後藤真希、電撃復帰の『テレ東音楽祭』と合わせて読みたい 著名人や評論家が語るモー娘。の魅力とは
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モーニング娘。’14(以下、モー娘。)が、6月26日18時半から放送予定の『テレ東 音楽祭(初)』(テレビ東京系)で、後藤真希や安倍なつみなどのOGを迎えたスペシャル編成で出演するという。
2011年12月より無期限活動休止中だった後藤は、この番組で地上波番組に電撃復帰。歴代のモー娘。メンバーを加えた”モーニング娘。OG”の一員として登場し、代表曲である「LOVEマシーン」「ハッピーサマーウェディング」「恋愛レボリューション21」などを披露するという。現在は放送が終了してしまったが、彼女たちを誕生させた番組である『ASAYAN』がかつて同局の目玉番組であったことから、今回の企画は実現したと言えるかもしれない。このことに対し、後藤は「私の中でテレビ東京と言えば~、、、な、事が沢山ありすぎます笑 思い出が沢山あるって事がまず、素敵だなぁと、思う」と自身のブログで綴っている。
リアルサウンドではモー娘。について、数々の分析記事や、著名人によるインタビューで、アイドルシーンにもたらした影響力や楽曲の魅力、再ブレイクの理由などを展開してきた。本稿では、その中から厳選された11記事を紹介したい。
楽曲分析、プロデューサー論、再ブレイクの理由…..評論家によるモー娘。分析
つんく♂が長きに渡るプロデュースで、モー娘。にもたらしたもの
1997年8月20日に結成され、もうすぐ17年目に突入する同グループは、これまで数々のメンバーが加入・卒業を繰り返してきた。その中で唯一変わらないのが、長きにわたってモー娘。をプロデュースするつんく♂の存在だろう。日本の芸能界の文脈を満たしながら玄人好みの音作りを両立し、”パフォーマンスの時代”ともいえるゼロ年代前半のモードを自ら開拓した彼について、ライター・物語評論家のさやわか氏が分析したのが下記の記事だ。
つんく♂はモーニング娘。をどう導いてきたか プロデューサー16年のモード変化を読む
『LOVEマシーン』から『わがまま 気のまま 愛のジョーク』まで、これまでのモー娘。楽曲を分析
また、ヒットメーカーとして数々の名曲を生み出してきた作曲家としても、つんく♂の存在は大きいといえる。『LOVEマシーン』以降に生まれた「はっちゃけ感=サビまでの聴かせ方」や、『One Two Three』から始まる現在のEDM路線、「Fm7 → Bb → Eb → Cm」というポップスの王道コード進行を久しぶりに使った『わがまま 気のまま 愛のジョーク』などに彼の作曲家としてのセンスが発揮されている。それらを踏まえて、コンセプト(大胆な試み)とそのための具体的な手法(細かな試行錯誤)を明確に定めて制作されているといった視点から、現役ミュージシャンの小林郁太氏が分析した記事がこちら。
モーニング娘。楽曲の進化史ーーメロディとリズムを自在に操る、つんく♂の作曲法を分析
「ブレずに活動を続けた」、「ハロプロに影響を受けたアイドルが増えた」ことで再ブレイク?
