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ももクロの次のテーマは「解散」!? 頂点をきわめたグループの行方を占う

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リアルサウンド

 モーニング娘。に憧れて育った新世代が、アイドルとして影響力を持ち始めたことで、ハロプロ再評価につながった――。アイドル番組の構成を担当する放送作家エドボル氏が、現在のアイドルシーンを語る集中連載第2回では、ハロプロの再評価を生んだトップグループ・AKB48と、「AKB48になかった全力性」(エドボル氏)でシーンを勝ち抜いた、ももいろクローバーZを取り上げる。彼女たちは今後、どんな道をたどっていくのだろうか?

第一回:「モー娘。再評価の構造は、ビートルズ再評価と同じ」若いアイドルファンがハロプロにハマる理由

 AKB48については、一部では「すでにガラパゴス化しているのではないか」との見方もある。6月に日産スタジアムで行われた「第5回選抜総選挙」が”シラけ選挙”と報じられるなど、AKBブームの終焉を語る声は尽きないが、実際のところはどうなのか。エドボル氏は、「AKB48 のファン以外が楽しみにくい方向に進んでいるのは事実だと思う」としつつ、本当のガラパゴスになるのはまだまだ先だと見る。

「単純にファンそのものの絶対数があまりに大きいので、辺境を意味するガラパゴスと表現することはできません。また、都市圏と地方ではアイドルブームに3年ほどのタイムラグがある。実際、地方に関しては地域によっては、最近やっとモーニング娘。からAKB48にトップアイドルの認識が移行している……というところもあるんです。今年の夏のAKBの東京ドーム公演のチケットが売れ残っている、なんてことも話題になりましたが、4大ドームツアーでは空席があっても、47都道府県を回るホールツアーはチケット入手困難な状況が続いています。それは姉妹ユニットのNMB48や公式ライバルの乃木坂46に関しても同様な状況です。

 東京ドームのチケットの売り上げ不振の背景にあるのは、8月のツアーに関しては完全個人照合で、チケットを転売できない仕組みにしたこと。一般のプレイガイドで通常の形では売っていないので、ファンでなければ購入するのが難しいものになりました。チケット価格の値上げも、現段階で完売していない理由でしょう」

 ガラパゴスと呼ぶには大きすぎるファン層と、ブームが行き届いていない地方への波及により、まだまだAKB48の人気は続くだろうとエドボル氏。それでは、すでにシーンのトップに上り詰めた感もある、ももクロについてはどうだろうか。

「テーマは”どう解散させるか”でしょう。単純な話、この先何年も今の『ももクロ』を続けていくというのは、百田夏菜子だって体力が持たないと思います。年齢を重ねてからもずっといまのようなハードなパフォーマンスを続けていくことにはリアリティがない。と言って、マイナーチェンジをしている様子も見当たりません。歌が劇的にうまくなることもないし、パフォーマンスの質を落とすわけにはいかない。ファンは、いまのももクロが持っているものこそを求めていて、要求はさらに高度になっていく。どんな落とし所を見つけて、どんな次のステップを準備するかが重要だと思います」

 ももクロが所属しているスターダストプロモーションには、私立恵比寿中学やチームしゃちほこなど、売り出し中のアイドルが所属している。ももクロファンの思いは今後、彼女たちに向けられていくのか。

「スターダストの場合、AKBグループともハロプロとも違い、アイドルがひとつのシステムの中で動いているわけではありません。それぞれが独立したアイドルグループです。ももクロのファンがエビ中に流れることはあると思いますが、全員がそうなるように誘導している訳ではない。また、チームしゃちほこは、ももクロとファン層が違うはず。ももクロは布袋寅泰さんに作曲を依頼するなど、アーティスト性重視の基本的に尖った方向に進んできましたが、しゃちほこはアイドルソングらしいアイドルソングを志向している。ともに楽曲の評価は高いものの、音楽的に聴いているファンは分かれるでしょう。

 アイドルシーン全体においても、所属事務所においても、ももクロは替えの効かない存在になっている。もともとAKBグループのような永久機関を作ろうともしていないでしょうし、やはり解散の仕方をどうするかが、そう遠くない将来のテーマになると考えられます」  

 次回は「ポストAKB48」を狙うアイドルグループについて、引き続きエドボル氏に聞く。
(取材=吉住哲、構成=編集部)