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オリジナルキャスト率いる『コーラスライン』開幕

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ブロードウェイでの初演から40年以上が経った今も世界各地で繰り返し上演されているミュージカルの金字塔、『コーラスライン』。きらびやかな衣裳を身に着けたダンサーたちが、輝く笑顔で名曲《ONE》を歌い踊るシーンがあまりにも有名であるが故に、観たことがないと華やかな作品を思い浮かべてしまうこともあるかもしれない。だが実際に描かれるのは、とある新作ミュージカルのオーディションで最終選考に残った17名のダンサーが、わずか8つの枠――それも主要キャストではなくアンサンブルの――を懸けて戦うシビアな物語。演出家からの「履歴書に載っていないことを話してほしい。君たち自身のことを」という求めに応じ、何が何でも仕事がほしい彼らは自らの過去を赤裸々に語り始める。

彼らのエピソードは、オリジナルキャスト本人の経験に基づいているため圧倒的にリアル。それを当の本人が演じた初演のリアルさたるやいかばかりだっただろうと思わされるが、本日8月15日(水)に開幕する来日公演のカンパニーを束ねているのはその本人のひとり、コニー役オリジナルキャストのバーヨーク・リーである。原案・オリジナル振付・演出を手がけた鬼才マイケル・ベネットの右腕として、彼の存命中から各地で様々なカンパニーの指導にあたってきた彼女が演出・振付・再構成を務める舞台ならば、きっと初演に近いリアルが宿るはず。また、バックグラウンドこそ役とは違っても、アメリカで俳優をしている以上は同じくブロードウェイの舞台に立つことを夢見てはいるであろう、来日キャストの好演にも期待したい。

文:町田麻子