SUPER☆GiRLS、リーダー八坂沙織が卒業へ グループが継続するために必要なものは?
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SUPER☆GiRLS9枚目のシングル『空色のキセキ』が2月12日にリリースされる。このシングルは、2月23日のパシフィコ横浜でのライブで卒業を迎える、SUPER☆GiRLSリーダー八坂沙織が参加するラストシングルとなる。
SUPER☆GiRLSは2009年、エイベックスとしては初となるアイドルグループの結成を目的とした大規模一般オーディション『avex アイドルオーディション 2010』が開催され、2010年に結成、同年8月に行われたa-nation愛媛会場で初お披露目。その翌日、Tokyo Idol Festival2010の品川ステラボールでのステージが東京初登場となった。その後、CD売上でもコンスタントに上位を記録し続けた。ある意味では現在のアイドルブームと共に生まれ、成長していったグループといえよう。また、AKB48以降、多数存在するグループアイドルの中でも、様々なグループの良い部分を集約し、現在のグループアイドルのフォーマットとして最大公約数的にまとめあげたグループともいえるかもしれない。それ故に、AKB48以降でアイドルファンとなった層にとっては、非常に入りやすいアイドルとして人気を獲得して行った背景もある。
ただ、SUPER☆GiRLSに先駆けたグループアイドルである、モーニング娘。やAKB48、アイドリング!!!が経験したものの、まだSUPER☆GiRLSが経験していないことがある。それが、新メンバーの加入と実質的リーダーの交代である。
モーニング娘。は結成から約9ヶ月後に新メンバーが加入。また、アイドリング!!!は2年半の時間は要しているものの、菊地亜美ら2期生が加入。AKB48にいたっては結成からわずか3ヶ月で大島優子ら2期生を加入させている。どのグループも卒業と加入を繰り返しながら活動しているのは御存知の通りである。現在のグループアイドルにとって、グループを“箱”として捉え、新陳代謝を繰り返しながらその箱を永久機関化させていくシステムがひとつの形となっている。そして、その間に実質的なリーダーが卒業などをキッカケに交代している。モーニング娘。なら強烈なインパクトを残した中澤裕子から、現在の道重さゆみで8代目。アイドリング!!!については、初代は“自称”リーダーだったものの、加藤沙耶香から遠藤舞へと受け継がれ、今月14日に遠藤は卒業を控え、次はだれがそのバトンを受け取るのかにも注目が集まっている。AKB48の実質的リーダーは現在では総監督である高橋みなみだが、最初期のリーダー的ポジションは折井あゆみであった。折井の卒業によりバトンタッチされ、高橋が現在のポジションまで作り上げた。
SUPER☆GiRLSは、2月23日にリーダー八坂の卒業。そして元ストリート生3期生で、TOKYO TORiTSU これで委員会でも活動していた浅川梨奈、内村莉彩の2人の加入が決定している。先駆となったグループたちは、こうした新陳代謝を繰り返しながらも、グループとして“箱”のカラーを継承し、ひとつのグループの形を作り上げてきた。
SUPER☆GiRLSは、最大公約数的であるが故に、グループの特徴的な色が存在しない。明確な方向性を示さなかったことが今まではある意味カラーとなっていたように考えられる。それが、多くのファンを受け入れる窓口としては非常によく機能していたのかもしれない。しかし、これからグループとして継続するために新陳代謝が行われて行くのであれば、どこかで明確な名刺代わりとなり、メンバー間で継承され続ける、グループの“色”の提示が求められるのかもしれない。誰がリーダーを務めても、誰がメンバーとなっても、継承すべきグループの“色”。
弦楽が印象的で美しさと爽やかさを兼ね備えた『空色のキセキ』を聴いた時、ふと見えた真っ白なキャンパスの様な景色。この景色を何色に染めるのか? SUPER☆GiRLSがたくさんの少女たちを未来へと誘う箱舟となるのであれば、染めるのではなく、その真っ白なキャンパスからにじみ出てくるような“色”が生まれてくる必要があるのかもしれない。
■エドボル
放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。