道枝駿佑、『絶対零度』狂気の演技に騒然 『母になる』広役とは真逆のサイコパスぶり冴える
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早くも折り返し地点に突入しようとしているドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)。“未然犯罪捜査チーム=ミハン”のミハンシステムにリストアップされる人物が、その週のゲストとして主に登場しているが、第5話では関西ジャニーズJr.の道枝駿佑がミハンシステムに割り出された危険人物・岡崎直樹を演じた。
参考:沢村一樹が語る『絶対零度』“ミハン”のチームワーク 「AIでは読めない、新しい結束が生まれた」
何と言っても注目は、事務所の先輩である関ジャニ∞の横山裕との共演だろう。横山が演じる山内徹は、バスケ部の外部指導員として岡崎の通う青葉中央高校に潜入する。そこで岡崎はマウンティングを兼ねて、学校に新しくやってきた山内にバスケの1on1を仕掛ける。勝負は山内の勝利となるが、公式のニュースによれば、演じる道枝はバスケットボール未経験とのことで、撮影前にはディフェンスやフェイントの練習を横山が付き合ってあげたという。その成果もあってか、道枝は横山相手に初心者とは思えない綺麗なレイアップシュートでポイント先取する。山内の強烈なスティールが決まり、岡崎は敗北を喫することとなるが、それをきっかけに彼は内に秘めた危うい本性をその表情に垣間見せる。ミハンの南(柄本時生)は岡崎を見た瞬間に、「リアリティのない感じ」「仮面を被った人物」と例えたが、その言葉は言い得て妙である。
岡崎は反社会的サイコパスで、真の目的は父親が働く文部科学省の官僚たちを無差別に殺すこと。その行動に明確な答えはなく、ただ世間や観客の心を支配したいという一心のみだ。3Dプリンター銃を手に、躊躇なく引き金を引く岡崎。道枝と言えば、昨年、15歳にしてドラマ初出演となった『母になる』(日本テレビ系)での、柏崎結衣(沢尻エリカ)の息子・柏崎広役が印象的だが、それ以来1年余りの期間を経て出演となった『絶対零度』では、初のアクションシーンを披露している。
それが、この文部科学省での銃撃戦。1on1の後に見せた危うい顔つきで、岡崎は発砲し続けていく。事態を理解しないまま近づいた父親の脳天目掛けて、岡崎は銃の引き金を引き、「ああ、やっと殺せた」とボソッとつぶやく。『母になる』で見せた無邪気な笑顔とは一変した、サイコパス役として狂気的な演技だ。駆けつけた山内や井沢範人(沢村一樹)らミハンチームに囲まれ、岡崎は持っていたナイフで自身の頸動脈を掻っ切り、最期を遂げる。ラストの虚ろな表情も含めて、初のアクションシーンとして申し分ない演技だったのではないだろうか。
これまで『絶対零度』に登場してきた危険人物たちは、少なからず井沢にリンクする部分があった。井沢は、自身の誕生日に愛する娘と妻を殺害されていた悲惨な過去を持ち、その復讐に殺人を犯している。
第5話で言えば、「表と裏の顔にはギャップがある」「サイコパス」という部分で、どこか井沢を連想させる。岡崎の裏で、彼の犯罪を後押ししていた川上邦明(近藤公園)は、井沢に「あなたは人を殺したことがありますね」と言い当てるが、それを否定しない井沢の態度に、骨伝導マイクを通しその話を聞いていたミハンチームには動揺が広がっていく。第5話のラストには、川上を射殺する井沢らしき後ろ姿が。第6話では、捜査線上に井沢そっくりの似顔絵による危険人物が浮かび上がる。予告には「明かされる衝撃の真実」とある通りに、第6話は今作にとってターニングポイントとなることだろう。(渡辺彰浩)