真風涼帆が渡西した侍に扮する宝塚宙組公演が東京で開幕
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宝塚歌劇宙組『El Japon-イスパニアのサムライ-』 (C)宝塚歌劇団
宝塚歌劇団宙組東京公演、『El Japon(エル ハポン)-イスパニアのサムライ-』と『アクアヴィーテ(aquavitae)!!』が、本日1月3日から2月16日(日)まで東京宝塚劇場で上演される。
1幕の宝塚ミュージカル・ロマン『El Japon-イスパニアのサムライ-』は、スペインに渡った日本の侍が、異国の文化に触れ、現地の人たちと交流しながら、絆を深めていく物語で、作・演出の大野拓史が、スペイン南部の町コリア・デル・リオに、日本を意味するハポンという姓の人々がいて、“サムライの末裔”を自認していることに想を得たという作品だ。
主人公は、1613年、伊達政宗が派遣した慶長遣欧使節団に、支倉常長らと共に参加した仙台藩士で、夢想願流剣術の名手・蒲田治道(真風涼帆)。実在の人物だが、ここでは宝塚オリジナルのストーリーが展開する。
愛する女性を守れなかったことで心に深い傷を負った治道は、使節団が滞在していたセビリア郊外のコリア・デル・リオで、夫を亡くし、女手ひとつで残された宿屋を切り盛りするカタリナ(星風まどか)、そして、アレハンドロと名乗る謎多き剣士(芹香斗亜)と出会う。凜としたカタリナの姿に、かつて愛した人の面影を見出し、彼女と過ごす日々に心の傷が癒やされていく治道だったが、やがて使節団の帰国の日が迫る。
後半のショー・トゥー・クール『アクアヴィーテ!!~生命の水~』は、これまでにも『Cocktail-カクテル-』や『Sante!!~最高級ワインをあなたに~』など、お酒をテーマにしたショーを手がけてきた作・演出の藤井大介が、都会的で大人のムードあふれる宙組のために作った、ウィスキーをテーマにしたショーだ。
アイリッシュやスコッチなど、いろいろな種類のウィスキーのボトルや味わいからイメージを膨らませた場面が、時にしっとりと、時に賑やかに、時にスタイリッシュに繰り広げられるが、まず幕開きから、スツールに座り、ウィスキーグラスを手にした真風がセリ上がり、物憂げにブルースを歌うという、ファンにとっては溜め息ものの演出で魅せる。
ショーの中盤、客席降りしてきた出演者と一緒に、その場で踊ることができる観客参加の楽しい場面もあり、東京でも大いに盛り上がりそうだ。
文:原田順子