モー娘。長くアイドル活動を続けてきたことにより、ジャニーズやK-POPなどのように、二世代・三世代に渡ったファン層を獲得した。このことについて、「ハロプロはハロプロとして、やるべきことをちゃんとやってきました。モーニング娘。が再評価されるのは当たり前かと思います」と語ったのは、アイドル専門ライターの岡島紳士氏。同氏に「ポスト戦国時代のアイドル」として、同グル―プの魅力について改めて分析してもらったのが下記の記事だ。
モーニング娘。の逆襲が始まった ハロプロ勢が再評価される理由
また、放送作家のエドボル氏は、外から来たアイドルファンがモー娘。を”再発見”していることについて「ビートルズが再評価されるのと同じ」と語ってくれた。その理由について同氏は「一昔前のアイドルは、みんな90年台後半に活躍したSPEEDが好きだった。(中略)指原莉乃(20歳)あたりからが、2000年前後に大ブレイクを果たしたハロプロに憧れて育った世代で、みんな影響を受けている。その下のアイドルとなるとAKB世代で、今はまだローティーンというところでしょう。”僕が好きなあの子が好きなモーニング娘。”として、若いアイドルファンから新たに注目を集めている面もあると思います」と、近年のアイドルがモー娘。からの影響の上に成り立っているからこそだと述べた。
「モー娘。再評価の構造は、ビートルズ再評価と同じ」若いアイドルファンがハロプロにハマる理由
犬山紙子、掟ポルシェ、大森靖子……著名人によるモー娘。評
”負け美女”目線から分析したモー娘。とは? 人気コラムニスト・犬山紙子編
コラムニストの犬山紙子氏は、モー娘。好きを公言する著名人の一人。彼女は近年の再ブレイク時に彼女たちの魅力にハマったファンだそうで、「最初に流行った時期に、私は同世代でしたから、応援しにくかった。年が近いって共通項があるだけなのに、かわいいのはわかるけど、どこか認めたくないひねくれた根性があって」、「『自分が十代の頃にあんなにかわいくいたかった』『憧れた人生』を地で行く彼女たちを見ていると、過去の自分を成仏させてくれるところがあるんです」と、初期と現在の違いを、リアルタイムで見ていた女性目線から語ってくれた。
「モー娘。は、過去の自分を成仏させてくれる」“負け美女”犬山紙子が同性ファンの心理を解説
また、同氏が現メンバーの魅力について、一人一人の人間性やパフォーマンスに焦点を当て、丁寧に分析してくれた記事がこちら。
モー娘。は“負け美女”にならない? 人気コラムニスト・犬山紙子が現メンバーの魅力を語る
グループ論から楽曲への言及まで、様々な切り口でモー娘。を語った掟ポルシェ編
自らもミュージシャンであり、アイドル音楽をこよなく愛する掟ポルシェ氏は、アイドル界の暗黙の掟”恋愛禁止条例”について「最近、『メンバー同士でイチャイチャするのは良い』という妙な抜け道的手法が取り入れられて、それがファンにも認められているんですよ。僕はこの風潮を”ソフトレズ容認”と呼んでいる」と、一風変わった着眼点からメンバーとファンの関係性を語ってくれた。
ハロプロはソフトレズ容認へ!? 掟ポルシェが語る「アイドルと恋愛」
また、掟ポルシェ氏は楽曲面について、現役ミュージシャンならではの分析を繰り広げてくれた。同氏が「歌割りの細かさ」や、「元ネタ曲とは全く違うポップなものにしてしまう力が凄い」こと、「ダンスミュージックでありながら、ヴォーカルラインに独特のクセがある」といった点を踏まえて、グループとしての魅力を語ってくれた記事がこちら。
掟ポルシェが語るハロプロの真価 つんく♂サウンドの「特殊性」とは?
ハロプロに対する重度の愛を語った気鋭のシンガー、大森靖子編
先日、エイベックスからのメジャーデビューを発表した気鋭のシンガー・大森靖子は、重度のハロプロヲタとしても広く知られている。彼女は『ASAYAN』でモー娘。の存在を知り、加護亜衣にハマっていった後、ハロコンや握手会にも足繁く通い、道重さゆみについて楽曲をささげるほど、ハロプロに対して心酔してきた。そんな彼女が3回という大ボリュームで、自身の遍歴やグループへの愛について語ってくれたのが以下の3記事だ。
「道重さゆみを見ていると泣いてしまう」気鋭のシンガー大森靖子が、モー娘。への偏愛を語る
「加護ちゃん好きだった小6のときに処女喪失」大森靖子が壮絶なハロプロ歴を明かす
「道重さんの卒業コンサートを妄想して涙している」大森靖子が語るハロプロとモー娘。の未来
このように、モー娘。は様々な評論家や著名人、そして世代を超えた多くのファンに愛されている。本日の『テレ東 音楽祭(初)』では、久しぶりにパフォーマンスを披露するOGの面々と、再ブレイクを果たした現メンバーがどのように絡んでいくのだろうか。各分析記事で彼女たちの魅力を振り返りつつ、番組を鑑賞してみるのもいいかもしれない。
(文=編集部)