ザ・コレクターズ、12カ月連続ライブも後半戦に突入! レーベルスタッフが舞台裏まで渾身レポ
音楽
ニュース

今年1月からスタートしたTHE COLLECTORS(以下、コレクターズ)によるマンスリーライブ『THE COLLECTORS CLUB QUATTRO MONTHLY LIVE “LAZY SUNDAY AFTERNOON”』。
同ライブ企画は、コレクターズが彼らのホームグラウンドでもある渋谷 CLUB QUATTROにて毎月日曜日、12カ月連続でライブを行うというもの。全公演ソールドアウトが相次ぐマンスリーライブも早いものでもう折り返し。リアルサウンドでは、バンドが所属するレコード会社(日本コロムビア)スタッフによるレポートを掲載。貴重なメンバーのコメントも交えつつ、上半期の勢いのまま突入した後半戦1本目となる7月15日公演の模様を届けたい。(編集部)

連日続く記録的な猛暑の真っ只中に開催された7月のマンスリーライブはとにかくアツかった。「クアトロマンスリーも後半突入! ここからは下り坂だ! 飛ばすよ!」と本レポートにコメントを寄せた加藤ひさし(Vo)の言うとおり、今までにも増して疾走感のあるイカしたパフォーマンスだった。
大勢のファンが駆けつけた満員のクアトロは開演前から夏の暑さに負けじと熱気に包まれる。みなそれぞれのTシャツに身を包み、今か今かと“キング・オブ・モッズ”の登場を待ちわびる。男女比は半々ほどだろうか。歳のころもさまざまな印象だ。会場には恐らくバンドよりも”若い”であろうファンの姿も多く見受けられた。
コレクターズが結成されたのは1986年、いまから31年とちょっと前。「平成」という激動の時代をビシっと駆け抜けた”俺たちの兄貴たち”が平成最後の夏にバリバリの現役バンドとしてステージに立っているのだから、グッと来ないほうが嘘だろう。たった52回しか来ない平成30年の日曜日のうち、12回もコレクターズにステージを預けてくれた粋なクアトロの男気にも感動を覚える。
クアトロのバックヤードには愛あるクアトロから贈られた「特注コレクターズのれん」がかけられ、ホワイトボードにも手描きのイラストが。ライブ直前の楽屋ではリラックスしながら集中力を高めるメンバーや、最後の調整と確認を行うメンバーなど、各々ステージに向けて違った時間を過ごす。キャリア30年を超えたバンドが馴染みのハコで行うライブ直前の楽屋は、程よいピリッとした緊張感と、愛ある雰囲気に包まれていた。
お決まりのライブナンバーである「僕はコレクター」、「悪の天使と正義の悪魔」、「NICK! NICK! NICK!」などのキラーチューンに加え、毎回会場からどよめきが起こる”レア”トラックも演奏される本公演。新旧楽曲を織り交ぜながらたたみかけるコレクターズの31年が凝縮されたステージは、12カ月連続マンスリーだからこそ観ることができる内容だ。

コレクターズライブのセットリストを担当する古市コータロー(Gt)は、クアトロマンスリーでのセトリ作りに関して以下のようにコメントを寄せる。
「レアというと人によって違うだろうし、レアというよりは久しぶりだったりあまりやらないという曲を選んでます。今のコレクターズがやったらどうかなとイメージしてハマればGoといったところかな。バンドにもとても刺激になるマンスリーですね」
平成最後の夏にクアトロに立つ”今”のコレクターズは、どんな楽曲を披露してくれるのか。会場の全員が固唾を呑む中、オンタイムで颯爽とステージに現れたコレクターズが最初に投下したのは「ツイスター」だった。
爆音と共に〈この世界 吹き飛ばす 風になろう ツイスター!〉と歌い上げ、つらい夏の暑さを吹き飛ばす爽快なパフォーマンスで会場を圧倒。コール&レスポンスも交えながら、初っ端から会場をひとつに纏め上げていく。
久々のライブ披露となる「占い師」では、古沢”cozi”岳之(Dr)による心地よいドラミング、古市のセクシーなギターソロで会場を魅了。続く「スーパー・ソニック・マン」では軽快なリズムのパワー・ポップサウンドで会場を愉しませる。〈スーパーソニック〉と歌う加藤ひさしと、古市のギターによるフレーズの掛け合いが最高にクールだった。

