瀬戸康史が語る、『海月姫』女装男子役への不安と自信 「自分がキレイに見える角度は狙っている」
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フジテレビ月9ドラマの2018年、第1作目である『海月姫』が、ついに1月15日に初回放送を迎える。原作は、2010年にテレビアニメ化、2014年には実写映画化もされている東村アキコの同名コミック。クラゲを愛しすぎてしまった筋金入りの “クラゲオタク女子”倉下月海が、ある兄弟に出会ったのをきっかけに、新しい自分、新しい生き方を見つけていく模様を描く。映画では能年玲奈(現・のん)が演じた主人公・月海役を、ドラマでは芳根京子が月9初主演として務めるほか、彼女の人生を変えるきっかけを作っていく人物で“女装美男子”の鯉淵蔵之介役を瀬戸康史が務める。
リアルサウンド映画部では、先日の完成披露試写でもすでに訪れた観客や共演者らから「かわいい!」と絶賛の女装姿を披露した瀬戸にインタビュー。本作で演じている女装役についての本音や本作へ懸ける意気込み、30歳の節目となる2018年の展望を訊いた。(編集部)【写真ページの最後には、チェキプレゼント企画あり】
参考:瀬戸康史 写真
■「やっぱり女装というのが一番の不安要素でした」
ーー初めは蔵之介役が「自分で大丈夫だろうか?」という思いがあったそうですね。
瀬戸康史(以下、瀬戸):やっぱり女装というのが一番の不安要素でした。でも、こういう役は滅多にないですし、自分で自分の力を試してみたくて。蔵之介はものすごく魅力的な人だし、演じてみたいという気持ちのほうが勝った感じです。
ーーでは、具体的な役作りについて教えてください。
瀬戸:女性に見えないといけない場面があるので、毛の処理をしたり、仕草を女性っぽくするにはどうすればいいのかっていうのを探っていますね。
ーー女装した自分を見たときの正直な感想はいかがでしたか?
瀬戸:それが自分のことなので、自分ではよくわからないんですよ(笑)。なので、スタッフさんや共演者の方が「かわいい」とか「キレイ」とか言ってくれるのを励みにしています。
ーーやはり、褒められるとテンションは上がりますか?
瀬戸:めっちゃテンション上がります。
ーーそれは、ふだん「かっこいい」と言われるのとは、また別の感覚?
瀬戸:女装することに自信がない分、喜びは大きいですね。あと、女性はそうやってかわいくなっていくものなんだって思うようになりました。だから、「かわいい」とか「キレイ」とか、ポジティブなことは伝えるべきなんだろうなって。僕はふだん、そういうことを言わないタイプだったんですけどね。
ーー女性の気持ちが理解できるようになって、女性への接し方にも変化がありそうですね。ちなみに、毛の処理をした時のお気持ちは?
瀬戸:気持ち悪かったです。すね毛がないから、パジャマとかが肌にダイレクトに当たる感じとか(笑)。最初は変な感覚でしたけど、1週間くらいで慣れました。でも、女性が冬になると毛の処理をあんまりしなくなるように、毎日は剃ってないですよ(笑)。
ーーなるほど(笑)。物語において“蔵之介がキレイであること”が肝になりますが、そのためにこだわっていることはありますか。
瀬戸:自分がキレイに見える角度っていうのは、なんとなく狙っています。その角度は、結構ウィッグによっても違うんですよね。けれども僕ひとりのパワーじゃ無理で、メイクチーム、スタイリストチーム、照明、カメラ、全員の力が集結しないと、ちゃんとしたクオリティには仕上がらないとは思います(笑)。みなさんが全力を尽くしてくれて、ありがたいですね。
■「やっぱり、高橋一生さんとの出会いは大きい」
ーー蔵之介は自由奔放でありながら、周囲に流されない信念を持っています。瀬戸さんご自身が蔵之介に共感できる部分は?
瀬戸:いろんな葛藤を抱えながら生きているところは、僕だけじゃなくいろんな人が共感できるんじゃないかと思います。自由奔放にやっているっていうのも、そう見せているところもあって。たとえば「コンプレックスも含めて自分なんだ」と受け入れられれば楽なのに、なかなかそれができないっていう人はたくさんいらっしゃると思うし、僕もその一人。そこを蔵之介がどう月海(芳根京子)たちと一緒に乗り越えていくかっていうのが、ひとつのテーマでもあります。
あと、蔵之介は本当の母親と会えない状態で、母に対する思いがとても強いんです。僕も17歳で上京して、両親に会えるのが1年に1回くらいだったので、会いたいという気持ちも含めて、親への思いも共感できますね。
ーー『海月姫』は2014年に映画版も公開されていますが、意識するようなことはありますか?
瀬戸:はい、僕も観ました。ただ、ドラマをやる上でとくに意識はしてないです。蔵之介役の菅田(将暉)くんと僕は、顔のタイプも違いますし…いろんな意見があるでしょうけど(笑)。映画のときには原作も終わっていなかったですし、ドラマでは長い分丁寧に描ける部分もたくさんあるので、そこは違うところかなと思います。
ーーSNSを拝見していますが、現場の雰囲気もとても良さそうですね。
瀬戸:現場は、共演者、スタッフ陣も含めて全員すごく仲がいいです。スケジュール的にキツいことはあっても、毎日この現場に来るのが楽しみで。個人の控え室も用意していただいていますが、ひとりになりたくないので常に前室にいます。本当にくだらないことを話したりしていて、僕は一応、女子トークにも入れていると思いますよ(笑)。
ーー蔵之介にとって月海との出会いは大きなものだったと思います。瀬戸さんの人生においてはいかがでしょう。
瀬戸:そうですねぇ…やっぱり、高橋一生さんとの出会いは大きいかな。年齢も8歳くらい違うけど、一番仲が良いんですよ。「こんなことってあるんだ」って、驚くくらい気が合って。それこそ、本当に兄弟みたいな感じです。
ーーとても素敵な関係ですね。それでは最後に、30歳の節目となる2018年の抱負を聞かせてください。
瀬戸:とくに年齢を意識していることは何もなくて、ひとつひとつの仕事を丁寧にやるっていうのがモットーです。先のこともいろいろ考えなきゃいけないとは思うけど、今があって先がある。先のことだけ考えて、夢ばかり見ていても仕方ないと思うんです。僕は今を生きる。30歳になっても、きっとそれは変わらないと思います。
(nakamura omame)