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『おっさんずラブ-in the sky-』、混迷を極める 春田×成瀬×四宮の三角関係はどこに終着するのか?

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リアルサウンド

「俺と付き合ってほしい。まずはお試しで1週間」

参考:場面写真ほか多数

 四宮(戸次重幸)は勢いにのってそう告白してみたものの、やはり春田(田中圭)は困惑の表情を浮かべてしまう。それを見て慌てて「付き合うとかいうのは抜きにして、1週間、俺のプランで一緒に過ごしてもらって……」と言葉を変えた四宮は、「それなら」と春田の了承を得ることに成功。その1週間のなかで、一緒に料理を作ったり銭湯に行ったりしながら、春田がこちらに振り向いてくれるわずかな可能性に賭けていった。

 一方の春田の心境は、非常に複雑なものである。『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系)第6話は、四宮といるのは楽しいし、尊敬しているからこの関係を破綻させたくない、でも成瀬に心を引かれているから、(第5話における)キスの弁解を含め一刻も早く気持ちを伝えたいーーそんな春田の“恋の受難”が描かれていく。

 そんな風にしてさまざまな想いがこんがらがって苦しむ春田の、一服の清涼剤になってくれるような存在として新しく天空ピーチエアラインにやってきたのが、獅子丸怜二(山崎育三郎)である。仕事も気遣いも完璧にこなしてみせる、よくできた男。「なんか俺、男にばっかモテるんだよな」という彼の言葉に、春田はおそらく自分と近いものを感じたことだろう。獅子丸は続けてこう言う。

 「俺は男とか女とかどうでもいいんだけどね。好きになるかどうかって、結局人の問題じゃないかな」『おっさんずラブ』というドラマの本質を突く言葉だが、春田はこの言葉を受けて、より一層、混乱していったようにも見える。シノさんのことは大好きだけど、これは恋愛感情ではないから……。でも恋愛の好きと友情の好きって、一体何が違うんだ? といったようにーー。

 「何もかも中途半端で……」と嘆く春田は、「せめて仕事だけは」と踏ん張るけれど、空回りしてミスを連発。おまけに体調を崩し、フライト前に倒れてしまう。そこで黒澤キャプテンにかけられた叱咤激励の助言。「周りが見えていなければ、いつか必ず大切なものを失うことになる」「一度、本気で自分自身を見つめ直せ」

 春田は今一度、自分を見つめ直した結果、四宮には「付き合えない」としっかり伝え、成瀬にも、そう告げたということを訴えかける。「自分の気持ち、無理やり押しつけただけだった」と謝るけれど、その後になかなか言葉が続かない。衝動でキスまでしてしまっているから、もう相手の行動を待つしかない、そんな思いが春田のなかにあったのかもしれない。

 「俺だって、誰とでもキスできると思ってました。でも、もうあんたとしかし
たくない」

 遊び半分で告白していると思われた四宮に「本気だよ……」と伝え、こう続ける成瀬。春田ではなく、四宮とキスがしたいーー。振り絞るようなその言葉は、春田の気持ちを知っている我々視聴者には重すぎるセリフに違いない。しかし、それが成瀬の本当の気持ち。<春田→成瀬→四宮→春田>の三角関係は、みんなが傷心に苦しむ、痛々しい展開に突入していってしまう。
 
 物語の終盤で明らかになるのは、獅子丸が上層部の人間であったこと。予告編を見る限り不穏な展開が待っていそうだが、この波乱に次ぐ波乱の展開に、みなが幸せな表情を浮かべる瞬間は待っているのだろうか。『おっさんずラブ-in the sky-』もいよいよ終盤戦に差し掛かっている。もうあとは、祈りながら彼らの行く末を見届けるしかない。 (文=原航平)