3曲立て続けに披露すると、ファンがみな一様に楽しみにしているMCに突入。ぶっきらぼうな口調ながら「加藤くん」「コータローくん」と仲良く語り合う”クラスの人気者の中学生男子”のようなトークも、コレクターズ人気の大きな要因といえるだろう。実際、人気ポッドキャスト『池袋交差点24時』でのトークがきっかけでコレクターズファンになった人や、コレクターズがきっかけでライブハウスデビューを果たした人も多いと聞く。トークもファンが楽しみにしているエンターテインメントのひとつとなっているのだ。
毎回そのステージ衣装にも注目が集まるフロントマン・加藤ひさし。今回、ド派手なゴールドのシャツに身を包み会場を驚かせた加藤は「こんにちはコレクターズです。ついにクアトロ折り返しだね」、「今日はワールドカップ決勝があるからね」とゴールドのシャツを着てきた理由を短く語り会場を笑わせる。(ちなみに、過去のマンスリー公演ギャラリーはコロムビア特設サイトで確認できる)
「じゃあロックンロール続けよう」(加藤ひさし)と、MCも早々に次の曲達へと流れ込む。「ロボット工場」では、山森”JEFF”正之(Ba)の跳ねるベースが気持ちよく、同じくライブ定番の「ロマンチック・プラネット」ではお決まりの掛け声で会場が一体に。続けて、ライブでのパフォーマンスが”レア”なチューン「THE HAMMER AND SICKLE」を披露する。

