手法を使って舞台化する」という点だろう。スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫も「これまでハリウッドを含めたくさんの実写化のオファーがあったが、(宮崎が)すべて断っていた」とのことで、宮崎が首を縦に振った理由もこの辺りにありそうだ。

出演は、菊之助がナウシカを演じるほか、トルメキアの皇女クシャナに七之助、ナウシカが剣を師事するユパに尾上松也。さらに中村歌昇、坂東巳之助、尾上右近ら若手実力派が顔をそろえるほか、片岡亀蔵、中村錦之助、中村歌六と手練の役者陣が舞台を引き締める。人間ドラマを描く作品から、仕掛けを使った荒唐無稽な娯楽作まで、幅広い演目で人々を楽しませてきた歌舞伎。その底力を使って、今回も驚くような結果が待っているに違いない。

12月25日(水)まで。

文:佐藤さくら