冒頭の古市のコメントのとおり”(ライブで)久しぶりだったりあまりやらないという曲を選んで(いる)”クアトロマンスリー用のスペシャルなセットリストでは、2014年加入の山森“JEFF”正之(Ba)、2017年加入の古沢“cozi”岳之(Dr)にとって初めてファンの前で演奏する楽曲も多い。マンスリーで初めて演奏する楽曲に対し、コレクターズを支えるリズム隊の2名は以下のように意気込みを語ってくれた。
「音源の聞き込みを重ねて、可能な限り音源そのままの形で演奏出来ること、と言う点を常に意識してます。もう二度と演奏しないって曲もあるかもしれないので、これが最後かも、、という気持ちで演奏してます」(古沢”cozi”岳之)
「とにかくミスしない! 今のコレクターズは最強だからミスらなければカッコ良くキマるはずさ」(山森”JEFF”正之)
“JEFF”の言うとおり、現体制の”今”の最強なコレクターズは、貫禄マックスでキラーチューン「悪の天使と正義の悪魔」をドロップ。ライブ前半を圧巻のパフォーマンスで駆け抜けた。
曲終わりの男性ファンからの「加藤さーん」の呼びかけに、「第一声太いのやめようよ(笑)」と、友達のような距離感で場を和ませる。加藤とタバコを燻らせる古市による”コレクターズ一行の上野動物園訪問”によってバンドの結束が固まったエピソードや、昔うなぎ屋でキモばかりを食べさせられた加藤や生肝を飲むことになった古市のエピソードなど、まるで公開ラジオ収録のようなMCで、会場は控えめに言っても大爆笑。
「みんなに約束したよね、先月。新曲歌わせてもらいます。」と”重要ナンバーになりつつある新曲”(タイトル未定)を披露する。メッセージ性の強い歌詞と共に、〈さあどうする?〉と問いかけ、〈ついてこいよ〉と投げかけるーー現在制作に入っている新作アルバムに収録される予定の曲だが、演奏後に満を持して「どうよ!」と加藤が問いかけると、会場からは大きな喝采が。
そのままライブ中盤へと流れ込みダンサブルな「Stay Cool! Stay Hip! Stay Young!」、最高にキュートな歌詞の「パーティー・クイーン」、こんな夏日に歌わないわけにはいかないと「SUMMER OF LOVE」を披露した。
ライブ後半では、加藤もギターを持ちツインギター&古市のボーカルで披露する「ハッピー&ラッキー」や、マンスリーではお馴染みとなっているインストでのブルージーなパフォーマンス。衣装をシルバーのシャツに着替えた加藤が再登場し、ハイトーンボイスで歌い上げるキラーチューン「Tough」「ノビシロマックス」などを披露して本編は終了した。
熱が冷めやらぬ会場からは鳴り止まない大きな拍手が。アンコールでは、ブリティッシュロック界の伝説、加藤と古市に大きな影響を与えたバンドThe Whoの「So Sad About Us」をカバー。続く「僕はコレクター」では盛り上がりが最高潮に達した。
「みんな本当にどうもありがとう!」「来月も違う新曲をやろうと思います」(加藤)と言いながらメンバー全員で感謝の気持ちを述べ、加藤は前列のファンとハイタッチ&会場に投げキッスをして退場。客席の照明も明転し、この日のライブを終えた……ように思われたが、メンバーが”そそくさ”と再登場。
チャーミングな登場をしたメンバーを追いかけ最後に登場した加藤は「綺麗に終わったのに(笑)」と言いながら、この夏の記録的な熱波を吹き飛ばす「恋はヒートウェーヴ (Love Is Like A) HEAT WAVE」を演奏。思わぬサプライズにファンの顔にも笑顔が溢れ、会場はダンスフロアと化した。
これだけ濃厚なライブを観て会場を出ても、まだ18:00ちょっと過ぎ。サッカー観戦をするにはちょうど良い時間だった。
今年の6月には遂にサブスクを解禁し、現在新作アルバムの制作にも取り掛かっているコレクターズ。マンスリーライブも残すところあと5本……コレクターズは2018年後半もかっ飛してくれるはずだ。
(文=森田大介/写真=岩﨑真子)
<関連記事>
THE COLLECTORSの快進撃はまだまだ止まらない! 12カ月連続マンスリーライブ開幕に寄せて
ザ・コレクターズ、結成31年目にして加速する勢い マンスリー公演で示した過去を超える姿
<セットリスト>
01. ツイスター
02. 占い師
03. スーパー・ソニック・マン04. ロボット工場
05. ロマンチック・プラネット
06. THE HAMMER AND SICKLE
07. 悪の天使と正義の悪魔
08. 新曲
09. Stay Cool! Stay Hip! Stay Young!
10. パーティー・クィーン
11. SUMMER OF LOVE
12. 希望の舟
13. ハッピー&ラッキー
14. インスト
15. テレビジョン スターズ
16. TOUGH
17. ノビシロマックス
18. Dreamin’
<アンコール>
En.1 So Sad About Us
En.2 僕はコレクター
En.3 恋はヒートウェーブ
■ライブ情報
THE COLLECTORS CLUB QUATTRO MONTHLY LIVE
『“LAZY SUNDAY AFTERNOON”@SHIBUYA CLUB QUATTRO』
1月21日(日)
2月18日(日)
3月18日(日)
4月15日(日)
5月13日(日)
6月17日(日)
7月15日(日)
8月19日(日)
9月16日(日)
10月14日(日)
11月18日(日)
12月16日(日)
開場 15:15/開演 16:00
チケット一般発売:
1~3月 2017年12月17日(日)
4~6月 2018年3月11日(日)
7~9月 2018年6月10日(日)
10~12月 2018年9月9日(日)
チケット料金:
【前売】大人¥3,900/キッズ¥2,500
【当日】大人¥4,500/キッズ¥3,000
※スタンディング/D代別